【考えてみようよ”保育の専門性”】

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なんだろう?保育所保育指針

こんにゃちは🐱、猫月だんくるおすてうすです。

今回は、ちょっとかたいお話です(笑)

最近、
保育士として話を聞かせて欲しい
という要望をいくつかいただきまして、
お応えしたいとは思うのですが…
どういうお話をしたら良いのか途方に暮れております。

保育士同士で保育の話をする時は、
ある程度ではありますが、保育現場や子どものイメージを共有して話すことができます。
一方で、保育士ではない方とお話をするとなると、
まず保育園の日常を知っていただかなければならない。
ところが、「保育士って、大変なお仕事ですよね」と仰ってくださる方々も、
保育園や保育士の実態は知らないわけです。

さて、枕が長くなりましたが、
「保育士ってどんな仕事なの?」
「その専門性ってどんなこと?」

を私なりにまとめてみようと思います。
というのが今回のお話(はじまり、はじまりー👏)。

保育園って、どんな施設?

”保育所(保育園)”とは、
そもそもどんな施設なのでしょう。

保育所保育指針解説」(平成30年2月厚生労働省)には、以下のように記されています。

保育所は、児童福祉法(昭和 22 年法律第 164 号)に基づいて、保育を必要とする子どもの保育を行い、その健全な心身の発達を図ることを目的とする児童福祉施設であり、入所する子どもの最善の利益を考慮し、その福祉を積極的に増進するということは、保育所保育指針の根幹を成す理念である。
「子どもの最善の利益」については、平成元年に国際連合が採択し、平成6年に日本政府が批准した児童の権利に関する条約(通称「子どもの権利条約」)の第3条第1項に定められている。子どもの権利を象徴する言葉として国際社会等でも広く浸透しており、保護者を含む大人の利益が優先されることへの牽制や、子どもの人権を尊重することの重要性を表している。  平成 28 年6月の児童福祉法改正では、こうした子どもを権利の主体として位置付ける児童福祉の理念が明確化され、第1条に「全て児童は、児童の権利に関する条約の精神にのっとり、適切に養育されること、その生活を保障されること、愛され、保護されること、その心身の健やかな成長及び発達並びにその自立が図られることその他の福祉を等しく保障される権利を有する。」と定められた。
保育所は、この理念の下、入所する子どもの福祉を積極的に増進することに「最もふさわしい生活の場」であることが求められる。一人一人の心身共に健やかな成長と発達を保障する観点から、保育所における環境や一日の生活の流れなどを捉え、子どもが様々な人と出会い、関わり、心を通わせる経験を重ねることができるよう、乳幼児期にふさわしい生活の場を豊かにつくり上げていくことが重要である。 

「保育所保育指針解説」より

要約すると、保育所は
保育を必要とする子どもの保育を行う
子どもの健全な心身の発達を図る
”子どもの最善の利益”を考慮し、その福祉を積極的に増進する
施設であるということです。

付随して、”子どもの最善の利益”とは、
適切に養育される
生活を保障される
愛され、保護される
心身の健やかな成長、発達、自立が図られる
その他の福祉を等しく保障される

という権利があることです。

保育所という施設が、
どんな目的で運営され、
どんな役割を社会の中で担っているかは、
想像していただけましたでしょうか。

保育所での保育者の仕事って?

「子どもと遊んでいるだけ」
と言われがちな保育所の仕事ですが、
では実際に保育所で働く保育者(保育士、看護師、保健師、調理師、栄養士など)には、
どんな仕事が求められているのでしょうか。

保育所保育指針解説」には、
保育者に求められるものが記載されています。
すべて記載すると長いので、
私なりに要約すると以下のような感じでしょうか。

【専門性を有する職員による保育】
保育者は、それぞれの職員が持つ専門性を発揮し、組織的に共通理解を図りながら保育に取り組んでいく。

【家庭との連携】
保育所での保育は、保護者と共に子どもを育てることであり、保護者の気持ちに寄り添いながら家庭との連携を密にして保育していく。保護者の養育する姿勢や力が発揮されるような支援を行っていく。

【発達過程】
子どもは、それまでの体験を基にして、環境に働きかけ、様々な環境との相互作用により発達していく。ある時点で何かが「できる、できない」といったことで発達を捉えるのではなく、それぞれの子どもの育ちゆく過程の全体を大切にして保育していく。

【環境を通して行う保育】
子どもは、身近な人や物などの環境へ興味や意欲を持って関わり、刺激を受け、様々なことを感じ、学び、健全な心身が育まれていく。保育では、子ども一人一人の状況や発達過程を踏まえて、計画的に保育の環境を整えたり構成し、環境を通して子ども自身が育っていくことが重要である。

【養護と教育の一体性】
養護と教育を一体的に展開するということは、保育士等が子どもを一人の人間として尊重し、その命を守り、情緒の安定を図りつつ、乳幼児期にふさわしい経験が積み重ねられていくよう丁寧に援助することを指す。

「遊んでいるだけ」のお仕事ではないですね(笑)
こういう専門的な視点で
子どもたちと関わり、
保育環境を設定し、
また保護者や家庭支援も行っている
それが、保育者なのです。

”保育の専門性”って、どんなこと?

さて、専門的な視点で保育をしている保育士ですが、
”保育の専門性”とはなんなのでしょうか。

以下が、「保育所保育指針解説」に記載されているおおよその内容です。

これからの社会に求められる資質を踏まえながら、子どもの発達に関する専門的知識を基に、一人一人の子どもの育ちを見通し、発達を援助する知識及び技術 
子どもの発達過程や意欲を踏まえ、子どもが自分から生活していく力を細やかに助ける生活援助の知識及び技術
保育所内外の空間や様々な設備、遊具、素材等の物的環境、自然環境や人的環境を生かし、保育の環境を構成していく知識及び技術
子どもの経験や興味や関心に応じて、様々な遊びを豊かに展開していくための知識及び技術
子ども同士の関わりや子どもと保護者の関わりなどを見守り、その気持ちに寄り添いながら適宜必要な援助をしていく関係構築の知識及び技術
保護者等への相談、助言に関する知識及び技術

共通しているのは「知識及び技術」という文言です。
要は、保育に必要な知識を得て、
保育の現場で活用する、ということです。
私はこれを知識を、知恵にすると言っています。

また、上にあげた6つの項目を、先輩たちの言葉に置き換えてしまいます。

「子どもは、子どもたちの中で育つ」
「環境としての保育士に努める」
「安全基地があって、子どもは主体的に育つ」
「大人になった時、自分で飯を食えるようにするのが教育の役目」

少し、分かりやすく伝わったでしょうか。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

保育の主役は、子どもたちです。
保育士ではありません。
保育士の手を借りずに、
子どもたちの手だけで生活が成り立つなら、
それに越したことはありません。

ですが、実際にそんなことはできないわけです。
ただし、保育士はあくまで
「成長しようという意欲にあふれた子どもたち」
を支援する専門家であると思っています。
保育士の「おかげで」子どもは育たないのです。
子どもたちは育ちたくて仕方がないのですから、
その妨げになる物を除去する、
子どもの意欲を援助する、
そういう保育士こそ専門性のある保育士であると、私は考えています。

辿り着けるかは分かりませんが、
一歩一歩、あくせくしながら進むしかないですけどね。

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