こんにゃちは、猫月です😺
今回は、いただいた質問に回答していきます
Q:トイレに誘っても嫌がられます。でも、誘わないと漏らしちゃうんです
😺:「漏らすのも成長につながる経験」って割り切る時もありますよ

私も、トイレに誘うのは苦手です……
子どもに嫌がられたり、怒られたり、
抱えて連れていきたくないですし

子どもと保育士の関係性もあるし、
トイレトレーニングする時期は、
いわゆる“イヤイヤ期”とも重なるからね

誘えた時は『気持ちいいね』って声を掛けてますけど、
そもそも誘うのが難しくって……
何か、工夫とかコツってあるんですか?

まぁ基本的なスタンスは、
『漏らしても良いじゃん』かな(笑)
100%を期待すると苦しくなるんだよ
“排泄”は、食事や睡眠と同様に、
動物として本能的に危機を感じる場面です
野生だと、外敵に襲われやすい場面だからですね
そこに加えて、自我の芽生え時期ともリンクしてきますから、
子どもからしたら「トイレに行きたくない」は自然な思いなんです
ですから、トイレへ誘うときに大事にしたいのは、
安心できる環境であることと、
子どもの主体性を尊重することだと思います
というと固い言い方になってしまいますから、
ここは具体的に私の関わり方をお話ししていきましょう
誘い方──の前に、トイレの環境を見てみよう
トイレの環境については、保護者にも説明していることです
どんなに上手い誘い方をしたとしても、
トイレが子どもにとって不安な場所であったら
「行きたくない」ですよね
「保育園ではトイレに行くのに、家だと嫌がるんです」
という保護者からの相談もありますが、
それは環境が要因であることもままあります
トイレ環境で気をつけたいことは、大きくいうと3つあります
・適度な明るさと開放感
・足がつく高さの便座
・プライバシーへの配慮
適度な明るさと開放感
まず、明るさ
家庭だと、ダウンライトで電球色や温白色の照明を使っていることもありますが、
保育園の広いトイレだとかなり暗く感じます
保育園では、昼白色以上の明るさの方が、安心できると思います
また、開放感についてですが、
ドアや窓が全開だと、それはそれで不安ですね
これは先程の動物としての本能が影響するところで、
自分からは周りが見えるけれど、周りからは自分が見えない
というのが良い塩梅なわけです
パーティションなどを利用しつつ、
子どもが安心できる空間を整えたいですね
足がつく高さの便座
最近は、トイレ用の踏み台も手に入りやすくなってきましたね
足が届かないって、かなり不安なんですよ
USJ(大阪府)に“ザ・フライング・ダイナソー”という絶叫マシンがあります
プテラノドンに捕まったというコンセプトなんですが、
足が宙ぶらりんなのでスリリングさが増しているそうです
大人ですら不安になるのですから、
子どもはしっかりと足のつく環境を用意したいですね
プライバシーへの配慮
プライバシーを大事にすることは“当たり前”と思いますよね
ですが、意外とおろそかにしている保育士はいます
排泄しているところを覗いて「出たねー!」と拍手しているのは、プライバシーの侵害ですよ
子どもに断りなくズボンやパンツを脱がせる人もいますね
お尻を拭くにしても、ひとこと「きれいにするね」など断りを入れましょう
勝手に触れられない、脱がされない、見られない
これも子どもの安心には大切なことです
猫月のトイレへの誘い方

なるほど……
そもそも行きたくないトイレだったら、
子どもが嫌がるのも無理ないですね

そうそう
排泄しても大丈夫という安心感は、
まず大前提で用意したいよね

それを整えたうえで、
猫さんはどう誘ってるんですか?

じゃあ、私がやっていること
心掛けていることを話していこう
私の誘い方を、ザックリとですがパターンにしてみます
まず大前提として、その子の遊びは保障します
おもちゃを取っておくとか、
トイレのそばに置いておける棚を用意するとか、
目に見える形で「あなたのやりたいことは守ります」を示すことで
安心してもらいやすいです
これをした上で──
①排尿間隔をみて、誘いかける
②断られたら、時間を空けてまた誘う
③「私のトイレについてきて」と同伴お手伝いをお願いする
④最終手段!クレーンゲームで連れて行く
といった誘い方をしていきます
それぞれについて、もう少し詳しくお話しますね
排尿間隔をみて、誘い掛ける
排尿の間隔は、人それぞれです
1時間毎にトイレへ行く子もいれば、
給食前まで行かない子もいます
トイレトレーニングは、
この排尿間隔が安定してきたら始める目安になります
この子は、そろそろトイレへ行くタイミングだなと計りつつ
「(トイレへ)行きたい?」と尋ねます
ここで気をつけたいのは
「トイレへ行きましょう」だと、
子どもにとっては強制された感じがするということ
あくまで、判断は子どもに委ねることです
それと併せて、子どもが尿意を感じているかも重要です
排尿間隔が安定していても、
本人が尿意を感じてないなら、
自律はまだ早いということです
排尿間隔の安定と、尿意を感じること
どちらも育っていることが、
トイレへ誘うには大事なんですよ
断られたら、時間を空けてまた誘う
子どもがトイレへの誘いを断ってきたら、
まずはその感覚を信じます
ただ、いつもの排尿間隔であればそろそろもよおす時間ですから、
しばらくしたら行きたくなるかも知れない、
とも想定しておくのです
で、私は目安として20〜30分後に誘うようにしています
これで、次に誘うまでに漏らすようなら、
「この子はまだ尿意を感じていないのかも……」という推測も立つわけです
「まだ出ない」と言ってから10分ももたないのであれば、
尿意を感じているけど行きたくなかったか、
尿意を感じていないから「まだ」と答えたか、
という話になりますからね
まぁ、2歳くらいだと、
シンプルに遊びに夢中になっていて、
尿意を忘れていることもあります
あまり深く考察するよりも、
20分待つところを10分にして誘うとかもアリです
「私のトイレについてきて」とお願いする
自我が育ってくると、
「誘われた」という事実に反発する子もいます
「自分で行けるのに!」って感じですね
こういうプライドの高いタイプの子は、
お手伝いをお願いすると、すんなりトイレへ来てくれることも多いです
😺そろそろ、トイレに行く?
👦行かない💢
😺そっか。ところで、私がトイレへ行きたいんだけど…一緒に来てくれる?
👦いいよ!
大人の用事に付き合ってあげるとなると、
その子のプライドがくすぐられるわけです
で、付き合ったついでに自分も用を足しただけ
誘いかける言葉を変えるだけで、
子どもの中での事実もちょっと変わるわけです
最終手段!クレーンゲームごっこで連れて行く
どう誘いかけても「行かない!」と頑なな子もいます
でも、本人は実はもよおしている
明らかに腰がフニフニしてるし、
内股をギュッと閉めてるし……
こういう場合は、午睡から起こす時にも使っている
UFOキャッチャーのクレーンになります
BGMを口ずさみながら、
脇腹あたりをガシッと掴み、
クレーンゲームの景品のようにトイレまで連れて行くのです
トイレへ行くこと自体を、遊びにしちゃうわけですね
トイレまで運ばれて、わざわざ漏らす意味もありませんから、
トイレでようを足してくれます
ただ、やっぱり主体的にトイレへ行って欲しい思いはありますので、
これは本当に最終手段にしています
こんなケースも:保育園のトイレが怖い子
最後に、「保育園のトイレが怖い」と感じる子もいます
家庭のトイレよりずっと広いですし、音の響き方なども違いますからね
環境に敏感な子は、慣れるのに時間もかかります
以前、家庭ではトイレで排泄できるけれど、
保育園や出先ではオムツで過ごしている子がいました
でも、本当はパンツで過ごせるのです
その子が私に「おしっこ」とそっと耳打ってきました
オムツにしたくないプライドだってあるわけです
私はトイレへ同伴し、便座へ座らせた後、
その子が私の首にしがみつけるような体勢を取りました
怖いのであれば、その怖さが緩和されるようにしたい
抱っこしたまま排泄はできませんから、
とりあえずなるべく近い姿勢になれるようにしたのです
それでその子は保育園で初めてトイレでの排泄ができたのです
ここで大事なのは、
その子のプライバシーを守りつつも、
二人きりにならない配慮でした
子どもは壁で隠れつつも、
私自身は外から別の保育士に見えるようにしたのです
これ、私まで隠れてしまうと、
要らぬ誤解を招きかねませんからね
もちろん、他の保育士にはトイレへ誘導することは伝えていますけど、
物理的にも第三者の目があることは大事なのです
レアケースですけれど、
こういう対応があるということは、知っておいて良いかと思ったので、
紹介しておきますね
漏らしてしまった子にはどう対応する?
これもよく聞かれる話ですね
誘ったのに漏らされると
「だから行けば良かったじゃない!」
と言いたくなる気持ちはわかります
でも、漏らそうと思って漏らす子はなかなかいないと思うんですよ
私はトイレトレーニングに限らずですが、
野球の打率で考えます
アベレージで打率3割打てるバッターは──1億円プレーヤーなんです!
1週間(月〜金曜日)のうち4日漏らしたとして、
2割は成功しているんです
それが3日になったら?4割ですよ!
トレーニングなんですから、
100%を基準に考えるのは、そもそも無理筋ですって🤣
「トイレでできた」に注目していくと、
フラストレーションは減るんじゃないでしょうか
そして、漏らしたときの対応は、いたってシンプルです
「濡れちゃったから、着替えようか」
「びしょびしょだと気持ち悪いね」
「はい、着替えてスッキリしたね」
こんな感じです
「あの時に行けば良かったね」とか
「次は早くトイレに行こうね」とか
そういう言葉は避けるようにしています
漏らして嫌な思いをしているのは、本人です
それを、他人である保育士が強調するのは、
追い詰めることだと思うのです
トイレトレーニングは、子どもの自律の一貫ですから、
本人が感じて、自分で考察して、
「次はどうしよう?」と考えることが大事です
だから、注目するのは子どもの事実です
子ども自身は「まだ大丈夫」と思っていた
でも身体はそうじゃなかった
それだけのことなんです
くり返しになりますが、まだトレーニングなんです
「漏らさないこと」ではなく、
「自分の身体を理解し、調整できること」が最終目標なんです
「漏らす」「漏らさない」の目に見える結果よりも、
その子自身の内面の育ちに注目できると、
向き合い方も変わってくると思いますよ
それ、“大人の都合”かも…よ?
トイレトレーニングの時にも気に掛けたいのは、
“大人の都合”になっていないか?ということです
これは、奥田健次先生の著書の一節です
オムツが誰のためにあるかって言ったら
それは親の手抜きのためですよもらされたら掃除の回数が増えるし
洗濯の手間も増えるでしょ?それが嫌だからオムツをさせているんでしょ?
「奥田健次の出張カウンセリング」より引用
子どもがオムツで過ごすのは、そもそも大人の都合なんですよ
子どもには、それにつきあってもらっているのです
その上で子どもの排泄が自律してきたら、
本来のオムツを履かない生活に戻そうというのが、トイレトレーニングです
大人主導から、子ども主体へ戻す中で、
「漏らさないで」
「汚さないで」
「言うことを聞いて」
ってのは、なかなかに“わがまま”な話だなぁ、と私は思っています
トイレトレーニングを始めたということは、
「排泄は子どもに委ねる」と判断したわけです
だったら、断られようが漏らされようが、
腹を括って子どもの成長を待つというのが、
大人の責任だと思います
「保護者に申し訳ない」という保育士もいますが、
トイレトレーニングを始める前に、
そこも含めて同意を得るのも必要なことですよね
「もう2歳だから……」とトイレトレーニングを始めたとしたら、
その子自身よりも、平均にとらわれた大人の都合なんじゃないでしょうか
その子自身を見つめ、
成長を保護者と共有し、
大人がみんな同じ視点で見守れる
そういう環境でありたいですね
🎯どんっ!と構えて見守りたい
私としては、
トイレトレーニングでは「どうぞ漏らしてください」くらいに思っています
だって、トレーニングなんだから
最初から完璧なんてないですし、
大人だって慣れないことを習得するには時間がかかるじゃないですか
私は“いけず”の自覚があるので、
「ほら、また濡らして!」という先輩がいたら、
後ろからそっと「これからできるようになるんだもんねー?」と声を掛けます(笑)
あ、これは参考にしちゃダメですよ?🤫
子どもの成長を見守るには、
気持ちにも時間にも余裕が欲しいですよね
時にうまくいかなくても
「頑張ったんだもんね」
で済ませるくらいで良いと思います
保育士だって、まだ成長の途中です
子どもの伴走をしながら、
自分も一歩ずつステップアップしていけば良いと思いますよ

コメント