こんにゃちは、猫月です😸
新年度の始まり――
子どもたちは、期待と不安を胸に
一歩ずつ歩みを進めています
そんな子どもたちに
そっと寄り添ってくれる絵本を5冊、選んでみました
今回ご紹介するのは、その中の1冊――
『どこどこ ここ・ここ』です
絵本の紹介
『どこどこ ここ・ここ』
作:五味 太郎
出版社:クレヨンハウス
あらすじ
ひよことお母さんが朝の散歩をしています
🐤どこどこ
🐔ここ ここ
🐤どこどこ
🐔ここ ここ
🐤どこどこ
遊んでいるひよこたちと
一足先に歩いていくお母さん
ところが・・・
猫月が魅力に感じるポイント
この絵本に登場するフレーズは
「どこどこ」「ここ ここ」のリフレインです
あらすじには私の言葉を足しましたが
ナレーションすら書かれていません
五味太郎さんの作品には
五味さんのいたずら心や好奇心が
そのまま描かれているものが多いですが
この作品もいたずらの塊だと思います(笑)
私からすると
『「どこどこ」と「ここ ここ」さえありゃ、絵本は読めんだろ』と
五味さんがニヤニヤしながら描いたように思えます
実際、五味さんのいたずら心溢れる絵と
「どこどこ」「ここ ここ」だけで
この絵本の物語は成立しているのです
私はこの絵本に
日本語とオノマトペによる表現力の強靭さを感じるのですが
まぁ、子どもたちに届けたいのは、そこではなく(笑)
単純な「どこどこ」「ここ ここ」という”音”による表現と
ひよこの心理が描写される“色彩”と
ワクワク、ドキドキ、ホッとする“展開”の面白味です
かくれんぼ遊びの要素もありつつ
子どもが肌で感じる『起承転結』
文章に頼らない文学性とでも言いましょうか…
おっと、解説すると硬くなってしまいますね
とにかく
五味さんのいたずら心を存分に味わえる一冊です
(しかもこの絵本、十二支シリーズの酉なんですよね…
どこにも書かれてないけどw)
子どもたちへの届け方
この絵本を子どもと読むときは
『もっかい!』が何度も来ることを覚悟しましょう(笑)
とにかく簡潔な絵本ですし
「どこどこ」「ここ ここ」のリフレインが耳心地良い
保育園で提供するときは
子どもと1対1、もしくは少人数で一緒に楽しめます
かくれんぼ要素があるので
集団への読み聞かせには向いていないとも思います
じっくりお母さんを探したいですしね
1~2歳児でも
ひとりでじっくり読める(見られる)絵本です
本棚の取りやすい位置へ置くのも良いですね
宝箱を開けるような絵本
3歳未満は、まだページの向こうが見えない年代と聞きます
大人だとだと、一度読んだ本は
次のページに何が書いてあるかわかりますよね
でも、子どもの場合は
同じ絵本でも『次は何が起こるんだろう?』
『こんなことが起こるんじゃないかな』
という期待と想像をくり返しているそうです
それが段々と『この先の未来を当てちゃうよ!』
『ほらね!思った通りだ』
と、ページの向こうがわかるようになっていくのです
こういう”予見”と”検証”をくり返すことで
子どもは”想像する”という力を獲得していくそうです
そういう成長の土壌としても
絵本は子どもに大事な存在なんですね
そんな子どもの成長をくすぐる
五味太郎さんの作品を紹介しましょう
『きんぎょがにげた』
作:五味 太郎
出版社:福音館書店
『きいろいのはちょうちょ』
作:五味 太郎
出版社:偕成社
『たべたの だあれ』
作・絵:五味 太郎
出版社:文化出版局
『まどからの おくりもの』
作:五味 太郎
出版社:偕成社
五味さんの作品は
大人に哲学を問い掛けるような作品もあります
お子さんと一緒に読み耽ってはいかがでしょうか
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