Q&A 「遅い子には、どう関わりますか?」

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コルクボードに質問が貼り付けられている。「遅い子にはどう関わりますか?」(A question is posted on a corkboard: "How do you interact with children who are slow learners?") みんなのQ&A

こんにゃちは、猫月です😺

今回は、うちさんの保育塾内での
猫月茶話会【「早くして」欲しい時に】を催した際に
参加者からいただいた質問へお答えします

大元のうちさんのポストはこちらです

それに対する私の回答記事はこちらです

レツキ
レツキ

別に急かすつもりはないんですけどー
でも、見守ってるだけじゃやてくれないですよねー
猫さんは、待っている子たちに気が咎めません?

猫月
猫月

あんまり気にしてないなー
全員が起きる時間で想定しているからね
早くできる子、ゆっくりな子、
どちらにもメリットを提供できるよう工夫するよ

レツキ
レツキ

うわぁ、また難しいことを言い出したー
そんなこと、できるんですか?
具体的にどうするんです?

猫月
猫月

具体的な話なぁ──
そうだね、レツキも悩みがちな、
午睡明けの場面で例えてみようか

質問に対して、午睡場面での事例をお話ししていきます

私が保育園で働き始めた頃、当時の主任からはこんなアドバイスがありました

👩クラスの運営は、平均的な子を目安に進めていくのよ

新人ですから、素直にその通りの保育を目指したのです

ところが、平均的な子を中心に保育を考えると、
そこに追いつけない子も出てくるわけです
そういう子たちを「遅い」と感じはじめたんですね

ところで、猫月は子どもの頃は「遅い」子でした
低月齢ですし、身体も小さいし、運動神経も鈍いし…
周りの同僚たちの「早くして」という言葉を、日々耳にする中で、

🐱これは、なかなか苦しいぞ……

とも感じていたわけです

私の保育でのモットーは、
「自分が子どもの頃に嫌だったことは、保育でもやらない」ですから、
この「早くして」もどうにかしたかったのです

そこで、子どもが自分で「あ、少し急がないと」と気づくには?を考えてみました
子どもたちに合わせた指標を設けてみたのです

当時は3歳児クラスの担任でしたが、
午睡から起きて保育室へ戻るのに15分かかっていました

ゆっくり起きる子も、15分あれば午睡の片付けを終えるのです
では、それをみんなにも自覚してもらおう!

🐱ねぇねぇ、今時計の長い針はいくつ?
👦3だよ
🐱そうだね。3になれば、みんなが揃うね
 3を(保育室へ戻る)出発の時間にしようか
👧👦いーよー!

こうして、「3になったら出発する」約束ができました
ゆっくりな子に合わせた時間設定ですから、
「遅い」が発生しなくなったのです

さて、「3になったら出発」とクラスの約束ができたものの、
そこは3歳児
コンディションによっては、遅れることもありますよね

そんな時は大人が援助するのですが、
「自分で間に合わせる」意識は持ってもらいたい、とも願うわけです

そこで私はどうするかというと

事前段階として、
起床時間の前にカーテンを開けるなど、
目覚めやすい環境を整えておきます

「春の海」や「UFOキャッチャー」を使います

なんのこっちゃ!?と思いますよね(笑)

できる限り見守りつつも、
あと3分を切っても起きないとなると、
まず、その子の隣について名前を呼びます
次に、掛け布団をどけます

それでも起きないなら──
「春の海」を口ずさみながら、
🐱つん つくつくつくつん と指で全身を軽くつつくのです

まぁ、それまでに半分以上覚醒してますから、
つつかれればくすぐったくて起きますわな😁

それでも起きないなら?

私は「UFOキャッチャー」になります🛸

両腕をクレーンゲームのアームに見立てて、BGMを鼻歌いながら、
その子を抱え上げてみんなが待つ場所まで連れていきます

なんでUFOキャッチャー!?

その関わりの根拠は、4.でお話しますね👇️

15分という幅の中で、
15分ギリギリで起きる子もいれば
5分もあれば全てを終える子もいます

早く終えた子を待たせると気が咎めるから、
ゆっくりな子を急がせたくなる
その思いは理解できます

私も、10分をただ待たされて過ごすというのは、
勿体無いと思います

ではどうするかというと、
早い子もゆっくりな子も尊重できる保育を考えたいのです

午睡明けの場面で私は、
早めに身支度が整った子にはお手伝いをお願いします
自分の布団を押し入れまで運ぶとか
布団の下に敷くマットを片付けるとか
子どもでもできる作業がありますからね

もちろん「やらなーい」という子もいますから、
その思いは尊重します
でも、「よろしくね」と頼むと、
断る子はほぼいませんでしたね

お手伝いが好きな子は、多いのです

なぜそれほどお手伝いを喜ぶのかは、4.でお話ししますね

2.と3.でお話しした子どもとの関わり方について、
こちらで少し詳しくお話しします

まず大前提として、
ヒトは注目を集めたい動物
ということがあります

私たちは未熟な状態で生まれて、
1歳程度になるまで歩行もままなりませんよね
周囲の注目を集めることが、生存には必要だからです

子どもの「注目行動」といわれるものは、
この本能に基づいています

そしてもうひとつ、
ヒトは「貢献感」が幸福感につながる動物です
コミュニティで生活していくので、
誰かの役に立つことが嬉しいのです

このふたつのポイントを押さえたのが、
「UFOキャッチャー」と「お手伝い」を考案したきっかけになります

章題で「適当な援助」という言葉に、
「え?」という違和感を感じませんでしたか?
これ、私が意識していることです

ゆっくりな子を起こす時に、
大人が丁寧に抱っこしてしまうと、
早く起きた子も「ゆっくりだと抱っこされるんだ」と感じます
「ゆっくり起きた方が良い」という思いが湧いても、
それは自然なことですよね

でも、フィーチャーされるべきは、
自分でしっかり起きることの方なのです

だから、ゆっくりな子の援助はするんだけど、
言葉ではなく鼻歌で予告するなど、
あえて丁寧さを欠いた対応をしているのです

逆に、早く起きた子には
「貢献感」という喜びが得られるように関わっています

あなたを頼りにしているよ
保育者の意図に応えてくれてありがとう
言葉と目と、感謝の意を尽くすのです

あくまで目指すのは子どもの自立
「早い」ことは横に置いても、
自分のことは自分でできるようになってね
という願いをこめて、この関わり方をしているのです

さて、この午睡明けの対応を続けた結果、
3ヶ月後には10分で全員が起きられるようになりました

大人が「早くして」と言わなくても、
子どもたちは自分でこなしていけるようになるのです

こういう「早い」「遅い」と感じる場面は、
どうしてもクラス全体で行動しなければならない場面で起こりがちです

例えば、散歩に出る時
早く準備ができた子には、
「園長にどこへ行くか伝えてきて」など連絡を頼めます
(もちろん、保育士の目が届く範囲の話ですよ)

その間に、トイレへ行った子を待ったり、
靴の履き方を直したり
といった援助をしています

着替えの時は、
「あなたは、時計の針がいくつからいくつまでで着替えられたかな?」
と個別に所要時間を確認します

「2から始めて、4で終わったね」となれば、
時計の数字ふたつ分の時間があれば自分は着替えができる
という自覚にもつながるのです

この感覚に慣れてくると、
「長い針が6になったら給食の準備をするね」と呼びかけた時に、
なら、自分は4より前に着替えを始めなきゃ!
と行動するタイミングにもつながります

くり返しますが、これは3歳児で実践した事例です
環境さえ整えば、子どもは結構難しそうなことも自分でやろうとします

大人が手や言葉を尽くさなくても、
自分で行動できるようになっていくのです

子どもと向き合っているとき、常に振り返りたいのは
「それは、大人の都合になっていないか?」です

これは保育でも育児でも同じ話で、
こちらの都合で相手を行動させようとするのは、
やっぱり敬意に欠けた姿勢なのです

自分に置き換えてみたらいかがでしょうか

極端な例えですが、
電車を利用する際に運転手から、
「今日は私が急ぎたいので早く乗ってください!」なんて求められたら、
たまったものではないですよね

ダイヤという基準があって、
そこに合わせて駅へ向かってるんですから

ところが、子どもと関わっているときに、
この“ダイヤ”がないことが往々にあります
大人の中には予定があるのかもしれませんが、
子どもには伝えていない場合があるでしょう?

事前に予定を共有して、間に合うようにお願いする

これは、相手が大人でも子どもでも、
同じだと思いますよ

予定という基準があって、
自分がどのくらいで準備できるのかというモノサシがあって、
👧私は長い針🕑️2つで着替えられる
👦僕は長い針🕒️3つで起きられる
それで初めて「間に合うには」が考えられるのです

それに、準備や片付けは競走とは違いますからね
「早くして!」と言いそうになる時、
何を整えればお互いが心地よく過ごせるようになるのか
子どもと自分を見つめ直すと、
工夫の仕方が見つかると思います

さて、あなたの前にはまだ寝ている子がいます

あなたは、その子にどう関わってみますか?

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