こんにゃちは、猫月です😺
今回は、いただいた質問に回答していきます
Q:なかなか新入園児に泣き止んでもらえないです。どうすれば良いですか
😺:泣きたいだけ泣いてもらうことが大事だと思います

あー、わかるわぁ……
4月のあの大合唱はねぇ
できるだけ早く泣き止ませたいとは思うよねー

まぁ、泣き声が響く環境にいるのは、
保育士でも慣れるのは厳しいかもね
ただ、“泣き止ませよう”とすると、長引くと思うよ

どうして?
早めに泣き止んだ方が、
子どもも安心できるでしょ?

私は逆だと思ってる
自分の感情を受け止めてもらえる大人だから、
安心して一緒に過ごせるんだと思うよ
子どもが泣いていると「大丈夫」と声をかける大人は多いです
それは預ける保護者もですし、預かる保育士もです
でも、泣いている子どもは、何も大丈夫じゃない
大丈夫じゃないから泣いてるのですから
だからまずは、「泣きたいだけ泣いてね」と
子どもの思いを受け止めることが大事ではないでしょうか
今回は、「子どもの泣き止ませ方」というより、
「子どもに安心してもらえる関わり方」のお話をしていきます
猫月の関わり方
4月、新入園児との出会いの季節──
保育園に来たばかりの子どもたちは、
慣れない場所に戸惑い、保護者と離れた寂しさで、泣いています
「そりゃ、ママがいいよね」
「パパと一緒がよかったね」
その子の今の気持ちを代弁する
それが最初の一歩だと思っています
「ごめんね、抱っこするよ」
と謝りつつ、保護者から子どもを預かります
「おっちゃんのかたい胸で、悪いねー」
本来であれば、子どもの同意なく抱っこするのは避けたいところです
ただ、入園したばかりの子ですから、
保護者とすんなり離れるわけもなく、
詫びつつお預かりするのです
抱っこしていて、子どもが降りたがることがあります
そのときは、降ろします
子どもは初日から感じているのです
「この人じゃない」
「あの人の方が安心する」
私は、そのセンスを、信じています
降りたがるなら、その子が安心できる相手は私ではないのです
無理に抱き続けることより、その子が安心できる大人を探す方が大切だと思っています
逆に、しがみついてくるなら、抱き続けます
それは、「今はこのままが良い」という意思表示ですから
泣いている間は、その子に集中します
他の泣いている子には申し訳ないけれど、まずは目の前の安心を優先します
これはチームプレーで成立することですね
でも、どうしても二人を抱っこすることもあります
保育士の人数には限りがありますから
その時も、「ごめんね。私は一人しかいないのよ」と謝ります
私が二人いれば子どもをそれぞれ抱っこできますが、
こればかりは現実をお伝えするばかりです
それでも、抱っこされないよりはましですから、
鳴き声を上げつつぎゅっと私の腕に掴まってくれるのです
抱っこをしていると、やがて泣き止みます
でも、すぐには降ろしません
泣き止んだあと、抱っこしたまま床に座り、
その子が興味を持ちそうな遊びをそっと探ります
ひざの上で遊び始めれば、やがて他の遊びにも興味が出て私から離れます
子どもが自分から離れる──
そこまで見守ることで、初めて「泣き止んだ」のだと思っています
子どもが泣いている時に大事にしていること
泣いている子どもと関わっている時、
まずは大前提として、その子の気持ちを肯定します
泣きたいよね
ママがいいよね
子どもの気持ちを代弁します
同時に気をつけたいのは、
大丈夫とか
もう泣かないの
といった押し付けを避けることです
これは、子ども主体の言葉とは違います
大人が「泣き止んでほしい」を表していると、気づきたいところです
また、「泣いている子を抱っこするもの」というのも
大人の思い込みである場合があります
先ほどは、詫びつつ抱っこしましたが、
基本的には、子どもから抱っこを求めてくるか、
「抱っこしても良い?」など尋ねてから抱っこします
だから、泣いている子でも、降りたがったら降ろすのです
それは「この人じゃない」という意思表示でもあります
子どもは、本能的に「人を見る力」を持っています
五感をフルに使って、安心できる相手を見つけようとします
「この人は安心できる」
「この人はなんか違う」
言葉にはできないけれど、感じています
だから私は、子どもが降りたがるときは、その気持ちを尊重します
もちろん、そばでは見守りつつです
抱っこで泣き止む子もいれば、私では泣き止まない子もいます
それで良いのです
大事なのは、その子が安心できる大人に出会えることですからね
泣いている子を抱っこしている時に、意識していることがあります
それは、“心地よく泣ける”アシストをすることです
泣くのをアシストする、というと違和感を感じますよね
子どもはどうして泣くかというと、
ひとつは身の危険を知らせるため、
もうひとつはストレスを発散するためです
泣く時に、子どもは大きく息を吐き出します
息を吐くと身体の緊張が緩んで、楽になっていくのです
泣くのをアシストするというのは、
子どもの緊張をほぐし、身体が安心することを手助けするのです
安心すれば、泣くのも落ち着いてきます
これは「泣き疲れて静かになる」のとは違います
心身ともにほぐれたから、泣き止むのです
泣いている子を抱くとき、
私は子どもの泣くリズムに合わせて、背中に置いた手にごくわずかな圧をかけます
感覚としては、自分の手の平の重さをかける程度です
子どもが息を吐き切れるように、背中をそっと押す
吸うときには、力を抜く
それだけです
ヨガの呼吸法からヒントを得た、私なりのやり方です
泣くことは、感情を外に出すことです
それと同時に、心身を整える手立てでもあります
泣き切ったとき、子どもは自分で落ち着きます
その力を支えるのが、見守る大人の役割だと思っています
子どもの泣き方にも、いろいろあるのです
泣いている子どもを観察していると、泣き方にもいろいろあることに気づきます
そしてその様子から、その子が今どんな思いでいるのかの推察もできます
以下は一例ですが、
子どもの気持ち(=泣く動機)が何となくでもわかると、
寄り添い方も変わってくると思います

目を閉じてひたすら泣く子
全身で「ここにいたくない」を表現しています
一言で表すなら、拒否ですね
こういう子には、そっとそばにいることが大切です
とにかく泣きたいのですから、言葉をかけるよりも、安心して泣けるようにします
目をあけた時に、優しく頷くくらいの柔らかい関わりが大事だと思っています
まずは、「ここは泣きたいだけ泣ける=自分の気持ちを表現できる」環境だと感じてもらいたい子です
目を開けたまま泣く子
泣きながらも、周囲を観察しています
ここはどこなのか、何があるのか、どんな人がいるのかをよく見ています
観察しているので、泣きながらも給食を食べたりします
五感をフルに使って、安心できる材料を探っていることが多いです
なので、特定の保育士で泣き止むことがままあります
その保育士がいなくても、次に安心できる大人を見つけていることもあります
泣いているけれど、しっかり主体性を発揮している子です
泣きやんだけど離れると泣く子
「今はこのままが良い」という意思表示です
保育士にひとまずは安心を感じてくれている、ということでもあります
「もう泣き止んだから」と降ろすのは、大人の都合です
その子が自分から離れるまで、そばにいることが大事なんです
泣き止みはするけれど、環境に慣れるまではじっくり時間をかける子でもあります
遊んでいたのに泣きだす子
遊んでいたけれど、突然泣き出す子っていますよね
安心しているようでも、不安の芽は残っているものです
遊んでいられるのは保育士が、その子の安心基地になっているからです
だから、ちょっとでも不安になるとその大人を求めて泣くのです
ホッと一息つくと、また遊び始めるのも珍しくないです
泣いて、遊んで、また泣いて
それをくり返しながら、少しずつ自分の世界を広げていく子です
例として4つを挙げましたが、
大事なのはその子を見つめ、
「どうして欲しいのか」「何が嫌なのか」を探ること
そして、それをほぐしていくことです
まずは、目の前の子の気持ちをしっかりと見つめてみてください
それが、子どもの安心につながっていくはずです
こんな視点もある:泣きやみやすい保育室の話
ちょっと話は変わりますが──
部屋の環境が泣く期間に影響するってご存知ですか?
子どもがなかなか泣き止まない理由は、保育士の関わりだけにあるわけではありません
施設の音環境も、実は大きく影響しています
コンクリートの壁や床は、音が反響しやすい構造です
一人の子どもの泣き声が響くと、それが他の子どもの不安を刺激して、泣く子が増えることがあります
泣き声が泣き声を呼ぶ、という状況です
実はこれ、建築の専門家も注目している問題です
現在の建築基準では、保育園内の反響音に設けるべき基準がありません
そのため、音が響きやすい環境のまま設計された施設も少なくないのです
吸音材を壁や天井に導入することで、反響音が抑えられ、子どもが落ち着きやすくなった事例も報告されています
ただし、施設の改善には予算が必要です
これは保育士の工夫でどうにかなるものではなく、経営者の判断によるところが大きいですね
▶️ 壁の一部に貼るだけでも、音の響きは緩和できます
おおらかな気持ちで向き合いたい
子どもが泣き止まないとき、焦りますよね
特に出先では、「早く泣き止ませなければ」と思うものです
でも、「どうやって泣き止ませるか」にフォーカスすると、余計に泣くことがあります
大事なのは、「どうして泣いているのか」です
お腹が空いた、眠い、怖い、寂しい
泣く理由は必ずあります
その「どうして」が解決すれば、泣き止むことも多いのです
赤ちゃんの頃なら、喋れないのを前提に
「オムツかな?」「お腹が空いたのかな?」と、
泣いている理由を探りますよね
保育園に通うようになっても、
まだまだ泣く、怒るといった態度でコミュニケーションを取るのは自然な姿です
「何かを伝えたいんだな」と受け止める姿勢は、大事です。
そしてもう一つ
親が焦ると、子どもも不安になります
子どもは、大好きな親の感情にとても敏感です
「早く泣き止んで」という焦りは、そのまま子どもに伝わります
泣いている子どもに必要なのは、
おおらかに受け止めてくれる大人の存在です
「泣きたいなら、泣いていいよ」
大人の余裕を持った姿が、子どもの一番の安心になります
🎯泣いている子との関わり、理想通りじゃなくても大丈夫
「三方一両損」という落語があります
それぞれが少しずつ損をすることで、丸く収まるという話です
子どもの泣き声をめぐる場面も、少し似ているなと思うことがあります
子どもには、思う存分感情を表現させてあげたい
でも、泣き声を聞かされるクラスメイトや周囲の人たちの気持ちも、わかります
その板挟みにある保育士が穏やかな気持ちでありたいのも、当然の話です
三者それぞれの100点を目指すのは、難しいのです
でも、三者それぞれが80点くらいは満足できる
そこを目指すのが、現実的で、最良だと思っています
「泣き止ませること」が正解ではなくて、
「みんなが、まぁまぁいいかな」と思える着地点を探すこと
それが、子どもの泣き声と向き合う上での、私なりの考えです
とりあえず、相手の気持ちは変えられないので、
私は自分の心持ちを変えるようにしています
泣いている子と向き合うときは、
「頑張って表現してるね」
「しっかり主張してるね」
と、泣いていることよりも、気持ちを表しているという姿として見るようにしています
“泣く”というのは、コミュニケーションの手段ですからね
耳は大声を浴び続けているんだけど、
それを除けば、どうにか想いを伝えようという子がいるだけのことです
初日から全力で泣いているなぁ
あ、昨日と泣き方が変わったな
今日は泣きながらも周囲を見ているな
抱っこすれば落ち着くようになったな
もうね、泣きながらも見せてくれるのは、その子の日々の成長ですよ
そういう風に自分の目線が変えられるようになると、
「泣きやませたい」「泣きやまない」という意識も、
変わってくるんじゃないでしょうか明日からいきなり考え方を変えるのは難しいでしょうが、
ちょっとだけ、1° だけでも見方が変えられたら、
あなたの悩みも少し形が変わると思いますよ
▶️ 子どもの”心”と向き合う、その手助けになる1冊です

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