こんにゃちは、猫月です🐱
今回は、保育の中で
子どもの成長を感じた瞬間のエピソードをお話します

猫さんって、保育中にいきなり笑い出すわよね
あとで何があったか話してくれるけど、
あれがその“瞬間”なわけでしょ?

そうそう(笑)
こっちの想定を上回ってくると、
もう笑うしかなくてさー

想定を上回る、ってことは
予定外の行動なんでしょ?
よく笑えるわねぇ……

子どもってさ、大人を超えていく存在だからね
予想を上回る姿にこそ、
その子の成長を感じるんだよ
マンガ『GIANT KILLING』や『アオアシ』でも、
選手が想像を超えたプレーをした瞬間こそ
“監督冥利に尽きる”──そんな場面があります
私にとっても同じで、
子どもが想像を超えた瞬間にこそ、
「ああ、この子、育ってるなぁ」と感じます
その瞬間を目の当たりにしたときは、
思わず声を上げて笑ってしまうので、
隣のクラスの保育士が顔を覗かせることもしばしばです
さて、ここからは
実際のエピソードをお話していきましょう
譲ってばかり──でもなかったのね?!
1歳児のWちゃんは、
ジャングルジムや巧技台が大好きです
でも、友だちがやってくると、
いつも遊びを譲る子でもありました
大人に促されたわけでもなく、
相手がごねたわけでもないのに、
すっと下がるのです
私は様子を見守りながら、
「そういう穏やかな性格なのかな」
くらいに思っていました
Wちゃんは、いつもニコニコしていて、
クラスの友だちからも可愛がられている子です
家庭ではそれなりに自己主張もしているようですが、
園では“愛され上手”という印象でした
だからこそ時々、
「もっと友だちにも主張していいんだぞ!」
と、余計なお節介を言いたくなることもありましたが、
そこはまぁまぁと、本人の振る舞いを見守っていました
ある日の園庭での自由遊び中
Wちゃんはいつものように、巧技台の階段を楽しそうに上っていました
向かいから友だちが来ると、
やはり自分が降りて道を譲ります
ところがです
その子に続いて、ひとつ年上の子たちが3人、
どんどん登ってこようとしたとき──
Wちゃんが、拙い言葉で抗議をまくしたてたのです
「先に遊んでたの!」
「そこ、どいて!」
「順番でしょ!」
そんなニュアンスで、
両手をぶんぶん振りながら必死に主張します
その勢いに押された年上の3人は、
初めは呆然としていましたが、
その剣幕に圧されて引き下がっていきました
その姿を見て、私は
Wちゃんはただおとなしくしていたわけじゃなかったんだ、
と思いました
相手に合わせて、自分の振る舞いを変えていたんですね
誰にでも同じように譲るのではなく、
相手との関係や、その場の空気を感じながら動いていた
1歳児でも、ちゃんとTPOのようなものを感じているんだなぁ、と驚きました
「譲ってばかり」に見えていた姿からも、
ひとつの社会性の成長を感じられました
手形スタンプを触りたくない!──代わりをお願いした相手は、誰?!
Oちゃんは、ちょっと敏感な1歳児
初めての遊びや素材には慎重なタイプです
ある日、手形スタンプで遊べるようにしていました
ねらいは、画材の感触を知ることです
クラスの子たちは、自分の手でカラフルなスタンプができるのが楽しくて、
両手を青やピンクにしながら大喜びで遊んでいました
その様子を見ていたOちゃんも、
どうやら気になったようで、私のそばへやって来ました
🐱「Oちゃんもやってみる?」
👦(首をフルフル)
🐱「そっかー、嫌なのね」
👦(猫月の手を取って、スタンプしようとする)
🐱「代わりにやってほしいのね(笑)」
私の手をクレーンしようとしたOちゃんでしたが、
そのあと、何かを思いついたようにその場を離れていきました
さて、Oちゃんはどうしたでしょう
──代理を連れてきたのです
戻ってきたOちゃんが抱えていたのは、“ぽぽちゃん”!!
手形スタンプをするのは嫌
でも、やってみたい気持ちはある
だったら、自分の代わりにやってもらえばいい
Oちゃんは、そんなふうに考えたのでしょう
ぽぽちゃんに、手形スタンプの代理を頼んだのです
🐱「そうきたかー!!」
この発想には、思わず膝を叩きました🤣
これまでにも、手形スタンプを嫌がる子はいました
でも、「イヤ!」で終わるのではなく、
自分なりに参加する方法を考えて、代理を立てた子は初めてです
“苦手だからやらない”ではなく、
“苦手だけど、どうしたら関われるか”を考えていたOちゃん
自分なりに遊べる方法を考える姿に、成長を感じました
スプーンでお茶を飲もうとする子──それはいたずら?遊び食べ?
Iちゃんは3歳児
発達に特性があり、2歳児までは食事もほぼ大人が介助していました
さまざまな支援や環境の工夫を重ねる中で、
少しずつ、自分で食べようとする姿が増えてきた頃のことです
ある日、Iちゃんはコップにスプーンを入れるようになりました
そして、スプーンでお茶をすくって飲もうとするのです
サポートしている保育士は、やめるよう声を掛けます
たしかに、大人の感覚で見れば「やめてほしい行動」です
でも私は、その様子を見ていて、
あることを思い出しました
「その子の行動は、今、成長に必要な行動」
OTの研修で聞いた言葉です
私はその行為を見守ることにしました
Iちゃんは
かき混ぜているわけでも、
音を鳴らしているわけでもありません
ただ、すくって飲んでいるだけなのです
その姿を見て、私はこう感じました
Iちゃんは、「自分で食べられる」を確かめている
周りの友だちが自分で食べ進める中、
Iちゃんは長く介助を受けてきました
そこから手づかみ食べを経て、
今、スプーンを使えるようになってきたところです
その成長を、自分なりに確かめるように、
くり返していたのかもしれません
見守りを続けていると、
やがてその姿は自然と見られなくなりました
スプーンで食べることが、
Iちゃんの中で“当たり前”になったからなのかな、と感じています
「お茶にスプーンを入れる」
その行為だけを見れば、
大人はつい顔をしかめたくなるかもしれません
でも、その行動の奥にある“動機”に目を向けることで、
その子の成長に気づけました
私自身も、Iちゃんの姿から、
子どもの行動の見方を改めて考えさせられた瞬間でした
ブロックで作ったロボットが倒れちゃう──え?それで立つの?!
※このエピソードは少しマニアックな話も出てきますが、
最後まで読んでいただけたらうれしいです🙏
Hちゃんは2歳児
ブロック遊びが大好きな子です
「先生、ゴジラ作って!」
「キングギドラ作って!!」
と、なかなか難しいリクエストも平気で投げてきます
私もブロックは得意なほうだと自負していますが、
Hちゃんは一緒に遊ぶ中で、どんどん発想を広げていきました
左右対称に作れるだけでも得意さなことがわかりましたが、
あえて左右のバランスを崩した時には驚嘆しました
2歳児の構成遊びとしては、
かなり前衛的な発想をする子でした
ある日、Hちゃんは
ゴジラと戦うロボットを作っていました
しかも、そのロボットには剣を持たせたい
そうなると左右の重さが違ってしまって、
立たせようとしても、どうしても倒れてしまいます
2歳児ですから、こういう場面では
「できない!」と怒ったり、
投げ出したりしてもおかしくありません
でもHちゃんは、癇癪を起こすこともなく、
じっとロボットを見つめて考えていました
こういうとき、大人なら
足を大きくして土台を安定させたり、
反対側に何かを足してバランスを取ったりします
私も、「ちょっと手伝おうかなぁ……」
と迷っていました
そのときです
Hちゃんが、パッと
ロボットの背中にブロックを足したのです
えっ? 背中に?
なんで???
まったく想定外でした。
そんな方法、私は見たことも聞いたこともありません
でも──
ロボットは、ちゃんと立っていたのです
Hちゃんは、その仕上がりに満足そうでした
おそらくHちゃんは、
左右のバランスだけで考えたのではなく、
後ろにも支えをつくることで、全体が安定する形を見つけたのでしょう
理屈をあとから説明することはできても、
その発想に、その場でたどり着いたことがすごい
Hちゃんの目に、どのようにそのロボットが見えていたのかはわかりません
ただ、私はその瞬間、「天才っているんだ……」と驚愕し、
子どもって、大人の思いつかないやり方で答えを見つけるんだ、と
彼らの可能性をあらためて思い知りました
そう思うと同時に、
自分で考えて、試して、形にしていく力が、
もうこんなに育っているんだなと感じた出来事でした
🎯それが、子どもの『出口が開いた』瞬間
たびたび引用している、倉橋惣三の言葉です
引き出すのではなく、『出口を開けてあげる』のです。
書こうとしたときに材料があり、作ろうとしたら粘土がある。
そうすることによって、心の蓋がだんだん開いていくようにするんですよ。引用:倉橋惣三「育ての心」
今回紹介した4つのエピソードは、
私が意図して引き出したものではありません
子どもたちが、自ら育つ中で見せてくれた姿です
子どもの主体性を尊重していても、
私たちはつい、「この場面はこうなるだろう」と予測してしまいます
それは、自分自身の経験や、これまでの保育の積み重ねから来るものです
でも──
その予測を少し横に置いておくと、
子どもは自分で“蓋を開けて”、
大人の想像を超えてくることがあります
あの瞬間こそ、
子どもの成長を強く感じる瞬間なのかもしれません
子どもが想像外の行動をしたとき
「え?そんなことするの?」と身構えるのか、
「うわっ、そうきたか!」と受け止めるのか
その違いは、
その後の子どもの育ちにも、きっと影響していきます
あなたは、今回のエピソードを読んで、
どんなことを感じましたか
もし、その場にいたとしたら、
どのように関わるでしょうか
正解はありません
ただ、子どもが伸び伸びと育っていける環境を、
私たちは保障していきたい
その中で、子ども自身が“出口を開けていく”姿を、
そっと見守っていけたらと思います
▶️ 子どもを見守ることについて、こちらの記事でもふれています
えっ……?! 大人が“ぐっ”と待つと、子どもが“ぐんっ”と伸びる?

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