猫月は、空気を読まない……?

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「猫月は、空気を読まない?」のサムネイル。ホワイトボードに、議題風に書かれたタイトルと、空気を読まないことに対する疑問が並んでいる みんなのQ&A

こんにゃちは、猫月です😺

キツキ
キツキ

ねーねー!
前から思ってたんだけど、
猫さんって、空気読まないですよね!

猫月
猫月

突然、何を言うかと思えば…
もう少し、オブラートに包んだ
言い方をしてちょうだいよ💦

キツキ
キツキ

でも、この間の会議でも
大御所に理路整然と反論してたし、
園長にも平気で意見しますよね!

猫月
猫月

そりゃぁ仕事だもん
自分の立場よりも、子どもや保護者、
保育園の“最善の利益”を優先するさ

私の業務設計は、サッカー思考です
その時々の状況に合わせて、
必要な場所に人を配置し、
必要な仕事を進行していく、
といったイメージですね

“空気”を読んだ上で、“空気”に流されない
今回はそんなお話をしていきましょう

私の考えの根っこには、
師匠からの学びがあります

この言葉がずっと頭に残っています

保育園の仕事は、同時進行です
運動会の準備があっても、
日々の保育は欠かせないし、
行事(遠足など)の準備も待ってはくれません
もし「空気を読んで」みんなと同じことばかりしていたら?
他の業務は止まり、
園全体に綻びが出てしまうのです

先ほどの話であれば、
遠足のお便りが遅れれば、
保護者が遠足の準備も遅れます
それは、保護者や子どもの負担になります

運動会の準備をおざなりにしたわけではなく、
自分が携わるべき仕事の優先度を判断したのです

もうひとつ、以前にご一緒した園長からの言葉です

これより前に、
私は「気が利くのはあなたの長所ね」と、
先輩から評価されたことがありました
だから、周囲の先読みをして、
行動を判断するようになっていました
それが、場合によっては短所にもあるわけです

会議の進行具合や、
先輩たちの意向などを汲んで、
「ここで発言すると時間が足りないな」とか
「この意見は大意に沿ってないな」とか
“空気を読む”ことを優先してしまっていたのです

でもそれは、時としては
責任を投げ出していることにもなるのです

そんな経験もあって、
私は空気を読みつつも、
「成すべきことは成す」
「言うべきことは言う」
そんな姿勢を保つようにしているのです

運動会の準備を「みんながやっている」
それは「自分も行かなきゃ!」って思いますよね

でも、そこで一歩引いて全体を見渡したいのです
・この仕事に必要な人は誰なのか
・この仕事に必要な人員は何人なのか
・同時に進めなければならない仕事はないか
・この仕事で自分は役に立てるか

仕事の必要性は“5W2H”を考えるのですが、
まぁ今回はそこまで細かく見なくても良いでしょう

簡潔にお伝えするなら、
「今、自分が最優先するべき仕事は?」を
まず考えるクセをつけることですね

あなたは「リンゲルマン効果」をご存知ですか

農学者のリンゲルマン🇫🇷は、
複数人で同じ仕事をすると、
一人で仕事をした場合の貢献の合計よりも、
集団での労力が少なくなることに気づきました

有名なのが“つな引きの実験”
一人では全力を出せても、
人数が増えるにつれて力を抜いてしまい、
全体の力は足し算ほど大きくならない

人数が増えるほど、効率は下がるんですね

“空気を読んで”人が集まるほど、
その仕事は進みが悪くなるのです
これって、「仕事を早く終わらせよう」と思うなら、
必要最低限の人数で取り組む方が、
結果として効果的ということです

「そうは言っても、
 やっぱり”空気読み”は求められるじゃないですか」
と思われますよね

私は、実のところ空気を読んでいます
園全体を見渡して、
必要な仕事に注力するようにしています

端から見れば些細なことですが──
例えば、給食の配膳
うちのワゴンと一緒に、隣クラスの分も運ぶとかね

他にも、会議前に根回しをしておきます
自分が発言したいことを、園長・副園長、
他クラスの担任などに
事前の打診をしておきます
「こんな内容を伝えたいのだけれど、
 伝わりやすい言い回しはないですか?」
など、巻き込んでおくのです(言い方よ…笑)

保育の中でも、
事前に自分がやろうとしていることを伝えつつ、
実際の保育の中で「難しそう」と感じたら、
やり方をその場で変えます

“目的”に合わせて、
やり方は柔軟に選択していくのです

私は、仕事をサッカーに例えて考えます

サッカーは、11人が同じ目的=ゴールを目指します
11人の誰が得点を決めたって良い
ただし、それぞれが好き放題にプレーしていたら、
得点するのは難しい
各々が、その時、その場で最適な選択をする必要があります

引用:『アオアシ』©︎小林有吾/小学館

もし”空気を読む”ようなことをして、
選手全員が同じ場所に集まって動いていたら、
チームは穴だらけになる
大事なのは「味方がどこにいて欲しいか」
「自分がどこでプレーすれば
 チームにとってベストか」を考えることです

だから時には、
同僚がパスを欲しがっていても、
反感を買ってでもドリブルしなきゃいけない場面がある
目的は、気持ちよくパスを回すことじゃない
ゴールを決めることなんです

保育も同じ
目的は「子どもと保護者に最善の利益を届けること」です
同僚の“空気を読む”のは、それが適している場合です

さて、まとめに入る前に、
ひとつ大きな釘を刺しておきましょう
※猛毒注意⚠️

私は、“空気を読む”ことは
大事だと考えています
それは、仕事が円滑に進む上で、
必要な場面に注力したり、
相互的に協力するためにです

ただ、大きな勘違いをしている人も
少なからずいると思っています
それは”空気を読ませよう”とする人たちです

例えば、冒頭に登場した先輩は、
私も運動会の準備に携わることを、
暗に求めていたわけです

もしかすると、
「それは当然」と感じた人もいるかも知れません

ですが、先輩といえど私と立場は同等です
園長でも副園長でもないのですから、
先輩には業務命令をする権限はありません
それは「越権行為」というものです
明確なルール違反です

先輩・後輩であっても、
職位が同じである以上は対等です
そこに「年齢による上下関係がある」
というのは思い込みです
さらに“空気を読む”ことを求めて良いと、
勘違いしている人がいるようです

“空気”を読むのは、
あくまで自分からの配慮です
それを相手に求めてはなりません
加えて、職位を越えた要求をするのは、
社会人として間違っています

これは、組織の一員として働く以上、
常に心しておくものです

ここではきつい言い方をしましたが、
誤解されやすい部分だからこそ、
あえて強くお伝えしておきます

キツキ
キツキ

ふぇ〜、ちゃんと空気読んでたんですね
ただの傍若無人じゃなかったんだー

猫月
猫月

そうだよ
あれこれ考えてるし、
事前の根回しだってしてる

キツキ
キツキ

私たちはハラハラしてましたよ!
正しいこと言ってるんだろうけれど、
反抗的な態度に見えちゃって!!

猫月
猫月

キツキ…君ももう少し
“空気を読んだ”言葉選びが
できると良いねぇ…(言わんけど)

空気は常に読む
──それが組織で仕事をするということ
ただし、最優先は“目的”です

保育園で言えば、
子どもと保護者に「最善の利益」を提供すること
同僚の空気を優先して、
そのゴールが遠のくなら、
それはプロとしての責任放棄に等しいでしょう

だから私は、空気を読みながらも
舵を“目的”に向けて握り続けます
サッカーでいえば、
気持ちよくパスを回すことじゃない
ゴールを決めることが最優先なんです

同僚の“空気”を読むことよりも、
子どもの笑顔が見られる方が、
気持ちよく仕事ができますからね♪

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