絵本の語り場 ~絵本は、ええ本~“おもちゃ”

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たのしい絵本

こんにゃちは、猫月だんくるおすてうすです。

今回も、酒井沙弥香さんとの共同企画
絵本の語り場 ~絵本は、ええ本~で紹介した
絵本のレビューを寄せたいと思います。

【絵本の語り場 ~絵本は、ええ本~】は、
みんなで絵本についてワイワイ喋ろう!というものです。
毎月一回、
テーマに沿った絵本を持ち寄って
その絵本の魅力
選んだ基準
どんな読み方・提供の仕方をするのか

といったことを楽しむ時間にしてきました。

ということで、
第4回 絵本の語り場
で私が紹介した絵本は、こちらです。

「びゅんびゅんごまがまわったら」
作:宮川ひろ
絵:林明子
版:童心社

あらすじ

かえで小学校には、運動場につづく遊び場があります。
みんな、その遊び場が大好きでした。
3学期、1年生のこうすけは、
倒木の一本橋をケンケンで渡ろうとして、
滑って骨を折ってしまいました。
その日から、遊び場には大きな鍵が掛けられて、
入ることもできません。

春になり、新しい校長先生がやってきました。
でも、遊び場の鍵は掛けられたままです。

こうすけは
「あそびばの かぎを あけてください」
と新しい校長先生にお願いします。
校長室にこうすけたちを呼んだ校長先生は、
机からびゅんびゅんごまを取り出しこう言うのです。
「まわせるようになったら、たのみも きこうじゃあないか」と。

こうすけたちは、
びゅんびゅんごまを回せるようになり、
遊び場の鍵を開けてもらえるのでしょうか。

びゅんびゅんごまを回したい

校長先生は、こうすけたちに
「(びゅんびゅんごまが)まわせるようになったら」
とお題を出します。
そして、回せるようになったこうすけたちに
更にお題を出します。
手で回せたら、足でも回せるように。
足でも回せたら、3個同時に。
3個同時に回せるようになったら、4個同時にと。

この絵本には、
昔懐かしい玩具がいくつも出てきます。
びゅんびゅんごま
柿の実のネックレス
竹馬
タンポポのひな人形
カラスノエンドウのサヤ笛
目はじき
……
どれも、お店で売っている玩具ではありません。
(あ、竹製の竹馬を扱っているお店はあるかも知れませんね😅)

この絵本を読んでから、これらの玩具を見せると、
それはそれは子どもたちの目の色が変わります。
特にびゅんびゅんごまは、
季節や場所を問わずに遊べますし、
手と足を使って4個同時に回せるとなったら、
”英雄”扱いですからね。
園庭のカラスノエンドウもごっそり無くなりますが……
1・2歳時の砂場でのままごと具材になることが多いかな🤔

”あまのじゃく”な校長先生

遊び場を開けてくれるようお願いに来たこうすけたちに、
「先生は天邪鬼だからね、頼まれると開けてやりたくなくなるのさ」
と意地悪を言う校長先生。

物語の中では”敵役”の校長先生ですが、
大人の目線で見るといかがでしょうか?
遊び場から聞こえてくる子どもたちの声に
「天邪鬼はいいもんだな。今度はどんな意地悪をしてやろう」
と、ご機嫌な場面が描かれています。

また、最後の場面では、
こうすけたちから
カラスノエンドウのサヤ笛が吹けるように
と逆に宿題を出され、
「明日まで待ってくれ」
をくり返している姿が描かれています。
最後の挿絵は、サヤ笛を頑張って練習する校長先生です😁

ここまで、子どもと向き合ってくれる校長先生は、
なかなか貴重な存在なのではないでしょうか。
それに、校長室がオープンですよね。
私が子どもの頃は、校長室の重厚な扉は、
如何とも入り難い雰囲気でした。
職員室ですら、軽々には足を踏み入れられない場所でしたねー。
それが、毎日のように子どもたちが入れるのですから、
私にはフランクな校長先生に思えます😊

年長児に読んで欲しい絵本

この絵本の舞台は、小学校です
保育園の子どもたちにとっては、“非日常”な場所ですね。
ですが、非日常ではなくなる子どもたちもいます。
就学を控えている年長児です。

学校へ行くことは分かっている。
ランドセルを買ってもらって、期待感もある。
でも、実際にはどんな場所かは分からない……。
「勉強するんだよ」
「100たす100はー?」
なーんて会話は聞かれますが、
授業なんて想像もつかないのが実際でしょう。

そんな年長児が、
この絵本を読むと、少しだけほっとすると思うのです。
学校でも遊ぶ時間はあるし、
校長先生はちょっととっつきにくいけど、
不思議な距離感で一緒に過ごしてくれる。
もちろん、かえで小学校はフィクションですが、
無用な緊張感は払拭されるんじゃないかなぁ。

大人にだってできないことはあるんだよ

この絵本は、校長先生がサヤ笛を吹けないシーンで終わります。

私は、この絵本を読んだあと、
子どもたちに実物のびゅんびゅんごまを見せますが、
見せられるのはそこまでです。
足と手の2個回しまではどうにかできますが……
3個、4個となると、いまだにできませんね😅
竹馬には乗られますが、
カラスノエンドウのサヤ笛は鳴らせません。
タンポポのひな人形も……
実は、シロツメクサの冠も編めません💦

昔であれば、こういう遊びは
子ども同士の伝承遊びでしたよね。
とはいえ、大人ができないことを、
どうにかこうにかやって退けるものです。

私の勤めてきた保育園に柿の木はありませんでしたが、
子どもたちはメガネモチの木の葉を使ってアクセサリーを作っていました。
絵本と同じ物がなくても、
遊びのヒントを拾って、
それを知恵で獲得していく力があるのでしょう。

大人が、何でもしてあげる、教える、そんな必要は無いのだと思います

むしろ、
「できたら楽しそうだね」
「どうやったらできるかな」

と、子どもたちと同じ目線で一緒に探求できることこそ、
子どもたちの育ちには有用なのでしょう。

大人が、子どもと同じ遊びに、本気で取り組む。
本気で悔しがり、
本気で喜ぶ。
本気で遊ぶ姿を見せる。

びゅんびゅんごま、回してみませんか?

“おもちゃ”の絵本

今回のテーマ“おもちゃ”ですが、
「おもちゃの絵本」というと、考え方がふたつに分かれると思います。

「おもちゃが登場する」絵本と、
「おもちゃとして遊べる」絵本です。

ということで、“おもちゃ”の絵本をいくつか紹介していきます。

いかがですか?
“おもちゃ”の絵本、
読んで楽しむものもあれば、
それ自体が遊べる絵本もあったでしょう?😄

子どもと一緒に、
たくさん楽しんでもらえたら嬉しいです。

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