「何回言ったらわかるの?」──言って聞かせるよりも、「効かせる」関わり方

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みんなのQ&A

こんにゃちは、猫月です😺

棚を登る、おもちゃを投げるなど、
子どもが危ないことをした時、どう関わっていますか?
保護者も保育士も、そこがなかなか悩ましいことも多いですよね──

ムツキ
ムツキ

ねー猫さん、ちょっと聞いてよ!
子どもたち、何度『棚に登らないよ』って言っても全然やめてくれないの
「わかった」って答えるのに!!

猫月
猫月

あはは、ギリギリ叱らずに済ませたって感じだね
まぁ、「あるある」だよね
ムツキは今、言葉だけで止めようとしてない?

ムツキ
ムツキ

言葉以外にどう伝えるのよ?
「登っていいんだっけ?」って聞いたら
「登らない」って答えるんだから

猫月
猫月

それがね、「言える」と「できる」は別モノなのよ
「知ってる」と「わかってる」の違いともいうかな
そのギャップが、大人のイライラに繋がったりするんだけどね

子どもにモラルや安全について知らせるとき、
よく「言い聞かせる」という言葉を聞きます

と同時に、言って、聞かせても、
子どもの行動が変わらないことも多いのではないでしょうか?

その姿や無力感に、またイライラを感じてしまうことも……

私は、言葉でも伝えますが、
併せて行動でも示すようにしています
その方が、子どもが体感的に学びやすいと考えているからです

具体的にどう関わっているかを、
今日はお話ししていきましょう

「それは危ないから、やっちゃだめ」
「わかった」

このやり取り自体は、よくあるものです
ただ、1回だけで子どもの姿が変わらない実感もあるでしょう

同じことを何回も言う
でも変わらない
また言う
徐々に声が大きくなる

そのうち、ふとこんな言葉が出てしまう
「何回言ったらわかるの?」

言ったあとで、自分の言い方に落ち込む
子どももわからない自分に自信をなくす
そんな経験、ありませんか

この状態、実は大人も子どもも報われていないんです

大人は「伝わらない」ストレスを抱え、
言い方が強くなったことに自己嫌悪する

子どもは「怒られた」という体験だけが増えていって、
でも何をどうすればいいのかは、わからないまま

つまり、このくり返しからは誰も何も得ていない

だからこそ、「聞かせる」を目指すのをやめてみるという選択があります

「~しない」の伝え方
子どもが部屋を走り回っていたら…あなたはどうしますか?私なら「お部屋では走らないよ」と言いたくなるところですね。ところが「~しない」という否定形を、脳は理解できないそうです。「どういうこと?」という疑問はごもっとも。その理由と、どう言葉を掛けたら良いのかについて考えていきます。

「登っていいんだっけ?」
「登らない」

こう答える子どもは「登ってはいけない」ことは知っています
でも、次の瞬間にはまた登っている
「わかっているなら、なんで?!」となるのは当然です

ここに、大きな誤解があります

実は、子どもが育つ段階として、
「知っている」ことが「できる」まで育つには、大きな時差があるのです

言葉で理解したことを行動に移す力は、
年齢とともに少しずつ発達していきます

だから、棚に登ろうとする子に
「登って良いんだっけ?」ときけば「登ってはいけない」と答えられる
でも、「登りたい」気持ちを自制することは難しいのです

つまり、
指示を聞いているのに動けない、
やめるように言っても止まれない、
ということは、発達の最中にいる子どもとしては自然な姿なのです

とくに3歳前後までは、この「知っている」ことと「できる」ことの差が大きい時期です。


言葉と行動のズレについては、
心理学の分野でも古くから研究されてきました

旧ソ連の心理学者ルリヤは、
子どもが指示を復唱できても、その通りに動けないことを実験で示しています

「知ってる」けれど、まだ「できる」ではない
その間には、思っているより大きな距離があります


だから、言葉を重ねるだけでは足りない

必要なのは、子ども自身が体験を通して学べる関わりです

ある日の1歳児の給食での出来事です──

Aちゃんがテーブルを引っ張りました
他の子も卓についていますから、引けばみんなに影響が及びます

あなたなら、どう関わりますか?


私なら、まず引いた手を止めます
併せて「(テーブルを)引っ張ると危ないよ」と知らせます

それと同時に、Aちゃんがテーブルを引っ張った動機を探ります

おそらく、食べているうちにイスがさがってしまったので、
手が届かなくなったのでしょう

つまり「食べ物を自分に近づけたい」が動機ですね
幼い子は、まだ自分が世界の中心だと思っていますから、
「テーブルが自分に近づけば良いじゃないか」
と、Aちゃんは考えたのだと思います

Aちゃんには、「あなたからテーブルに近づくんだよ」
つまりは「イスをテーブルに寄せようね」と伝えたいところです

ですが、1歳児ですから自分のイスをテーブルに寄せるのは難しい

では、どうしましょうか

ここは、大人の援助が必要な場面です
「イスを近づけようね」と言葉で伝えつつ、
私がイスをテーブルに寄せます

言葉と行動をセットにすることで、
「言って、聞かせる」よりも「言う」+「効かせる」関わりを意識します

実効的な伝え方をして、
「こうすれば思った通りになる」=子どもの思いが叶う方法を
学んでもらいたいのです

さて、ムツキが困っていた「棚に登る子」の話に戻りましょう

Aちゃんの事例と違うのは、
棚に登ることそのものを叶えるわけにはいかないという点です

棚は登るための場所ではありませんし、危険もあります


こういう時、私は3つのことを意識します

① 言葉で止まらなければ、物理的に止める

「登ると危ないよ」と伝えても止まらないなら、
子どもを抱いて下ろします

ここでは「叶わない」を体感してもらうためです

言葉で止まるならそれが一番良い
でも止まらない時に、くり返させないことも必要な関わりです

② 叶う場面を知らせる

「棚は登らないよ。登るのはこっちだよ」

ジャングルジムや、階段など、登っていい場所を示します
「登りたい」気持ちそのものは、否定しません

③ 今できることを提供する

登る場所が近くにないなら、別の遊びを提案します

視野を高くしたいのか、身体を動かしたいのか
動機によって、提供するものも変わります


このくり返しで、子どもは少しずつ学んでいきます

「ここではやらない」
「あっちならできる」

やがて、自分で適切な方法を選べるようになる
それが「効いた」ということだと思うのです

ムツキ
ムツキ

「聞かせる」より「効かせる」ねぇ
最初は、またオヤジギャグかと思ったけど、
確かに一理あるわね

猫月
猫月

オヤジなのは否定せんけど……
「何回も言う」ってことは、
目的に届いてないってことだからね

ムツキ
ムツキ

だから、ただ知らせるんじゃなくて、
実効的な伝え方をする──
言葉「+α」で、効かせるってことよね

「何回言ったらわかるの?」
そう思ってしまうこと、ありますよね

でもそれは、あなたの伝え方が悪いというよりも、
言葉だけで届く時期に、まだ子どもがいないだけです

だから、言葉に「+α」を添える
・危ないことは、物理的に止める
・叶う場面を知らせる
・今できることを提供する

どれも特別なことではなく、
すでに自然とやっていることかもしれません

「知っている」が「できる」に追いつくまでには、時差があります
その時差を埋めるのに大事なのは、
くり返し言葉を尽くすよりも、
子ども自身が積み重ねた経験です

今日の関わりが、すぐに結果として見えなくても良いんです

子どもは、ちゃんと学んでいます
だから、目の前の子にわかりやすい工夫をすれば良いのです

さて、子どもが棚に登ろうとしています
あなたは、その子にどう関わりますか?

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