保育の“リーダー”と“サブ”の役割 〜おひさま保育士とおほしさま保育士〜

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保育の“リーダー”と“サブ”の役割を示す記事のサムネイル画像。おひさまとおほしさまの保育士イラストと、3人の子どもが描かれている。 仕事をラクにしよう

こんにゃちは、猫月です😺

私がこの記事を書いているのは、
5月も終わろうかという時期なのですが、
子どもたちも新しい環境に慣れてきた頃でしょうか

ところで、大人の方はいかがです?
新しいチームでの連携も取れるようになってきたところでしょうか

レツキ
レツキ

子どもたちは慣れてきたんですけれど
保育士の連携は…リーダーとサブの動きが重なっちゃったり、
準備が漏れちゃったりするんですよねぇ

猫月
猫月

もしかすると、リーダーとサブの役割分担が、曖昧なのかもね
特に”空気を読む”ことを求められてきた人は、
『次は何をしたら…💦』って空回りしがちだよね

保育の現場では、担任同士の連携がとても大切です
特に、クラスの“リーダー”と“サブ”として役割を分担しながら動く保育士にとっては、
「自分が今、何をすべきか」を互いに把握し合うことが、
子どもたちにとって安心できる保育環境につながります

私としては、保育が円滑に進むかどうかは、
サブの仕事の質に左右されると考えています

リーダーが大黒柱なら、サブは屋台骨です
リーダーが、ドンと真ん中で子どもたちを惹きつける中で、
サブは端々の子どもをカバーしつつ、保育の環境を支える存在です
舞台でいえば“黒子”、サッカーでいえば”水を運ぶ役”です

それぞれの役割分担が明確でないと、困ってしまいますよね
それでは、子どもたちも戸惑ってしまいます

今回は、リーダーを「おひさま保育士」、
サブを「おほしさま保育士」と呼びながら、
それぞれの役割を6つの視点から整理し、
日々の保育場面の中でどのような動きが求められているのかをご紹介します

まずは、リーダーとサブの役割を見比べてみましょう

保育のリーダーとサブの役割の違いを一覧表にしています。

ざっくりですが、リーダーはクラス全体の保育を中心に把握し、サブは全体のサポートをしつつ個別の援助も行っていくイメージです

私がサブに回った時に気をつけているのは、・子どもの活動や生活が滞ることのないよう、事前に動くこと。たとえば、着替えやオムツ替えの準備、配膳の準備、布団敷き、おもちゃの準備や片付ける動線の整理などです。

基本的には“空気を読む”ことはせずに、リーダーへ確認をします
これは、次にどんな動きをしたら良いかを察しつつも、
“声に出すこと”を習慣にするということです

配慮したつもりでも、リーダーの意図と異なることをすると、
結果として子どもの保育が滞ります
実行してからの修正は手間も掛かりますから、
「そろそろ片付けますか」「何時に配膳の準備をしましょうか」など、
確認することがスムースな保育を支えます

さて、以降の項では、実際の保育の場面からリーダーとサブの動きを考えていきましょう

🟨実践場面:散歩に出掛ける

☀️おひさま保育士(リーダー):
 子どもの歩行の発達や目的地までの距離をもとにルートや時間配分を調整します。
 園長やチーム内で計画を共有し、安全や目的に無理がないかを確認します。

🌟おほしさま保育士(サブ):
 持ち物や遊具、個別に必要な場合は着替えなどの準備を進めます。
 見落としがないよう、チェックリストを活用することも大切です。

保育の中でリーダーはけん引者です
保育の目的や手段、目的地まで必要な時間などを考慮しながら、
クラス全体を誘導していきます
園長と非常時の対応や不審者情報の有無などを確認するのも大事な準備です

サブはというと、準備をサポートします
リーダーの計画に合わせた道具や、個別配慮も踏まえた備品などの用意をしていきます
準備が整った時に、リーダーと確認するのも大事な仕事になります

散歩中、リーダーは先頭で子ども達をけん引、誘導していきます
サブは、子ども達を最後方から見守りながら、
全体の安全確認やリーダーへの連絡(靴が脱げた子がいる、後方から自転車が来る、など)を行なっていきます

お互いの連携があってこそ、安全に楽しい保育が展開できるのです

🟨実践場面:自由遊び中の園庭

☀️おひさま保育士:
 園庭にいる子の様子を全体的に確認し、動線を意識して広い視野で見守ります

🌟おほしさま保育士:
 リーダーの死角にいる子どもたちの様子を把握し、
 気になる子の行動は声かけやフォローをしながら、リーダーへ簡潔に共有します

子どもたちが自由に遊ぶ環境では、保育士同士の連携と連絡が大事になってきます
リーダーは子どもたちの中で見守り、サブは子どもたちの周囲で見守ることが求められます
加えて、サブは子どもたちの様子に合わせて、
おもちゃを用意したり片付けたり、
トイレへ誘導したりといった役割もあります

正直、身体がいくつも欲しい時もありますが、そこはリーダーとの連携が大事です
「ボール遊びをしたい子がいるので、向こうに行きます」とか
「トイレについて行きます」、「この遊具は片付けますか?」など、
声に出して連絡していきたいですね

🟨実践場面:午前の活動から食事へ移行するタイミング

☀️おひさま保育士:
 活動を時間通りに切り上げ、次の支度へ子どもたちをスムーズに誘導します

🌟おほしさま保育士:
 部屋に戻るための準備(着替え、配膳、片付けなど)を整え、
 他クラスと動線が重ならないようタイミングを見ながら動きます

リーダーは、子どもたちに「そろそろご飯の時間になるよ」と今後の流れを知らせながら、
活動の切り替えの準備を進めていきます

サブは、子どもの様子を見ながらリーダーの言葉を個々に知らせ、
子どもの気持ちが次の活動へ向くようにそれとなく誘い掛けていきます

部屋へ戻る際は、リーダーが子どもたちを部屋へ招きつつ、
サブは全体をサポートし、落ち着いてきたら個別にまだ戻っていない子どもを誘っていきます
この時に大事なのは、戻ってきていない子を視界に収めつつも、
クラスの多数の動きをスムースに進めることです
大丈夫、
まだ戻ってきていない子も「ご飯の時間」という意識はあるもの
サブが呼び掛けに来るのを待っている子もいます

個別にフォローするためにも、
まずはリーダーがしっかり子どもを惹きつけられるようにサポートしたいですね

🟨実践場面:室内での運動遊び

☀️おひさま保育士:
 子どもたちの前で遊び方の見本を見せ、意欲を引き出していきます

🌟おほしさま保育士:
 やや消極的な子どもや戸惑っている子に寄り添いながら、
 「やってみようかな」と思える声かけをしていきます

一斉活動の際に、リーダーが手本を見せることがありますね
その時、どうしても目や手が子どもから離れることがあります
サブは、クラス全体に目配せをしつつ、
個別には目と手で子どもの意識を惹きつけるようにします
声を出すとリーダーに集中していた子の気持ちも途切れてしまいがちなので、
言葉掛けはできるだけ控えたいですね
必要な場合は、小さい声で最小限の言葉で伝わるように工夫したいです

🟨実践場面:おもちゃの取り合いで年長児が年少児を叩いてしまった

☀️おひさま保育士:
 状況を聞き取り、叩いてしまった子の気持ちの背景に寄り添いながら、
 どう行動すればよかったかを共に考えます

🌟おほしさま保育士:
 叩かれた子のケアと安心を優先し、必要に応じてリーダーに報告します
 怪我がある場合は、園長との連携が必要か、判断を仰ぎます

トラブル時に難しいのは、
子どもたち全体と個別の双方に目を向けなければならないことです
状況に応じて他の職員の協力も仰ぎましょう
それを声に出すのも、サブに求められる役割です
もし、近くに職員がいない場合は、
叩かれた子の対応をしつつ
全体の見守りも同時に行うことになります

日常的に、”虫の目”(手元)、”鳥の目”(俯瞰)、”魚の目”(潮流)で保育する意識が、
こういう場面で役立ってきますね

▶ “みっつの目”については、以下の記事を参照してください

🟨実践場面:朝、泣いている新入園児が登園

☀️おひさま保育士:
 子どもと保護者の双方の気持ちを受け止めながら、
 安心して離れられるように対応します

🌟おほしさま保育士:
 周囲の子どもたちの不安に配慮しつつ、
 リーダーと保護者、泣いている子のやりとりを見守ります

基本的に、登園児の受け入れはリーダーが担うと思います
子どもの様子は、その日の保育に影響してくるからです

では、サブはすでに登園している子たちと遊んでいれば良いかというと、そうもいきません
目と手は子どもに向けつつ、耳は登園児にも向けています

時に「私は千手観音じゃない!😂」と思うこともありますが、
二本の手、ふたつの目、ふたつの耳で、
どうしたら全体をカバーできるかは試行錯誤です
自分のいる位置、子どもとの距離感など、常に探っていきたいです

最後までお読みいただき、ありがとうございます

「リーダー」と「サブ」
名前だけを見ると、ついタテ関係のように感じてしまうかもしれません

でも、実際にはどちらか一方だけではクラスの保育は円滑に進みません
リーダーがクラス全体を照らす“おひさま”なら、
サブはあちらこちらで小さく輝く“おほしさま”のような存在

主役を支えるのではなく、保育を“ともに”彩るパートナーとして、
それぞれの持ち味を活かし合えたら──
子どもたちにとって、もっとあたたかな保育が広がっていくのではないでしょうか

正直、サブの役割は多岐に渡るので、難しいし疲れます
ただ、子どもの小さな成長に気づけるポジションでもあります
リーダーはどうしても全体を大きく広く見守りますから、
個別のその日の成長を見つけやすいのはサブの保育士です

ちょっと表現を変えると、
サブの役割の日は、子どもの成長という輝きを見つけられる日
そして、自分の働きが子どものきらめきを際立たせるのだとしたら、
保育士冥利に尽きると思います
リーダーと連携しながら、今日の子どもの成長と向き合っていきましょう

この記事が、新人さんにも中堅さんにも、
「そうそう、こういう連携、大事だよね」と感じてもらえるきっかけになれば嬉しいです

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