絵本の語り場 ~絵本は、ええ本~ “フリー”

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たのしい絵本

こんにゃちは、猫月だんくるおすてうすです。

今回も、酒井沙弥香さんとの共同企画
絵本の語り場 ~絵本は、ええ本~で紹介した
絵本のレビューを寄せたいと思います。

【絵本の語り場 ~絵本は、ええ本~】は、
みんなで絵本についてワイワイ喋ろう!というものです。
毎月一回、
テーマに沿った絵本を持ち寄って
その絵本の魅力
選んだ基準
どんな読み方・提供の仕方をするのか

といったことを楽しむ時間にしてきました。

ということで、
第12回 絵本の語り場
で私が紹介した絵本は、こちらです。

「おにぎりくんがね・・」
作:とよたかずひこ
版:童心社

あらすじ

おにぎりくんがね・・
にぎにぎ

 にぎにぎ
  にぎにぎ
にぎにぎ ぎゅっ ぎゅっ

 にぎにぎ ぎゅ~
  にぎにぎ ぎゅっ ぎゅっ
おにぎりくんたちは、自分で自分を握ります

そして、できあがると
🎵おにぎり にぎにぎ たべてみな
 うめ シャケ おかか たべてみな
楽しく歌って踊り出すのです

“ことば”の魅力が満載

私、とよたかずひこさんの作品が好きなんです😄

ももんちゃんあそぼうシリーズも

うららちゃんののりものえほんシリーズも

ワニのバルボンシリーズも

ぽかぽかおふろシリーズも

シリーズになっていない作品も、みんな好き😻

私は子ども達に絵本を届けるときに、“ことば”を重視します。
語彙、音、韻、オノマトペ、リズム、テンポ、
そういう様々な要素を含んだ“ことば”を子ども達に届けたい。

何故かと言うと、「私たちは、日本人だから」

ナショナリズムではありません。

ここれからの時代を生きていく子ども達は、
国や人種や性別や文化などを超えた、
多様性の中で生きていきます。

その多様性を知るためには、
まず自分にどんな文化があるかを知らなければ、自己と他者の違いは理解できませんし、
違いを認め合うからこそ、お互い様と尊重して生きていけると思うのです。

文化を知るためには、語学が必要です。
そして、私たちの母国語日本語です。
より広い世界と繋がるためにも、
まずは日本語をしっかりと身に付けてもらいたい

絵本は、語学力を培う土壌となる力を持っています。

その絵本の中でも、
“ことば”の魅力が満載なのがとよたかずひこさんの作品。
さらに一冊を選ぶとしたら
「おにぎり君がね・・」だったのです。

とよたかずひこ「おいしいともだち」(童心社)

おにぎりをにぎる

この絵本、表紙からしてシュールですね(笑)

おにぎりくんたち、自分で自分をにぎっています。

しっかり自分をにぎると、今度は具を「あ~ん」と待っています。

具が入ったら、海苔を自分でまとい始めます。

そして、全身を海苔で包むと「しゃきっ!」と誇らしげに立ち上がるのです。

おむすび🍙は3回だけ結ぶ👏と、
ふっくらとして、口にするとご飯がほぐれて、美味しくなるそうですが、
絵本のおにぎりくんたちは「ぎゅっ」としっかりにぎってます(笑)
気合いを込めています😄

海苔をまとっているシーンなんて、必死さが伝わってきます。

そして完成したときの表情ときたら、
ヒーローに変身した子どものようです。
お腹を空かせた子たちの、まさに救世主!

テレビのヒーローやヒロインは一瞬で変身できますけれど、
実際に変身するのは大変です。
ベルトを巻いたり、ドレスを着たり、
ヘルメットをかぶったり、ティアラを着けたり…。
子ども達は、ごっこ遊びで変身する手間を知っています。

おにぎりくんたちの「しゃきっ!」には、実感がこもっていますねー。

子ども達が、自分たちの経験をおにぎりくんたちに置き換えているとは思いませんが、
必死さに共感する部分はあるのではないでしょうか。

そして、できあがったときの誇らしさにも。

「このおにぎりは、美味しい」😋と確信してしまいます。

おにぎり にぎにぎ たべてみな

できあがったおにぎりくんたちは、互いに手を繋いで歌いながらグルグルと回り始めます。

🎵おにぎり にぎにぎ
  たべてみな
 うめ シャケ おかか
  たべてみな

そりゃ~、一所懸命ににぎって完成したのですから、
その嬉しさたるや、踊り出したくなるのもうなずけますよねー。

ところが、ここで 大 問 題 がっ!

グルグル踊ったおにぎりくんたち。

しっかり全身を海苔で包んでますから、

「え、どれが どれだか わかんなくなっちゃったって?」

そうです
 どれがうめで
  どれがシャケで
   どれがおかかなのか
もう分からない!!

ど、どうしましょう…?💦

するとおにぎりくんたちは、揃ってこう言うのです。

しんぱい ごむよう!

「おいしい😋ともだち」シリーズには決め台詞があります。

それが「しんぱい ごむよう!」✋😄です。

私は勝手に、子ども達が食に安心できるように、
「ちょっと食べてみよう」と思えるように、
「しんぱい ごむよう!」と伝えているのだと思っています。

「これは食べるとね…」みたいな説明じみた表現も、
「食べようね」と誘いかける文句も、
このシリーズには出てきません。

とにかく、食べ物に親近感を抱けるような、そんな描き方がされているのです。

おっと、肝心の結末ですが、

「しんぱい ごむよう!」と高らかに謳うおにぎりくんたち。

解決策は――

「3ことも めしあがれ」ですって😄

そうですね、3個とも食べちゃえば、
うめもシャケもおかかも食べられますね♪

このシリーズは食育がテーマのはずなんですが、
水戸黄門の印籠のように「しんぱい ごむよう!」が出てきます。
他のシリーズ作品も楽しいので、
是非、読んでいただきたいです🤗

余談:「絵本の語り場」を終えて

全12回の「絵本の語り場」を通して
おかげさまでMVPをいただくことができました🙏
絵本について誰かと語り合ってきたことが、
ひとつ認められたような想いでおります😊

私は絵本を選ぶときには、“ことば”を重視します。
ですが、それが絶対ではありません。

基本的には、
「子どもが絵本の世界にダイブできるか」
が最も重要だと思っています。
どれだけ、絵本の世界観に飛び込んでいけるか、
疑似体験や追体験ができるかですね。

時に、絵本から世界観が涌いてくるような作品もあります。

きくちちきさんの作品は、
絵本から絵が湧き出すような勢いを感じます。
作中のことばも素晴らしいですが、
まずはその絵の迫力というか、
気づいた時には絵の世界に飛び込んでいるような、
そんな絵本を描かれる作家さんです。

なんだかんだと、林明子さんの作品が本棚に並んでいます。
林さんの作品はダイブすると言うより、
迎えに来てくれるような
絵本に抱き込んでくれるような
そんな感覚があるからとも思います。
私は兄の立場でしたが
「あさえとちいさいいもうと」は、
幼心に同士を得たような気分でしたね…。

ヨシタケシンスケさんは、父としての同志ですね😄
そして、保育に於いての哲学書です。
「あー、子どもってこんな風に世界を捉えてるかも」
「そうそう、自分もこうやって世界を見てたなー」
なんて感じで。
“子ども視点”を振り返るときには、手に取りますね。

えー、挙げたらキリがないですね😆

みなさんも、自分が好きな一冊があると思います。
ついつい絵本を揃えてしまう作家さんもいらっしゃるのでは。
自分が好きな一冊を子どもに読むとき、
その魅力を子どもと共有しようとする。
その純粋な楽しさが、
子どもを絵本の世界へと誘うはずです。

あなたの好きな絵本を、大事にしてもらえたら嬉しいです😊

「絵本の語り場」で取り上げた絵本の紹介は、今回でおしまいです。
ですが、これからも絵本の魅力についてお話していきます。
よろしければ、また一緒に絵本についてお話ししていきましょう😄

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