絵本の語り場 ~絵本は、ええ本~“夏✕友だち”

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たのしい絵本

こんにゃちは、猫月だんくるおすてうすです。

今回も、酒井沙弥香さんとの共同企画
絵本の語り場 ~絵本は、ええ本~で紹介した
絵本のレビューを寄せたいと思います。

【絵本の語り場 ~絵本は、ええ本~】は、
みんなで絵本についてワイワイ喋ろう!というものです。
毎月一回、
テーマに沿った絵本を持ち寄って
その絵本の魅力
選んだ基準
どんな読み方・提供の仕方をするのか

といったことを楽しむ時間にしてきました。

ということで、
第10回 絵本の語り場
で私が紹介した絵本は、こちらです。

「トマトさん」
作:田中清代
版:福音館書店

あらすじ

ある夏の昼下がり。
真っ赤に熟れたトマトさんが、
トマトの木からドタッ、と落ちた。
太陽がギラリと照って、暑くてたまらない。
トマトさんは小川の水の音に耳を澄ました。
すると―ころころぽっちゃん!と涼しそうな音。

素直になれないトマトさん

ドタッと落ちたトマトさんを横に、
ミニトマト達はころころ転がって、
小川に飛び込んでいきます。

通りすがったトカゲたちが、
「トマトさんも泳いだら?」と呼び掛けますが、

「ふふん、けっこう。ぷかぷか泳ぐのなんか、みっともないでしょ」

とトマトさんは答えます。

あらあら…本当にそう思っているのかな?

トマトさん、内心は自分も小川へ飛び込みたいんです。

でも、理由があってそれが叶わない。

素直に伝えられれば良いのですけれど、
「できない」ことが恥ずかしいのかも知れませんね。

やりたいことがあるけれど、できない。
だから、「そんなこと、したくないの」と虚勢を張ってみせる。

あれ?こういう姿、
どこかで見たことありますね(笑)

誰かに助けられて生きていく

「できないことは、助けてもらって良いんだよ」

これは、大人が子どもに伝えなければならない、大事な人生哲学です。

ヒトは、ひとりでは生きていけない動物ですから。

よく「自分でやって」と大人は言いますが、
あれ真っ赤なウソですからね、大ウソ

大人だって、自分でなんてできていない。

食べ物を収穫してくれる人がいて、
加工してくれる人がいて、
運送してくれる人がいて、
販売してくれる人がいて、
やっとご飯が食べられる

樹林を整備してくれる人がいて、
木を伐採してくれる人がいて、
家屋を設計してくれる人がいて、
組み立ててくれる人がいて、
やっと住む場所がある

本当に衣食住を
自分で揃えて「自分でできる」人って、いますか?
いませんよね。

成人するというのは、
収入を得るということではなくて、
自分にできることとできないことを自覚しているということです。
社会の中で、
自分が貢献できることと、
誰かに頼るべきことが分かっている
ということです。

「自分でできる」なんて、たかが知れている。
社会人として生きていくには、
うまく助けてもらうことの方が重要なんです。
だから、感謝と謝罪ソーシャルスキルの基本なんです。

トマトさんは、自分の気持ちを素直に伝えることで、
みんなに助けてもらうことができました。

「助けてもらう」って、とっても大事なことなんです。

大迫力のトマトさん

表紙も劇中もですが、
トマトさんの顔のインパクトが凄い!

トマトさんの印象が強くて、
物語が入ってこないという子もいるかも知れません😆

最初はブスッとふてくされ😠
泣いたら大粒の涙をこぼし😭
手助けしてもらっている時はあきらめ顔🥺
いざ、小川へ飛び込んだ時は―
😄

とにかく、トマトさんの表情がこの絵本の魅力の一つです。
構成要素として、かなりの幅をきかせています🍅

また、読み込めば読み込むほど、
「あ!このページ、こんな描写がされてた!」と気付きが得られます

トマトさんを手助けしてくれたのは、
いったい誰と誰と誰だっけ?

大人も、一回読んだだけでは、この絵本の世界観を堪能しきれません。

トマトの味わいのように、
深ーくこの絵本を堪能していただけたらと思います。

“夏” × “友だち”の絵本

こぐまちゃんとしろくまちゃん、どんな水遊びを楽しむのかな?

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