保育を辛くしないためのプチワーク #1 「片付け」して欲しい時に

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【保育を辛くしないためのプチワーク #0】のサムネイル。麻布の壁紙の上にタイトルが記され、右下にはおもちゃ箱のシルエットが描かれている みんなのQ&A

こんにゃちは、猫月です😺

うちさんのXでのポストに対して具体的な回答をしていきます

今回のテーマは
「片付けましょう」と言わずに、
 子どもが片付け始める声の掛け方・環境づくりを考えてみましょう。

です

ムツキ
ムツキ

「片付けましょう」を言わずに、
子どもたちが片付け始める…???
「ナイナイしよー」とかそういうこと?

猫月
猫月

それは言い方を変えただけでしょ…
大人が子どもに呼びかけなくても、
自分から片付けるような関わりってことだね

「片付けましょう」と呼び掛けなくても、子どもが片付けをしてくれたら──
そんな理想的な話はないですよね

ムツキ
ムツキ

それが叶うなら苦労はないわよ…
実際は呼び掛けても片付けてくれないから、
毎日苦労してるんでしょ!!

猫月
猫月

うん。ムツキの言うことはごもっとも
でもさ、子どもに響かない声掛けを毎日続けてるとしたら、
それは「方法」が合ってないサインかもよ?

そうなんです
毎日同じことをくり返しているということは、
その方法では子どもに響いていない、とも言えますよね

確かに魔法のような言葉はないんですけれど、
関わり方や環境設定を変えると、子どもの反応も変わってきます

正解かどうかは私にもわかりませんが、
猫月が片付けの場面で気をつけていることをお話ししていきます

「保育を辛くしないためのプチワーク」 #0

私の園は、いわゆる一斉保育をしています
自由に遊べる時間もありますが、部屋から園庭へ移るなど、節目はやっぱりあります

「そろそろ片付けて、次の活動へ」──
そう思った時に、私が大事にしているポイントはこの3つです
・子どもが区切りをつけられそうか、遊ぶ姿をよく見る
・次の予定と、片付けを始めるタイミングを知らせる
・片付け始めから完了まで、十分な余裕を設ける

子どもの年齢にもよりますが、いちばん大事なのは、
「あ、片付けよう」と子ども自身が思えることだと感じています
「言われたからやる」って、大人でも気持ちが億劫になりますよね

たとえば──
19時にディナーの予約があれば、それに合わせて用事を済ませて、準備をしますよね
子どもだって、基本は同じです

私は子どもに、こんな感じで伝えます
「(時計の)長い針が10になったら、園庭へ出るよ」

次に何をするのか
いつから切り替え始めればいいのか
そこが見えてくると、子どもはそれなりに行動しようとします

年少児なら、時計にカラーシールを貼っておくのもありです
「長い針が赤になったら、お片付けしよう」
こんな伝え方なら、パッと理解できる子も増えます

そしてもう一つ
私は「完了までにどれくらいかかりそうか」を見積もっておきます

子どもたちの様子を見て「10分はかかりそうだな」と思えば、
本当は10:00に園庭へ出たい日でも、9:50(長い針が10)には動き出せるように知らせます

“片付け始める時刻”と“移動したい時刻”には、時差があるのです
だから、ここを分けて考えると、声かけがラクになります

遊びのキリが良いところで声を掛けるようにはしていますが、
それでも「まだ遊びたい」と片付けを渋る子はいますよね

私は、できるだけ遊びを保障したいと思っています
そのために、こんな言葉をかけます
「続きができるように、預かっておこうか」
「明日も遊べるように、予約していく?」

実際には、取っておいても続きなんて忘れてしまう子も多いです
でも、ここで大事なのは結果よりも、姿勢だと思っています

「あなたの気持ちは保障するよ」
この関わりは、安心感でもあるし、私は遊びへの敬意だと考えています

「この遊びは、あなたにとって大事なものだよね」
そういう大人の姿勢があるからこそ、子どもたちも大人の願い(この場合は片付け)に応えてくれる

大人と子どもは、対等の関係ですからね

ムツキ
ムツキ

子どもの遊びの「区切り」を見るって言ったわよね
私にはそれが難しいのよ!
猫さんは、どこで判断しているの?

猫月
猫月

あぁ…確かにそこは難しいよね
私も明確に見えているわけじゃないんだけど、
いくつかの基準があるんだ

ぶっちゃけてしまうと──
クラスには子どもが20人以上いるわけですから、全員が同じタイミングで遊びに区切りがつくわけはありません

ただ、活動を切り替えやすいタイミングの特徴はあります

① 遊びが一つ完結した時

わかりやすいのは、遊びが完結した時ですね
・絵本を1冊読み終えた
・ブロックが一つ完成した
・鬼ごっこで一巡した
これらは、目に映りますからね

② 集中が切れた時

「集中が切れる」というと、悪いことのように感じるでしょうか
でも、集中が切れるというのは自然なことなのです
大人でも20分もすれば集中を切れると言います

子どもも、好きな遊びであっても集中は切れます
気持ちは「遊びたい」と思っていても、
身体の集中が切れた時は、他の活動への呼び掛けが通じやすいです

大人だって、大事な仕事をしていたとして──
集中が切れそうなところへ「一服しない?」と誘われたら、「じゃぁ、コーヒー1杯だけ」と席を立ちやすいでしょう?

「ちょっと別なことができる」のは、案外と魅力的なのです

③ 保育者がリズムを切り替えた時

これはちょっと上の二つとは違うのですが
私は子どもに何かを呼びかける時にオノマトペを使います

ここで大事なのが、
「ピィィィン…ポォォォン…パァァァン…ポォォォン…」と
あえて間延びした抑揚で伝えることです

子どもたちは遊んでいると、徐々に活動のリズムが早まってきます
楽しんで興奮してくるわけですから、自然な姿ですね
そこで、リズムの大きく異なるオノマトペを届けると、子どもたちの活動の早さが変わります
こちらの話が届きやすくなるのです

私は、次の活動を知らせるときなどに、このオノマトペを使っています

もうひとつは、加速させるパターンです

外遊びから戻る時、
私は唐突に大袈裟に走り回ります
大きく両手を広げて走ると、子どもは自然とつられてきます

ここで狙っているのは、
リズムをいったんピークに持っていくことです

リズムをピークに持っていくことで、その後は落ち着いていくのです
そこで「そろそろ、部屋に戻ろうか」と呼び掛けると、
子どもたちの気持ちは切り替わりやすくなります

猫月
猫月

あくまで私の目安ですが、
子どもをよーく観察していれば、きっとあなたも
“子どもの区切り”に察しがつくようになりますよ

私は、保育園での「片付け」は大人の都合によって生まれると思っています
・次の活動準備をしたい
・給食のためにテーブルを空けたい
・午睡のためのスペースを用意したい

つまり「片付けなきゃいけない」は、子どもの内側から自然に生まれるというより、
保育園という生活の流れが必要性を作っているんですよね

ちょっと話が逸れますが──
以前、栃木県にある「ふじおか幼稚園」を訪れました
“ふじおかメソッド”という、独自のカリキュラムに沿って子どもたちは過ごしています

メソッドがあるから、子どもたちは課題的に活動しているのかというと、
スケジュールはあるものの、何をどこまでやるかは子ども自身に裁量があります

5歳児室を見学させてもらった時、子どもたちは園庭で運動遊びをしていました
室内には、私がとても興味の湧く景色がありました
机の上に、ひらがなのプリントと筆箱が広げられたままだったのです

私の感覚だと、活動の切り替えのたびに「片付け」を挟むものです
でもそこでは、使ったものをすべて片付けるよりも、「続きをしたい子が続けられる」余白が守られているように見えました

話を元に戻しましょう

私は「片付けは大人の都合」だと考えています
と同時に、
子ども自身が片付けることも大事だと思っています

では、どうするか?

私は、「片付け」を子どもの都合にしていくことが、鍵になると考えています

工藤勇一さんは、教育には「当事者意識が大事」だと仰います
「言われたから」ではなく、「自分に必要だから」行動する意識ですね

大事なものは、大事にしようよ

子どもの遊びを保障する中で、
「これはあなたに取って大事なものだよね」ということを共感していきます
先ほどの、預かるとか予約するというのは、この考えに基づいています
大事なものなら?大事に扱いますよね

だから、「あなたの大事なものは、大事に扱おうよ」
これをくり返し伝えて行きます
一所懸命に作り上げたブロック
着飾ってあげたお人形
毎日読んでいる絵本
どれも、子どもたちには大事なものです

「また遊べるように、大事にしまっておこう」
これが、子どもの片付ける動機に大きく影響します

子どもが粗末に扱っていたら?

逆に、粗末に扱っていたら?

「これは、大事じゃないのかな」
「あなたが粗末に扱うものは、大人も同じように扱うよ」
これもくり返し伝えて行きます

子ども主体ということは、子どもの判断を尊重するということです
ですから、その子の言葉を“本気で”受け止めるのです

たまに、ふざけて「いらない」と言う子もいますよね
その時は実際に保育室から他のスペースへ移します
実際に保育室からそのおもちゃが無くなると、
子どもでも自分の言葉や行動の責任の重さを痛感します
(罰と違うのは、「欲しい」と言えば戻ってくること
 あくまで当事者は子ども、という姿勢に徹することも重要です)

「片付け」は、初めは大人の都合です
ですが、保育園は子どもたちのコミュニティ──
「自分が大事なものだから、大事に片付ける」
「みんなが大事なものだから、自分も片付ける」

子どもの都合に翻訳していくことで、片付けは主体的になっていきます

私が片付けで大事にしているポイントをお話ししてきました
・呼び掛け方を工夫すること
・遊びの「区切り」を大事にすること
・子どもが当事者意識を持つこと
の3点ですね

私の考えの根底にあるのは、「片付けは大人の都合」であるという事実です
でも、保育園の主役は子どもたち
だから、子どもたちに「自分たちのために」片付ける意識を持ってもらいたいのです

私たちは、「整理・整頓が大事」と子どもの頃から教わってきました
それは確かにそうなんですけれど…
「何のために?」
「どんなメリットがあって?」
という観点は端折られてきてしまった、とも感じています

「自分が気持ちよく生活するために」
これが本来の目的ですよね

保育士としては、子どもにそれを実感してもらうことが、
彼らが大人になった時に役立つことだと思うのです

そのための工夫は、他にもいろいろあるはずです
あなたができそうな工夫、見つかりそうですか?
私の実践がそのヒントになったら、嬉しく思います

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