こんにゃちは、猫月です🐱
いきなりですが、あなたはつみき遊びをしますか?

つみき…ちょっと苦手です…
一所懸命に作っても、すぐ崩れちゃうし
子どもにも、あっさり壊されちゃうし…

あはは、確かに子どもは壊したがるよね
つみきでの遊び方に困っている大人は、
結構多いんじゃないかな?
ポピュラーなおもちゃの割に、
大人にはなんとなく敬遠されがちなつみき
保育園でも遊んでいる様子を見ていると、
「壊さないの」とか
「こっちに載せるんだよ」とか
大人の困っている声がよく聞かれます
崩れやすいし、
教えたからって上手くいかないことも多いし、
それなりの量も必要だし……
でも、子どもたちの遊ぶ姿を見ていると、
やってることは驚くほどシンプルなんです
とにかく、積む
ただそれだけ
高く積んで、高く積んで、高く積んで──
崩れてもまた積んでいきます
こんな単純な遊びに、どうして子どもは夢中になるのでしょう?
当たり前にあるおもちゃだからこそ、
わかりづらいこと、見えにくいこともあります
今回は、つみきを因数分解してみようと思います
積んで、崩れて、また積んで──「高く積みたいから」遊びは進化する
あっさりと崩れてしまうのに、また積み上げたくなる
そんな「つみきの面白さ」の根っこは、
子どもの姿にヒントがあると思っています
たとえば、1歳児クラスでの遊びの様子──
子どもは、つみきを同じ向きのまま、
上へ上へと重ねていきます
積んで積んで、7、8個も重ねると、がしゃーんと崩れます
大人と違って、重心を量って積み重ねるのは難しいですからね
でも、高く高くしたくて、子どもはくり返し遊んでいきます
じゃあ、幼児(3歳以上)になったら変わるのかというと……
井形に組んだり、六角形に組むようになったりと、積み方は変わってきます
崩れにくい積み方を考えているわけですね
でも、やっぱり高く高ーくしようとするのは、1歳児と同じw
カプラなんて、保育室の天井につくまで重ねていきますからね
人間には、バベルの塔を作る本能でもあるのか……?🤔
ってくらいに
ここで、つみきの面白さを一つ考えてみます
つみきって、つながらないんですよね
乗せるだけ
レゴ好きの私としては、ここが大きな違いだと思っていて
レゴはブロック同士がガッチリつながるから、そう簡単には崩れない
でもつみきは、重ね方のバランスで形作られていくもの
──理屈っぽく言うなら、重力と摩擦力のマリアージュ!
だから、崩れる
でも裏を返せば、
「うまくいった」も「うまくいかなかった」も、
その場で目に見える
崩れる経験を重ねるうちに、
子どもは「どうしたらもっと高く積めるか=崩れないか」を自分で見つけていくんですね
井形や六角形に組むのは、まさにその発明です
ゴールは「高く」のまま
変わったのは、積み方のほう
実はこういうつみき遊びの姿の移り変わり、
90年以上も前に、ハリエット・ジョンソンという人が観察して、
段階としてまとめているんです
大人はつい、「お家を作ろうか」「街にしようか」と、
何かを“作る”方向に誘いたくなりますよね
でも子どもにとっては、「もっと高く」だけで、もう十分に面白いんです
崩れるのは、つみきの欠点じゃない
崩れるから、また積みたくなる
子どもが夢中になる理由のひとつは、ここにあるんだと思います
友だちが集まる──目に見える「面白さ」が協力を連れてくる
幼児クラスで、誰かが高く積み始めると、
不思議と、まわりに友だちが集まってきます
つみきの高さが子どもの膝丈くらいまでくると、
それを目にした他の子の目が輝き始めます✨
「高くなってきたねー」という興奮もあるでしょうが、
「大丈夫?倒れない?」というドキドキ感もあるでしょう
見ているだけで高揚してくるんですから、
「自分も一緒にやりたい」となるのは自然なこと
いつの間にか、一人で遊んでいたのが、
ちょっとしたグループの遊びになっている
──なんてこと、ありますよね
声をかけたわけじゃないんです
自然と、集まってくる
これ、高さが「誰が見てもわかる面白さ」だからだと思うんですよね
「もっと高くしたい」
それだけ共有できれば、途中からでも参加できる
しかも、高くなるほど一人じゃ手が届かなくなる
背伸びをしても届かないとなれば、
より背の高い誰かに頼ったり、
踏み台を探したりしますね
踏み台に乗ると、つみきを取るのが難しくなりますから、
そっと誰かがつみきを渡す役を買って出ます
踏み台が倒れないように支えている子もいる
私は、そばで見守っていれば十分で、
「協力した方が良いんじゃない?」なんてアドバイスも不要でした
遊びを楽しもうという気持ちが、協力を呼び起こしたんです
ちなみに、仲間と一緒に積む姿が多いほど、
作るものが複雑になっていく、という研究もあるそうですよ
そうやって(大人に抱えてもらいつつ)天井まで届いて、崩れなかったら──
その時は、そのまま何日か保存していました
保護者も子どもたちの偉業を共有していましたね
いつ崩すかというジレンマも発生するわけですが、
そのジレンマも当人たちが話し合って、
「(一回できたんだから)またできるよね!」と判断していました
(そして、実際にまた天井まで積み上げる猛者たち……)
この「残しておく」って、地味だけど大事な判断だと思っています
保育室の一角をあけておくって、それなりにコストがかかりますからね
でも、崩れる遊びだからこそ、「崩れずに残った」は特別な達成なんです
子どもの隣で、別の遊び方をしてみる──高さのおもちゃに「ドア」が生まれた瞬間
ここからは、私が保育として少し“エッセンス”を加えたお話です
1歳児クラスの冬での出来事──
使っていたのは、全部が同じ形の白木のつみき
通称“無限つみき”ってやつですね
これは、厚さ 1:横幅 2:縦幅 4の比率でできています
子どもたちが高く積んで遊んでいる隣で、
私は別の組み方をしてみました
横向きに1枚置いて、
その上の両端に、柱のように1枚ずつ立てて、
蓋をするように、横向きにもう1枚
漢字の「口」みたいな形ですね

これを5段くらい重ねていったら……
隣でじーっと見ていた子が、その「口」の中に、
デュプロの人形を入れ始めたんです
たぶん、マンションに見立てたんじゃないかなぁ……
さらに面白かったのが、
ドアを閉めるように、つみきをはめたんですよね
これがピッタリとハマったもんだから、
その子は全部の口を塞いで、
開けたり閉めたりを楽しんでいました
ちなみにこの1:2:4という比率、
幼稚園の生みの親・フレーベルのつみきと同じなんです
ぴったり組み合わさるように、100年以上前から使われてきた比率なんですね
私は、ただ自分の組み方で遊んでいました
人形を入れることも、ドアを閉めることも、
思いついたのは、その子でした
大人の遊びをヒントに、
子どもは自分で面白さを開拓していくんですよね
(ちょっと大げさかな?)
ただ、ここで勘違いして欲しくないのは、
「大人が作ってみせれば良いんだ」というのとは、ちと違うということ
子どものつみきに手を出したわけでも、
見せるために作ったわけでもなく、
隣で大人が、本気で遊んでいただけ
子どもは真似をしても良いし、無視しても良い
それを選ぶのは、子ども自身ですから
ところで、人形などのおもちゃを混ぜると、
つみきの構造そのものは単純になりやすい、という研究もあるそうです
あの子のマンションごっこも、それ以上高くはなりませんでした
でも、開けたり閉めたりする遊びには、
高さを増すのとは、違う面白みがあったんじゃないでしょうか
踏み台を──出すか、出さないか
つみきを高く、高く積んでいくと、
子どもの手が届かなくなってきます
「椅子に乗りたい」というのは、自然な発想です
でも、保育士としては、ドキッとする場面ですよね
私は、その時の状況次第ですが、
踏み台を用意したり、大人が支えたりすることもあります
こういう時、私は「特別ね」というフレーズを使います
つまるところ、今は諸条件が揃っているから叶えるけれど、
普段は通らないよ
ってことです
最たる条件は、「猫月がいること」なわけですが……
子どもたちには本当に申し訳ないと思うのですが、
保育士によって、保障できる遊びの幅はやっぱり違うと思うのです
私は、身長もそれなりにありますし、
力で支える余裕もありますからね
他の保育士に「猫さんはやってくれた」とならないように、
子どもたちへ「猫月だから支えられる」ことを知らせるのは、大事なことだと思っています
調べてみたら、子どもが自分でできるように最小限の支えを足すことを
「足場かけ(スキャフォールディング)」と言うのですが、
この言葉が初めて使われたのは、50年ほど前の、
子どもが木のブロックでピラミッドを組み立てる研究だったんです
(調べものは、Claude Chat=通称クロチャんに手伝ってもらいました)
踏み台って、文字通りの「足場」ですよね
ちょっと面白い偶然だなぁ、と思いました
さらに、公園の遊具に関する国の指針には、
子どもが自分から挑む危険(リスク)は適切に管理して、
気づけない危険(ハザード)は取り除く、という考え方が示されています
保育の展開で「これは、危ないかな?」と迷った時は、
この考え方を頭の片隅に置いておくことが大事だと感じました
🎯当たり前の遊びを、見つめ直す
ナツキは、「つみきはすぐに崩れてしまうから苦手」だと話していました
でも子どもは、すぐに崩れてしまうところに魅力を感じているようです
高く積んで、崩れて、また積んで
気づけば友だちが集まっていて
大人の遊びを横目に、思いもよらない面白さを見つけていく
そういえば、そもそもつみきで遊び始めた頃は、
子どもは崩すことを楽しんでいるんですよね
崩れることを前提に楽しんでいて、
高くしたいからこそ、友だちと力を合わせる
つみきは、どこの保育園にもある、
とてもポピュラーな玩具だと思います
でも、同僚の保育士は、
「ちょっと、遊び方が難しい」とも感じているようです
実際「つみき、(倉庫に)しまっちゃおうかなぁ」と相談を受けることもあります
今回は、私が目にしてきた子どもの姿から、
「つみきの面白さ」を改めて考えてみました
これが、つみきの全てだとは思いません
あくまで、私の保育視点での話ですからね
あなたの園の子どもたち、
あなたのお家の子どもには、
また違う面白さが見えているはずです
明日、子どもがつみきを積み始めたら──
その姿から、何が見えますか?
ー参考文献ー
・Johnson, H. M. (1933). The Art of Block Building.
・Wood, D., Bruner, J. S., & Ross, G. (1976). The role of tutoring in problem solving. Journal of Child Psychology and Psychiatry, 17(2), 89–100.
・Trawick-Smith, J., Swaminathan, S., Baton, B., Danieluk, C., Marsh, S., & Szarwacki, M. (2017). Block play and mathematics learning in preschool: The effects of building complexity, peer and teacher interactions in the block area, and replica play materials. Journal of Early Childhood Research, 15(4), 433–448.
・国土交通省(2014)「都市公園における遊具の安全確保に関する指針(改訂第2版)」

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