こんにゃちは🐈、猫月だんくるおすてうすです。
ちょっと考えてみたんですよ。
「子どもが絵本にふれない日ってあるかな?」って。
保育園や幼稚園に通っていれば
読み聞かせの時間があるでしょうし、
小学校の国語の教科書には
絵本を題材にした物もあるなー、と。
大人が読まなくても、
何となく一日に一回は絵本にふれているような気がするんですよね。
それに、お子さんがいて絵本を用意しないご家庭って、あるんでしょうか。
購入するかはともかくとして、
本屋の絵本コーナーで過ごすことや、
図書館や子育てプラザなどで絵本とふれる機会はあると思います。
それくらい、子どもと絵本って密接に関わっています。
今回は、子どもにとっての絵本の存在、役割などについてお話ししていきます。
最後まで読んでいただいて、少しでも参考になったら嬉しいです😸
猫月の“絵本の選び方”
▶“絵本”の効果って?
絵本の重要性について、
直接ではないのですが
「働き方5.0」(著:落合陽一 版:小学館)に
こんな一文がありましたのでご紹介します。
たしかにグローバル化によって
「働き方5.0 これからの世界を作る仲間たちへ」より抜粋
外国人とのコミュニケーションする機会は増えましたが、
コンピュータの翻訳技術もどんどん向上しています。
最近は、ちょっとした仕事上のメールのやり取りなら
機械翻訳の進歩で事足りるようになりました。
音声の翻訳も含めて、
その精度はテクノロジーの進歩によって、
短期間のうちに上がるでしょう。
英語についてはあとで詳しくお話ししますが、
そういう世界で大事なのは英語力ではありません。
たとえばコンピュータが翻訳しやすい
論理的な言葉遣いが母語でちゃんとできること、
つまりそのような母語の論理的言語能力、
考えを明確に伝える能力が高いことのほうが、
はるかに重要ではないでしょうか。
「国語」の重要性は、
日本が欧米の学問を学び始めた
明治時代から言われていることです。
母語は生活用語ですから、
母語をしっかりと身につけていることが
外国語の理解にも繋がっていくからです。
では“母語”を深く身につけるにはどうすれば良いか。
語学が“身につく”というのは、
文語と口語を理解していることです。
話し言葉と書き言葉ですね。
それがしっかり使い分けられている書物があります。
“絵本”です。
絵本は、大人からすると簡易な文章と思われがちですが、
実は丁寧に文語と口語で書かれています。
絵がふんだんに描かれているので
絵で見せているように思わせておきながら、
じっくり読むと助詞(がをには)が丁寧に使われていて、
日本語の基礎が楽しみながら身につくように書かれています。
はっきり言いますが、絵本は文芸作品です。
挿絵で理解を補助しつつ、
日本語=母語が育つように作られています。
絵本作家さんは、
丁寧に日本語で文章を織っていますよ。
大人は、行間で隠喩や暗喩を理解しますが、
子どもには文でわかるように表現する必要がありますからね。
また、子どもが絵本とふれ始める時期は、
大人とふれ合いながら読むことになります。
自分だけでは読めませんから、大人に読んでもらいますよね。
その時は、
大人の隣にいたり、
膝に座ったり、
スキンシップがあります。
絵本を通じてのスキンシップから、
人と関わることの心地良さや、
要求を受け止めてもらえる安心感、
信頼感なども獲得していきます。
ヒトは社会動物ですから、
信頼を獲得することで、
社会へ出た時に「貢献しよう」という意欲にも繋がります。
絵本の効果をまとめると、
・本に興味を持つ
・表現に興味を持つ
・言葉に興味を持つ
・文字に興味を持つ
・口語と文語を知る
・“知る”ことに興味を持つ
・大人とのスキンシップを図れる
といったところでしょうか。
結構多岐に渡りますね。
0歳児から楽しめる絵本ですが、
その経験は社会人になってからも活きてきます。
絵本は、子どもの“資産”
といっても良いと思いませんか?😊
将来、グローバルに活躍して欲しいのであれば、
絵本の存在は重要です。
▶“良い絵本”かはその子次第
大人からすると
“良い絵本”を提供したい!
と願うのは当然と思います。
ところで“良い絵本”の基準って、どこでしょうか。
端的に言ってしまえば、
その子が読みたい絵本が良い絵本です。
絵本でも遊びでも、
最重要なポイントは“主体性”です。
誰かによるお仕着せではなく、
自分から興味を持った絵本こそが、
今その時その子に必要な絵本、
ということですね。
まずは、その子自身が興味を持った絵本をじっくり読む。
じっくりというのは、その子が興味を持っている間は、
その絵本に一緒に関心を寄せるということです。
読む時間は短くても良いです。
興味を持っていたのが3分だとしたら、
その3分を大切にする。
次々に絵本を引っ張り出すときは、
自分の好奇心を寄せる絵本を探している時間、
“絵本”という大ジャンルに関心がある時ですね。
もしくは、
“絵本”という物体に興味を持っているのかも知れません。
絵本の硬度、
紙の滑らかさ、
肌触り、艶、色合い、
紙をめくる操作感…
絵本のどこに惹かれているのかも、
その子の感性に任せて良いと思います。
そして、もし
時間をかけて向き合う一冊が見つかったら、
それはきっとそれだけの
価値のある一冊を見つけた時、
“良い絵本”と出会った瞬間です♪
絵本の効果のひとつ
「本に興味を持つ」が
成り立ったということですね。
また、時間をかけて魅入ってるということは
その絵本の「表現に興味を持つ」ことも獲得しているのでしょう。
▶ひとことフックしたら当たり!
大人が書籍を読んでいる際にも当てはまることですが、
読んでいる本の内容全てが
「面白かった」
「参考になった」
と言えることは、かなり稀です。
名著と言われる書籍でも
「ここ、ちょっとよく分からなかったなぁ…」
ってことあると思います。
いや、むしろ
「全部読んだけど、面白かったのは“ここ”だったな」
という方が多いのではないでしょうか。
映画を見ていても、
終始面白い場面だらけの作品ってないと思います。
好きな映画って、好きな一場面が心に残っていませんか。
(エヴァ序でいえば、
第六の使徒を倒した後の
シンジとレイの「笑えば良いと思うよ」のシーンとかね?)
本も同じです。
ひとことだけ
「これは面白い」
「これは参考になる」
というフレーズがあったら、
その本は当たりです。
私は「ひとつフックする言葉があったら当たり」と思っています。
絵本も子どもがひとことフックするものがあったら当たりです。
それは「言葉に興味を持つ」段階へ発達し、
言葉が面白いと感じるようになったということ。
そこから、爆発的に言葉の能力が伸びていきます。
言葉の発達は、
聴くことから始まり、
約1年ほど遅れて発言することに繋がっていきます。
喋り出す前に
どんな言葉を聴かせたかが
言葉の土壌になっていきますから、
「○○の影響で乱暴な言葉遣いをする」というのは
ちょーっと責任転嫁ですよ?
一番耳にしているのは、当然家族の発言ですから
「何度も同じ絵本を読んで欲しいとねだる」のは、
それだけ言葉に対して伸びている時期です。
受験勉強よりも、とても重要な学びの時期ですので、
絵本を一緒に読む時間は大事にしてもらいたいなと思います。
言葉に興味を持つことが発達していくと、
自分で絵本を読む姿が出てきます。
ただそれは文字を読むよりも、
読み聞かせてもらった内容を暗記して反芻しているという状態です。
“門前の小僧、習わぬ経を読む”
…耳コピというやつです。
ただ、絵本の耳コピができると、
自分の発している音と表記されている文字が
リンクしていることに気づいていきます。
「同じ音の時には同じ記号(文字)があるなー😮💬」
という感覚です。
保育園にいると、
2歳児後半くらいから自分の名札を見つける子が出てきます。
友だちの名札も見つけることもあるので、
「この子は字が読める!」
と勘違いしがちな姿です。
実際は、名前の文字列すべてを
ひとつのマーク(ロゴ)として覚えているとう感じです。
“UNIQLO”のロゴを目にしたら、
一文字ずつおさえなくても「ユニクロ」と読みますよね。
そのロゴ認識から、
例えば「“かに”の『か』は、“かとう”の『か』と同じ?」
みたいに文字と音の一致に気づいてくるわけです。
「文字に興味を持つ」段階ですね。
文字に興味を持つのと並行して、
言葉の表現にも関心を持ち始めます。
4・5歳児くらいになると、
しりとりや駄洒落、回分など
言葉遊びも楽しみ始めますね。
言葉の音で遊べるのは、かなり言葉の力が発達してきた証でもあります。
しりとりなんて、意味が直結しない言葉を、
音を頼りに連想するのですから。
それと同時に、表現の機微にも気づくようになってきます。
「話し言葉」と「書き言葉」(口語と文語)の違いです。
絵本は仮にも書籍なので、文語で表現されています。
特に欠かせないのが
主語と述語が明記されていることと、
助詞が丁寧に使われていることです。
先程も述べましたが、
言語理解というのは
口語と文語が身について初めて成立します。
会話だけでは、言語を理解することはできないのです。
(有名な逸話が、デーブ・スペクターさんが英検1級に落ちたという話ですね。)
絵本は、子どもの言葉の世界に文語をもたらしてくれます。
あと、幼児期の子どもは
“やりたい”
“知りたい“
の真っ盛り!
“やりたい”欲求の爆発が、
大人にとっては「いやいや期」になるわけですが、
これは
「一人前になりたい」
「対等に接して欲しい」
という時期なので、
人生で最大の伸び盛りです。
大人の器量が試されますねー😄
そんな時期と並行して、
大人がやっていることに興味を持ち、
また身の回りの自然科学にも関心を持ち始めます。
絵本には、
子どもが知らない大人の姿が描かれていたり、
動植物が主役の物語があったりしますね。
また、絵本図鑑もあります。
子どもの知識欲をくすぐる本がたくさんあります。
大人から知らされるだけでなく、
「自分で知る(調べる)」ことを身につけるのにも良い資源です。
まずは、ひとことフックする絵本を見つけてもらいましょう。
その一冊を入口にして、
たくさんの絵本とふれることが、
ゆくゆくは母語や外国語を含めた
言語能力に結びついていきますよ。
▶好きな絵本は人生の宝
あなたは、
「好きな絵本を教えてください」
と尋ねられたら、
どんな絵本が思い浮かびますか?
いろいろな絵本が思い浮かびつつも、
子どもの時によく目にしていた絵本を選びませんか。
私は「おおきな おおきな おいも」が好きなのですが、
子どもたちにも「これは子どもの時に好きだった絵本でね…」と話しながら読みます。
今で言うインフルエンサーのレビューみたいなものです。
お父さん・お母さんや保育士が「好き」という絵本は、
子どもの興味・関心を引き出します。
子どもにとって周囲の大人は、インフルエンサーです。
子どもが好きな絵本も、
また大人になったときに
周囲の子どもにその絵本を紹介することでしょう。
その絵本をきっかけに、
また絵本へ興味・関心を持つ子がいる。
連綿と繋がっていくんですね。
好きな絵本は人生の宝です。
自分にとっても、
周囲の誰かにとっても、
貴重な一冊となっていきます。
子どもが好きな絵本を揃えるのは、
人生の先行投資といって差し支えないかと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
言語能力の発達は、
“聞く”ことから始まります。
“聞く”から“話す”へ
“話す”から“読む”へ
“読む”から“書く”へ
と繋がって広がっていきます。
子どもたちには、
好きな絵本をたくさん耳にして目にして、
言葉の土壌を耕していって欲しいな、と願っております。
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