子どもは力を持っている〜大事なのは、発揮できる環境と支える配慮 #3

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『子どもは力を持っている──大事なのは、発揮できる環境と支える配慮』第3話のサムネイル画像。背景にはカラフルなおもちゃ。中央には「『当たり前』な姿にこそ目を向ける」というタイトルと、「“全員平等”だけれども“頑張りが報われる”保育環境」という副題。左下には箱から“?”が飛び出すくじ引きのイラスト、右下にはテーブルを囲む3人の子どものイラストが描かれている。 やってみたよ!こんな保育

こんにゃちは、猫月です😺

今回は、集団生活の中で”気になるあの子”よりも、
“頑張っている子”たちに目を向けたら…という内容です

「叱る」でも「褒める」でもなく、
「当たり前」と思いがちなことにこそフォーカスしよう
という私たちの“子どもを認める”ことを大事にしたお話しです

保育の現場ではどうしても、
今、目の前で困っている子や気になる子に
手と目が向いてしまいがちです

でもその一方で、
「静かに着替えをしている子」
「片づけを終えて待っている子」は、
“見逃されている”こともあります

「そういう子たちに、私たちが報いるにはどうしよう?」
そんな思いから、私たちは関わり方を少し見直してみることにしました

頑張っている子に保育士が声をかけたり、
褒めたりすることもできます

でも、そうすると今度は
「誰が早かった」
「誰ができた」
「誰が褒められた」
という比較やヒエラルキーが、子どもたちの間に生まれてしまうかもしれない

私たちの思いとして、そういった些細な序列が、
後々のいじめの温床になってしまうのではないかという危惧もありました

考えた末に取り入れたのが、“くじ引き”という仕組みでした

これは、その日活動や給食を共にするテーブルを決めるくじ
子どもたちは片づけや着替えが終わると、順にくじを引くことができます
そして、テーブルを決めるだけですから、アタリもハズレもありません
でも、「今日はどこに座れるかな」「誰と一緒かな」というちょっとした楽しみがある

着替えや片付けを終えた子からくじを引く
努力がなんとなく報われる
けれども、最後になっても、必ずくじが引けるという安心感もあります

このクラスでは、いわゆる“固定の席”は作っていませんでした
「どの子とでも協力し合えるように」という方針のから、
毎日自由に席を選ぶスタイルを採っていました

でもそれだと、どうしても
「いつも同じ子同士」「早い者勝ち」の傾向が強くなってしまう…
完全ランダムで子どもの交流を図るという意味でも、
このくじはとても有効でした

くじにはもうひとつ、大きな役割がありました
それは、保育者の“意図的な操作”を除けることです

どうしても、「この子とあの子を組ませたい」とか
「あの子とはグループを分けたい」という考えが、
私たちの中に出てきてしまう
でも、そういった“仕組まれた関係性”は、
子どもの主体性を奪ってしまう恐れがあります

くじという“中立的な仕組み”に任せることで、
私たちは子どもの人間関係や行動選択に余白を残すことができる
これは、“子どもの主体性”を守る上でも、大切なことだと感じています

「くじ」は、遊びでもルールでもない、“配慮の仕組み”です

そこには「がんばったら、いいことがあるよ」という“お楽しみ”の要素もあれば、
「誰とでも関われる」社会性の育ちを支えるねらいもあります
そして何より──
誰かを特別扱いせず、それぞれの子が「認められた」と感じられること
それをさりげなく叶える、“保育の”工夫だったのです

次回は、給食の時間での配慮についてお話ししていきます

第4️⃣話:給食の時間にこそ、子どもの主体性を

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