【Q:室内での運動遊びで配慮することは?】

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こんな遊び、どう?

こんにゃちは、猫月だんくるおすてうすです。

質問をいただきました。

2歳児の担任をしています。
室内(屋内)で身体を動かす遊びをしたいと思っていますが、
どのような点に配慮をすれば良いですか?

雨の日など、室内でも子どもたちに
身体を動かす機会を提供したい😄ことはありますね。
ただ、悩ましいのが、
屋外ほど思い切り身体を動かせない😓
限られた空間では怪我が心配😨
そもそも、どうやって遊んだら…😭

今回は、私が室内での運動遊びをする際に
気をつけていることや、
大事にしていることについて、
お話ししていきます。

▶「何をやるか」より「何を育てたいか」

「雨の日の遊びに困ります…」😥

という悩みは、よく耳にしますね。
私も、保育士になって7~8年目くらいまでは
正直、雨の保育は憂鬱で、
デイリーに頭を悩ませていました。

雨の日の保育が苦では無くなったのは、
「何をするか」より
「何を育てたいか」を
重視するようになったからです。

それまでは、方法に視点を置いて保育を考えていました。
例えば、園庭で鬼ごっこを計画していたとします。
これを室内(遊戯室)で行おうとした場合、
園庭と比べて狭いことや壁があることなどがネックになってきます。
思い切り走れないことや、
壁にぶつかる危険性、
などですね。

では、そもそも鬼ごっこはどんな目的で、
子どもの何を育てたくて計画したのでしょう?

鬼ごっこにも、様々な効果が存在します。
ざっくり挙げますと、
走る、止まる、避ける、かがむ、飛び越える
手を伸ばす、握る
追視する、観察する

簡単な動作だけでもこれくらいあります。
ここに、動作同士や感覚を組み合わせる”統合性”も入ってきます。

これらの中で「何を育てたかったのか?」

走りたかったのであれば、動物の模倣で遊んだって良い。
避ける、かがむをしたかったのであれば、トンネルやマットで遊んだって良い。
手を伸ばす・握るなら、風船バレーにしても良い。

その目的がはっきりしていれば、
室内遊びではそこを抽出して遊び方を展開すれば良いのです。

▶”安全”とは、「子どもの発達に見合っているか」

今回のご相談者さんは、2歳児の担任をされているそうですが、
安全面を考えると、いろいろ心配もあるようです。

ところで、”安全な遊び”って、どんなものでしょうか?

2歳児を担任した時の例でお話ししますが、

遊戯室で走る遊びをしたいのだとすれば、
子どもたちが自分でどの程度
加速できるか、減速できるか、
制止できるか、転回できるかなど、
発達の度合いにあわせて、
活動の内容や環境を変えていきます
減速できるのであれば、合図で壁タッチすることができますし、
制止できるなら、GO-STOPゲームができます。
複合的にいろいろな動作ができるのであれば、
マット取り、フープ取り、いす取りなどにも発展していくでしょう。

ただし、子どもの発達に合った環境も大事です。
2歳児クラスは22名の子どもがいましたが、
4月生まれの子と3月生まれの子とでは、
約1歳の月齢差があります。
遊びの内容にもよりますが、
全員が一斉に活動するのは、かなり困難だという前提は持っておくものでしょう。

ここで”安全”についても触れます。
子どもが十分にその動作をできるのであれば、
発達に見合った遊びなのであれば、
おそらく危険な姿は少ないはずです。

裏を返すと、
危ない場面が散見されるのだとしたら、
その遊びは子どもたちの発達には見合っていない
のです。

保育の計画は年度当初や、月の初めに立てているとは思いますが、
実際にやってみたら、子どもたちの発達にそぐわなかった
なんてことは、ままある話です。
それ自体は失敗でも恥でもないのですが、
計画を優先して、子どもにお仕着せた保育をしたとしたら…
それは、失敗した保育になってしまうとは思います。

「子どもの発達に見合っているか」の話でいうと、
運動遊びに限らず、制作や表現遊びでも同じことが言えます。
保育のために、長い時間残業して準備をしていませんか
それは、遊びに大きく大人が手をかけないと成立しないということですよ?
つまりは、子どもの発達に見合っていない内容だから、
大人が手を掛けざるを得なくなっている
ということです。
保育で残業は当たり前、という考えは改めましょう。
それは、子どもの発達を直視することから逃げているだけ、と私は考えます。
保育の主役は子どもたちです。
大人が手を掛けて満足するのは、保育の本筋から離れています。

どんな遊びであれ、
「子どもの発達に見合っているか」を、
日常的に観察し、考察し、工夫していくことで、
子どもも楽しめますし、大人も楽しく過ごせるのです。

▶事前の準備もするし、子どもたちと準備もする

上の話に繋がることですが、
保育の準備は大人が手掛けつつも、
子どもたちも手掛けられるものが理想的だと考えます。

私は遊戯室で遊ぶ際や、保育室で運動遊びをする際は、
子どもたちに準備を手伝ってもらいます。
マットを運ぶ、巧技台を運ぶなど、
2歳児でもできることはありますし、
そういう「自分たちで作った遊び」には自負も生まれてきます。
マットや巧技台を運ぶといっても、大人みたいに一人で運ぶ必要はありません。
4人がかりでマットを持つこともあれば、引き摺ってくることもあります。
巧技台だって、二人で両端を持てば運ぶことができます。
もちろん、子どもたちの発達に見合っていれば、の前提があってですよ?☺

遊戯室の準備をする際、
保育士が一人で準備をすると、
残りの保育士で子どもたち22人を保育する必要が出てきます。
ですが、私が準備で6人の子たちを誘えば、
16人を他の保育士たちで保育すれば良いのです。
2歳児クラスといっても、
4月5月生まれの子は、進級して間もなく3歳になっています。
実は、できることは多いのです。
自分の成長に見合った何かを発揮できる場面があるというのも、
集団の中での個別の配慮です。
私たちが遊びを準備している中、
他の子たちが手厚く大人と関わる機会の保障もできます。
その準備をする機会も、日によって誘う子を変えれば、
どの子にも手伝いをする場面は設けていけますしね。

保育の主役は、子どもたちです。
子ども22名を保育する、と考えるのか、
子ども22名と保育する、と考えるのか。
それだけでも、保育の質は変わってくると思いますよ✌

最後までお読みいただき、ありがとうございます🙏
「運動遊び」と単語でくくってしまうと、
遊んでいる場面だけを想定しがちです。
ですが、実際の保育はそんな切り抜きみたいなことはなくて、
いろいろな要素が連綿と繋がり、関わり合っているものです。
中島みゆきさんの『糸』という曲がありますが、
子どもたちひとりひとりが、
縦の糸でもあり、横の糸でもあるのではないでしょうか。
もちろん、私たち保育士もそこに混ぜてもらっていると思いますが(笑)
遊びという一つの機を仕立てるためには、
子どもの個性や発達をしっかりと見守って、
組み合わせていくかを考えていきたいですね。

▶参考図書

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