こんにゃちは、猫月だんくるおすてうすです。
今回も、酒井沙弥香さんとの共同企画
【絵本の語り場 ~絵本は、ええ本~】で紹介した
絵本のレビューを寄せたいと思います。
【絵本の語り場 ~絵本は、ええ本~】は、
みんなで絵本についてワイワイ喋ろう!というものです。
毎月一回、
テーマに沿った絵本を持ち寄って
その絵本の魅力
選んだ基準
どんな読み方・提供の仕方をするのか
といったことを楽しむ時間にしてきました。
ということで、
第8回 絵本の語り場
で私が紹介した絵本は、こちらです。
「英語でもよめる できるかな? あたまからつまさきまで」
作:エリック・カール
絵:くどうなおこ
版:偕成社
あらすじ
ぼくはペンギン あたまをくるんとまわせるよ きみはできる?
できるよ できる くる くる くるるん
絵本のどうぶつと いっしょに、
『できるかな?』表紙裏
あたまや 手足を うごかしてみよう!
すこしずつ まねっこゲームを しながら
くりかえし つづけると、
ダンスが うまくなったり、
すぽーつせんしゅのように
みごとな たいそうだって
できるようになるよ。
さあ、やってみよう!(エリック・カール)
動物を“しる”ということ
今回のテーマは「乳児✕動物」でした。
保育でいう乳児とは、3歳未満児を指すことが多いですね。
(※本来の乳児は、1歳未満児になります。)
ということで、今回は“乳児=3歳未満”としてお話ししていきます。
乳児に動物を意識してもらうとなると、一番手っ取り早いのは写真絵本です。
実物に勝る情報はありませんから、
写真で見ることは子どもが知識を得るのにとても有効です。
他には、シンプルなデザインの図鑑絵本も良いですね。
図鑑絵本は、デフォルメされて描かれていますから、
子どもが動物の特徴を掴むためには、
分かりやすい資料であると思います。
例に挙げた絵本は、
子どもに“動物の情報”を獲得してもらうためには
有意義であると思います。
これに加えて、私は子どもが動物を知るといった時に、
動物になる=経験するというのも、
大事な要素なのではないかと考えました。
そして、動物の容姿と、
動作のデフォルメを経験できる絵本が、
「できるかな?」なのです。
模倣で動物を知る
私は子どもに絵本を提供する時、
子どもがどれだけその絵本の世界へダイブできるかを重視します。
今風に言うと「沼る」という所でしょうか😄
まぁ、ゾッコンはまる必要はないのですが、
フィクションをどれだけ実体験的に感じることができるかは、
子どもの感性の広がりには重要なエッセンスになるのです。
図鑑的な絵本は、客観的に動物を見ることができます。
一方で「できるかな?」は、
自分を動物として置き換え、主観的に感じる絵本です。
あ、ごめんなさい…🙏
絵本を見ながら、子どもたちが動作を模倣することを前提にお話ししています。
ところで、この絵本には歌があります。
エリック・カールさんの作品3冊を歌にしたCD📀があるんですね。
そう、歌と絵本と動作を併せて楽しめることが、
この本の魅力を更に増す要素です。
そして、耳や身体を動かすことで、
動物のことを体感的に知っていけるのが、
またこの絵本の素晴らしい点であると思います。
乳児が楽しめる絵本
「できるかな?」は、
視覚だけでなく、聴覚でも楽しめますし、
運動遊びとしても楽しめます。
身体全体で楽しめる点が、乳児向きだと私が考える所以です。
0歳児であれば、絵と歌で
1歳児であれば、絵と歌と模倣で
2歳児であれば、絵と歌と模倣、そして言葉で
それぞれの発達に併せて、楽しみ方が広がります。
集団でも楽しめますし、
一人でも楽しめるようになります。
もうひとつ、大人と二人でも楽しめます。
ひざに座って読んでもらう、
歌ってもらう、
大人に動作模倣を見せてもらう、
二人で模倣を試してみる…
いつかは、動物園などで実物を見て、
その喜びに共感し合えるのが最大の魅力でしょうか。
そうそう、この絵本には
ペンギンやキリン、バッファローなんて動物まで登場しますが、
最後に出てくる動物は何だと思いますか?
I am I and I wiggle my toe.
『できるかな?』作中より
Can you do it?
そう。
「わたしはにんげん」の段でこの絵本は終わります。
ところで、人間の特徴的な動作って、何でしょうね?
エリック・カールさんは、
つま先をもじょもじょさせていましたが、
子どもに問い掛けてみたいものです。
「あなたが、あなたらしい姿って、どんなの?」
おっと、大人も一緒に考えてみたいですね。
「わたしが、わたしらしい姿って、どんなの?」
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