こんにちは、猫月です😺
このシリーズでは、実際にいただいた質問や相談をもとに、
「“○○しない子”があらわれた!」というテーマで、
RPG風スタイルに表現しつつ、
保育のヒントを探っています
今回もまた、ある現場からの“お悩みエンカウント”です
Chapter4 『となりのクラスに行っちゃう子が あらわれた!』どうする?

【あなたが保育をしていると、
“となりのクラスへ行っちゃう子”が現れました。どうしますか?】
クラスへ帰ってきてくれない…
いただいた相談の主旨は以下のようです
クラスの活動に全然参加しない子がいます
勝手にとなりのクラスへ行ったり、
乳児のお手伝いをしてたり…
遊びを見つけるのも苦手で、
どうしたらいいのか困っています
「遊びを見つけるのが苦手」という子どもの姿は
割と保育士から伺うことが多いですね
さて、この子にはどんな関わり方をしてみましょうか
まかせる:その子は遊びを見つけているのかも
この子は、
“遊びを見つけるのが苦手な子”ではなく、
“自分の興味を大事にしている子”
なのではないでしょうか
遊びを見つけられなくて
何もしていないわけではないですよね?
となりのクラスの遊びに参加していたり、
自分より小さい子の手伝いをしていたり、
とてもアグレッシブな印象です
自分のクラスの活動からは出ていってしまう
けれど、興味のあることには、
年齢に関係なく参加している、
大人が思う以上の発達をしている子
なのだと思います
しらべる:その子がキラキラしているのは、どんな時?
これは、私の過去の事例ですが
とある2歳児のAちゃんは、
担任から「ちょっと持て余し気味な子」と
認識されていました
クラスの中では遊びが落ち着かないし、
隙あらば部屋から出ていってしまうし、
保護者のいう事も聞かないので
『多動傾向があるんじゃないか…』
というのが担任の思いだったようです
でも──
私は、担任とは別の立場でその子の姿を見てきました
ある土曜日、まだ1歳だったAちゃんは、
3歳児でも投げ出してしまう子がいるパズルを、
時間をかけて一人で完成させていたんです
しかも、ピースの向きを自分で変えて、
はめていくほどの理解力
「あー、この子は見た目の年齢よりも、
もう少し歯応えのある遊びが楽しめるんだ」
私にはそう思えたのです
そんな子が、2歳になって
“4・5歳児の遊びに惹かれていく”のは
当然かもしれません
クラスで提供される遊びでは、
物足りなさを感じているのではないでしょうか?
みつける:その子にとってキラキラした遊びは何?
担任としては、
「戻ってきてほしい」
「クラスで過ごしてほしい」
そんな気持ちも当然あるでしょう
私が提案するとすれば──
子どもが興味を持ちそうな活動を
“クラスの中で”用意すること、でしょうか
・鉄棒に興味があるなら、保育士の手を鉄棒代わりにして、
ぶら下がる・つかまるといった遊びを届けてみる
・難しいパズルもできそうなら、
年上の子たちが遊んでいるパズルを借りてくる
・大人と同じことをしたい意欲があるなら、
保育士の手伝いをお願いしてみる
意欲が満たされる活動があれば、
クラスにいる動機も
子どもの中に生まれるのです
🧑⚕️専門家の視点から
作業療法士が、
こう話していたことがあります
「その子が“やりたい”と感じている遊びは、
今のその子の成長に“必要な遊び”なんです」
子どもは、自分に必要なことを本能的に見つけている
大人がその視点をもつことで、
「何でいなくなるの?」ではなく、
「何を求めているのかな?」という関わり方に変わっていきます
いなくなる子じゃなくて、「探してる子」
その子は、クラスに“いない”のではありません
「自分に合う場所」を、“探している”だけ
アドラーも言います
【「他者の関心事」に関心を寄せよ】と
大人が提供したい遊びの前に、
まず、子どもが関心を寄せている遊びは何なのか、
その遊びのどこに魅力を感じているのか
そういう視点を大事にしたいですね
私たち大人は、それを“届ける”こともできるはずです
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