子どもの目 見つめる先に 何がある

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やってみたよ!こんな保育

こんにゃちは、猫月です😸

保育園にはいろいろな子がいます
お絵描きが好きな子
かけっこが早い子
ずっと歌っている子
鏡に向かって踊っている子

「子どもの興味があるものが
 今、その子にとって最善の教材」
という専門家もいますから

お絵描きやかけっこ
歌うこと、踊ることが
子どもの力を引き上げる
絶好の素材であり環境であるということですね

ところで
子どもの様子を見ていると
ひとりで静かにしている子がいませんか

じっと空を見上げている子
フェンスを右に左に眺めている子
フローリングの木目を指で追っている子

周囲の子と関わらず
ひとりで過ごしていることが多い
保育者の手は引くけれど
目線は合わせようとしない
歌はよく唄うけれど
話し言葉がとても少ない

大人からすると
“気になる子”
ということになるのでしょう

でも、その子はその子なりに
自分を取り巻く環境や世界を見つめ
その中で日々成長をしています

私としては
「子どもの興味があるものが
 今、その子にとって最善の教材」
の言葉通りに子どもの成長を保障するとなると
その子の見つめているものが何なのか
一緒に感じたいと思うのです

今回の記事は
子どもと共感するために
大人がどのような関わりができると良いか
という内容でお話ししていきたいと思います

まずは
子どもが何を見ているのか
そこから始めましょう

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子どもをひとりの人間として敬意を払う
大人と対等の存在として向き合う

今や、教育では当たり前の話ですが
具体的に「尊敬する」とはどういうことなのでしょう

まず、エーリッヒ・フロムの言葉をご紹介します

簡単にいうと
無条件にありのままのその人を認めることです

それって、具体的にどうするの?
という話になると思いますが

「他者の関心事」に関心を寄せる
と岸見先生は解説されています

子どもと向き合うときに
こんな風に思ったことはありませんか?

「よく、こんなことやるなぁ」
「いつまでも飽きないのね」
「そんなこと、やめときなよぉ」

口には出さないまでも
心の内では呟いているときありませんか

大人の目で見ると
子どもの遊びは
幼く、浅薄で、下らないものに感じることがあります

ねん土でずっとヘビを作っていたり
ぐるぐると丸を描き続けていたり
鬼のいない追い駆けっこをくり返していたり

「それって、楽しいの?」
と思うようなことを
ずっとご機嫌で
もしくは真剣なまなざしで
子どもはやっているのです

本人が楽しんでいるものを
「それって、楽しいの?」と言われたら
子どもは相手にどんな思いを抱くでしょう

大人だって
例えば「何でお酒なんて飲むの?」より
「それってどんな味がするの?」
「あなたはそれが好きなんだね」
と言ってもらえたらが気が置けますよね

傍から何と思われていようと
当事者である子どもは楽しんでいる
子どもと関わる大人としては
その子の思いに共感してあげたい

そんな遊びの姿がある中で
子どもと共感するためには
どうしたら良いでしょう

私はシンプルに
その子と同じものを見ます

岸見先生はこのように解説されていますが

それを素人がやろうといっても
「むずかしいよね…😅」
というのが正直なところ

だったら、やっちゃえばいい
その子の隣に行って
同じ目線の高さで同じものを見る

その子の目に何が映っているのかは
実際はわからないんですけど

何となく「これかな?」と思ったり
自分なりに「これ、面白いね」と感じたり
その子の感じているものに
できるだけ大人が近付こうとすると
急にその子が引き寄せてくれたりします

私はこれまでに
言葉をしゃべれない子や
自分で身動きが取れない子とも
関わってきましたけど

おしゃべりや説明が上手な子でも同じで

大人の方から関心を寄せると
「それじゃないよ」
「こっちだよ」
「ほら、面白いでしょ」
というコミュニケーションが取れてくる

場合によっては両手でぐっと私の顔を押さえて
「こ こ だ よ !」
くらいの誘導をしてくる(笑)

大人が共感の姿勢を見せることで
その子も応じてくれるようになる

その経験のくり返しをしていくことで
子どもも大人のやっていることに
興味や共感を持ってくれるようになってくれると思います

だから、まずは
子どもと同じものを見る
それを大事にしています

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「クレーン現象」
というものをご存知ですか

子どもの発達過程で見られる姿で
主に1~3歳頃に見られる動作です

簡単に説明すると
自分の手足の代わりに
大人を使って自分の目的を満たそうとします

例えば
ジュースが飲みたい時に
大人の手を引いて
テーブルの上にあるコップを取らせたりします

言葉の発達がまだ幼く
物や動作を表す言葉を知らない
要求の伝達がわからないなど
言葉を動作で補う表現方法です

犬に興味があるけれど
自分でさわるのは怖いので
大人の手で代わりにふれさせる

ミニカーを駐車場に停めたいけれど
正確に枠に入れたいので
大人の手で代わりに収めさせる

自分の手足は
最も原初的な“道具”ですが
それだって自分の思い通りに動かすのは
実は大変なことです

だから、代わってやってもらいたい

ただ、クレーン現象の場合
大人に頼るというよりは
「便利な道具」という認識が強いです

手足は最も原初的な道具と言いましたが
幼い子どもの認識は
「身体の一部」というよりも
本当に道具なのです

だから、大人の手足も
「便利な道具」という扱いです

でも、最初はそれで良いんです

クレーン現象で子どもは大人を使い
大人はその都度に
子どもの思いを言葉に置き換えて
コミュニケーションを図っていく

クレーンとして大人の手を運んだ先は
その子の興味の対象物がある
やって欲しい操作は
そのままその子の好奇心の表れです

その子の気持ちを理解するには
絶好の機会ですね

手足の先に大人がいて
その大人は自分とやり取りをしてくれる
自分の欲求に応えてくれて
自分の思いに共感してくれる

その経験をくり返す中で
コミュニケーション能力が育っていくんです

「自分でやって欲しい」
「言葉で伝えて欲しい」
大人はそう思うかも知れませんが

子どもが自分でできるようになるためにも
子どもが自分の思いを言葉で伝えられるようになるためにも
まずは、大人が子どもの手となる足となる
それと同時に、子どもの思いを言葉で応答していく

少しずつ少しずつ
子どもの成長の素地を伸ばしていけるよう
子どもの思いに応えていきたいですね

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介護のスキルとして
「ユマニチュード(Humanitude)」
というものがあります

ユマニチュードは
「人間らしくあること」
というフランス語の造語で

フランスの体育学の専門家
イヴ・ジネストと
ロゼット・マレスコッティが開発した
ケアの技法です

ユマニチュードには4本つの柱と言われるものがあります

これらの技術は
子どもと関わるときも大事なことだと思います

大人と子どもが対等であるためには
大人が物理的に子どもの世界に入っていくことが大事です

だから、まず子どもの視界に入って話し掛ける

子どもに伝えたいことがある時
ついつい立ったまま話し掛けていませんか

子どもは大人の話を聞くものと
子どもを振り向かせようとしていませんか

自分が同じことを
職場の後輩からされたらどうですか?

自分が何かの仕事に取り組んでいるときに
後輩が上から目線で話し掛けてくる
離れた場所から
背中越しに呼び掛けてくる

なんとなく「失礼だな」と感じませんか

用事があるのは向こうなのに
その話を聞くために
どうして自分が動かなければいけないのか

そう思いはしませんか

子どもは大人と対等です
子どもに用件があるのであれば
礼を尽くすのは用がある側ですよね

であれば
まずは相手の傍へ出向いて
相手と目線になり
話を聞いてもらえる伝え方をしますよね

しゃがんだまま同僚に声を掛けられるなど
子どもの目線に立つとわかりますが
上から対面されるって
かなり圧迫感があります💦

大人が子どもの視野に収まるということを
コミュニケーションでは大事にしたいです

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𠮟るのも褒めるのも
大人の意向が優先されている関わりなんですけれど

「子どもがいけないことをしているときは
 どうするの?😫」

というのは真っ当な疑問だと思います

子どもが望ましくない行動をした場合は
基本的にはスルーなんです

どうしても危険な場合などは
目線を合わせずに
物理的に行動を制止します

ヒトの本能には
「注目されたい」欲求があります

これはヒトが未熟児で誕生するためで
周囲の仲間に注目されていないと
命が危険にさらされるからです

赤ちゃんは誰かに見ていてもらわないと
生きていけませんからね

だから、道徳的な善悪の前に
「注目される行動は🙆‍♀️」
「注目されない行動は🙅🏻‍♀️」
という判断がされます

どんなに道徳的にはNGな行動でも
注目やコミュニケーションが起こるならば
本能的には有効な行動として学習していきます

「何度言ったらわかるの💢」というのは
何度も注目されているのですから
子どもからしたら継続するべき行動になります

変えるとすれば
大人の対応ですね

先ほども申した通り
子どもにとっては
注目される行動が👍🏻ですから
大人が注目するとしたら
望ましい行動です

ところが
大人は望ましい行動を
「そんなの当り前」にしがちなんですね

これ、大人に対してもやっているでしょう?

毎日の家事って
やって当り前ですか?

「いただきます」と「ごちそうさま」は
料理をしてくれたことへの感謝です

「何が食べたい?」と訊かれて
「何でも良い」と答えるのは
感謝を忘れているからではありませんか?

当たり前と思うことにこそ
「ありがとう」と感謝を伝えることが大事です

子どもに対しても同じです
当たり前のことを認めるからこそ
子どもは意欲的に行動していきます

望ましい行動に注目するとき
大事なことがあります
それは加点式で見ることです

日本人は特に
減点式で判断しがちと言われます
100点を基準にして
出来なかったことに注目してしまうとか

思い当たるところはありませんか?

100点中10点を取ったとします
0点が基準と考えると
10点前進したと捉えるんですね

90点を失ったと捉えるか
10点を得たと捉えるか

歩く子ともしゃべることもできなかった子が
しょっちゅう転ぶけど歩いて
生意気でもしゃべるようになったら
それはやっぱり、成長したということですよね

その成長を喜ぶように

子どもが望ましくない行動を取っても
「こんなことができるようになって…」と思えば
それは成長した姿なわけです

手前味噌ですが
我が子も思春期を迎えまして
「疲れた」
「眠い」
「お腹減った」
くらいしか話さなくなってきました😅

親としては
カチン💢とくることもありますけど
振り返ってみれば
自分もやってきたことばかり…

そう思えば
「あぁ、もうそんな時期なんだな」と
感慨深いです

大事なのは
そんな態度の子どもでも
望ましい行動もしているんです

悪態をつきながらも 洗濯物を取り込んでくれる
文句は言いつつ ご飯は食べてくれる
机の上は汚いけれど 勉強は頑張っている

親が注目するとしたら
悪態よりも 手伝ってくれること
文句よりも よく食べていること
整理整頓よりも 努力していること
そう思っています

やっていることの99%が
「ぐぬぬっ…」と思うことでも
残り1%が望ましい行動なら
注目して言葉にするのは
その1%の方です

そこはもう大人のスキルですから
部屋中をオモチャで散らかしていても
ひとつでも元の場所へ戻したなら
「自分でお片付けできるね」と
そこに注目するのです

そのくり返しを経験して
注目される行動を知って
子どもは社会で望ましい行動を学んでいきます

子どもが成長していくためです
大人も1%に注目していく
子どもと二人三脚で頑張りたいですよね

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ここまで話しておいてなんですが…

子どもの目線に合わせることや
その行動を認めることを
「大人による指導の技術じゃないか」
「子どもの主体性を損ねるのでは」
という方もいらっしゃいます

とは言えです

子どもにも自分たちの住む社会では
「こういう振る舞いが望まれているよ」
「人と接するときに必要な所作はあるよ」
ということを学んでもらうのも
必要なことだとも思います

子どもが社会性を身につけていくために
私は手順があると思っています

まずは、子どもが自分の周囲の世界を
どのように見つめているのか
近しい大人が十分に共感すること

子ども自身が感じている世界観を
「それは面白いものだね」と
一緒に共感することから
始まるのではないでしょうか

子どもと大人が共感した上で
自分なりに世界へのアプローチをする子どもの
その興味は認めつつ
「このやり方の方が
 お互いに楽しいよね」と
アプローチの仕方が望ましいかどうかを
子どもと一緒に考えていく

上意下達に子どもへ
善悪や道徳を教えようとしても
なかなか難しいです

実体験を伴ってこそ
「このやり方は上手く行かない」
「こうすると危ない目に遭うんだ」
「これは相手も喜んでくれることなんだね」
という理解や
「だったら、こうしてみよう」
という内発的動機の形成に
繋がっていきます

大事なのは
「大人に言われたからやる」ではなく
「これが自分にとって最善だからやる」ですものね

大人による指導は
「これが正しい」と教える込むことではなく
「あなたはそうしてみたいんだね」
「それをやったらどうなるだろうね」
という子どもの気付きへの問い掛けと

「私だったら、こんなやり方をすると思う」
「こんな方法もあるよ」
「あなたの目的には、どれが最善だろうね」
という
子どもの動機に注目した上での
提案を尽くすことだと思います

だからこそ
まずは子どもの目が何を捉えているのか
その子の行動の動機はどこにあるのか
それをして何を得たいのか
子どもの見つめているものに注目したいのです

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最後までお読みいただきありがとうございます

相手の動機や目的に注目するのは
大人とのコミュニケーションでも同じですよね
「どのようなご用件でいらっしゃいますか」
「今日は何をお求めですか」
「ご希望に沿えるものはこちらになります」
大人同士でも相手の意向を尋ねますよね

ただ、それが子ども相手であると
言葉だけでは伝えきれないので
言葉以外の表現を引き出すやり取りが
大事になってきます

まずは、子どもと同じ目線で
「あなたは何に興味を持っているの?」と
あなたの目で探ってみてください

子どもと同じものが見えた時
「おー!これは面白いね!!」
と大人も感動を得ることも多いですよ

まずは、子どもと同じ高さになって
子どもが捉える世界観を
あなたも共感していただけたら嬉しいです

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