子どもの 誘い方が わからない

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みんなのQ&A

こんにゃちは、猫月です😸

質問をいただきました

ナツキ
ナツキ

保育中に子どもを誘い掛けるのですが
なかなかいうことを聞いてもらえません

猫月
猫月

「子どもが言うことを聞かない」というのは
保護者からもよくある相談ですね

質問者さんから寄せられた
保育の状況を簡単に説明すると

2歳児を担任されていて
外遊びから部屋へ戻る時に
『まだ、遊びたかった』と泣かれる
「そう、もっと遊びたかったんだね」
「また明日、続きをしようか」と
共感を示しつつ、部屋へ誘うけれども
その子は泣き続けて誘いに乗ってもらえない
ということでした

質問者さんはまだ新人のようなので
今回は「猫月だったらどうするか」という
内容でお答えしていきます

とはいえ、実際にそのお子さんを見ているわけでもないので
あくまで想定される範囲での対応となりますので
ご了承願います

私だったらどのように対応するかを考えてみました

その時の保育体制にもよりますが
基本的には「その子に委ねる」と思います

その子自身が本当はどうしたいのか
行動してもらった方が
お互いにわかりやすいと思うからです

2歳児ですから
言葉ではどのように言っていたとしても
十分に自分の気持ちを表現するのは難しいですものね

もちろん
「そんな時間も余裕もないです💦」
というご意見もあると思います

ただ、私は【急がば回れ】だと考えています

その後も毎日のように泣かれて
部屋へ戻るまでお互いに消耗してしまうよりは
意を決して子どもに委ねて
その子の思いなり動機なりを理解できた方が
結果として翌日からスムースに過ごせますよね

もちろん、思い付きでできることではないので
事前に保育者間で「今日は委ねてみる」と
了承しておくことは大事です
突発的に保育者が子どもについてしまったら
クラス全体の保育が滞ってしまうかも知れませんからね

さて、子どもに部屋へ戻るまでの行動を委ねたとして
目的はあくまで「その子が気持ちよく部屋へ戻る」ことです

私が大事にしているのは
「その子の優先事項」を探ることです
つまり、その子はクラスは部屋へ戻ると承知していながら
それよりも優先したいことがあるから
部屋へは(まだ)戻りたくないわけです

その優先したいことが解消すれば
子どもは部屋へ戻ろうとするでしょう

子どものやりたいことをしてもらうわけですが
まったくの自由というわけにもいきません
次の活動(着替えや給食など)が待っていますから

2歳児が相手でも条件は伝えます
「あと3分だけね」
「時計の長い針が3になったらお部屋へ戻るよ」
などの時限は設けます

「2歳児に時間がわかりますか?」
わからないと思います(笑)
それでも伝えるのは
「それまでにやりたいことをやってしまおう」と
何となくでも意識してもらうためです

制限があることで
より優先的にやりたいことを
子どもはやるでしょうから

大人だってそうですよね
旅行先でやれてないことがあったとしても
「あと10分で乗りたい列車が来る」となれば
最優先事項だけでも叶えたいと思うでしょう?

子どもからすれば猶予がもらえただけでもメッケもの
いそいそと本当にやりたかったことをやると思いますよ

さてさて、子どもの様子を見守っていると
まだやりたかった遊びが朧気ながらにも見えてくると思います
「ボールで遊びたかった」
「すべり台を滑りたかった」
「花壇に水をやりたかった」などです

やりたいことがその場で叶うことであれば
それを済ませてから部屋へ戻れば良いのですが
その場ではすぐにできないことや
時間が掛かるものだったときはどうしましょう

私はその子の動機に注目しながら
代替案を提案するようにしています

たとえば
「ダンゴムシを見つけたかった」だとしましょう
暖かい時季であればすぐに見つかるかもしれませんが
晩秋や冬だと、それは困難ですよね
ダンゴムシが寝ていそうな土を掘り返すわけにもいきませんし

その子がダンゴムシを見たかっただけなら
部屋で絵本や図鑑を見れば解消されます
もし、捕まえたかったとしたら?
私なら、ダンゴムシ探しごっこを用意するかもしれません
ダンゴムシに見立てたものを用意して
部屋のどこかに隠して
その子に見つけてもらうのです
絵に描いて、本棚のどこかに挟んでおくだけでも
ダンゴムシ探しごっこになりますから

もちろんあくまで提案なので
その子の思いが解決するとは限りません
その時は「ごめんね」と謝りつつ
「今日はもうダンゴムシを探す時間がないの」
「ダンゴムシ、見つけたかったねぇ」
と気持ちに寄り添いつつ
部屋へ促すかもしれません

子どもでも精一杯を尽くせば
それなりにわかってくれるものです
もちろん不満はあるでしょうが
「自分の意を汲んでくれた」
「ちょっとだけ特別な時間を過ごせた」
という感覚で
不承不承でも、部屋へ戻ってくれると思います

子どもが安心する魔法の言葉✨
「予約しておくね」です

たとえば
次の活動へ移るために片付けを呼び掛けた時
「まだ遊びたい!」と拒む子、いますよね

そこで「今は片付けよ」と
言い聞かせようとしたところで
子どもが素直に片付けるかといったら?
まぁ「やだっ!!」の主張が始まるでしょう

私はそういう時は
「まだ遊びたいの
 なら、予約しておく?」
と提案します
『あとで続きが遊べる』保障があれば
子どもも了承してくれることが多いです

この「予約しておくね」は
いろいろな場面で使えます
トイレへ誘う時
給食の準備をする時
お昼寝へ移る時
そして、お迎えが来た時

2~3歳くらいになると
保護者のお迎えが来ても
「まだ遊びたい!」
「帰りたくない!!」
と泣いて怒って、なかなか帰りたがらない
そういうことも珍しくないのです

朝は『ママが良い😭』と泣いていたのに
なんて大人は思いますが
子どもの気持ちは時々で変わるもの

「そっかぁ、まだ遊びたいんだ」
「お迎えが来たから、どうする?
 予約しちゃう?」
子どもだって、家へ帰りたい気持ちはあるんです
ただ、楽しい遊びを終わりにするのも寂しいのです
だったら、明日の楽しみに変えてしまいましょう

遊んでいたおもちゃに名札をつければ
「続きはまた明日ね」
とすんなり応じてくれるものです
もちろん100%ではありませんが
そこそこ確率は高いですよ

ただし大事なこと!
予約したからには、きちんと保障すること
「子どもは忘れるから」
なんて軽んじた対応をすると
大きなしっぺ返しが待っていますよ!

相談者さんの質問は
「子どもを誘うけれども
 いうことを聞いてもらえない」
というものでした

子どもに行動して欲しいのは保育者ですが
実際に行動するのは子どもです
「子どもを誘う」というのは
保育者からのお願いなのです

あくまでお願いですから
子どもが応えてくれるかどうかは
その子自身によります

「でも、それだとクラスの保育が進みません!」
って、思いますよね

集団を保育するというのは
大人が子どもを牽引するのではなくて
子ども自身が集団の一員として
「これをやりたいけれど、
 今はみんなとこっちをしよう」
と思えるように関わっていくことです

相談者さんに
私からひとつ質問をしました
「その子は、“所属意識”はありますか?」と

その子自身が、クラスの一員として
「自分の居場所はここだ」という
所属意識があれば
集団が動けば自分も動こうします
その子の成長によっては
【クラス < 自分】となることもありますが
本心から「自分は一人が良い」とは思っていないでしょう

子どもとの関わりで重要なのは
ひとりの人間として尊重することです
それはその子の思いを大切にすることでもあり
「あなたの安心できる場所は、ここにあるよ」と保障することでもあります

ヒトはコミュニティにいてこそ生きていける生物です
まったくの孤独では生きていけないと本能的に承知しています
ですから「ここにいれば安心できる」という
実感が積み重なることで
“所属意識”も身についていきます

その安心を感じてもらうためには
「あなたの意思は尊重するよ」
「意見には耳を傾けるよ」
「できるだけ思いが叶うよう努めるよ」
という大人の姿勢が大事です

だから、子どもと対話するときは
あくまでもその子の上に軸を置きましょう
子どもがそっぽを向いているときは
「大人の都合を優先していないか」
振り返ってみてください
その子に掛ける言葉が変わってくると思います

最後までお読みいただき
ありがとうございます

子どもと向き合うときに
大事なのは子どもの上に軸を置くことです
とはいっても、勤めて間もない頃は
どうしたって先輩の目が気になりますし
「上手くやりたい」という気持ちが先を行くものです

私は実習生と関わる時に
「いっぱい緊張してね」
「失敗はするものだよ」
「思い通りに行かないのが当たり前」
と声を掛けています

これ、実習生にも新人にも
私たちベテランにも当てはまることだと思っています

ヒトが考えた通りの結果を得られる確率は
たったの4%だそうです
96%は思った通りにならないんです

だから私は、上手く行かないことを前提に
毎日子どもたちと関わっています

相談者さんの質問に
「猫月ならどうするか」でお答えしましたが
残念ながら
「この通りにしたら、子どもが誘いに乗ってくれる」
というものではありません
あくまで、私が心掛けていることってだけです

ただ、子どもを尊重し
主体性を保障しようという姿勢は
子どもにも伝わると思っています
「今は難しくても、いつかは」
そういう信頼を寄せ続けることで
『もう、仕方ないなぁ』
と思ってくれる時が来る…はず(笑)

こちらの話を聞いてもらうためには
まずは相手の話に耳を傾けること
それがコミュニケーションの基本だそうですから
子どもの思いを聴くことから始めてみませんか

参考になれば幸いです

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