絵本語り「あかちゃんがわらうから」

※記事内に広告を含む可能性があります
※記事内に広告を含む可能性があります
たのしい絵本

こんにゃちは、猫月です😸

子育てをしていると、
子どもの成長に嬉しくなると同時に
「この先、世の中はどうなっていくのだろう…」
と心配になることもあります

特に昨今は、
異常気象や地震などの災害
社会情勢の変化
不透明な経済状況など

ちょっと悲観的な報道を目にしますしね。

今回は、
ちょっと育児で不安になったときに読んで欲しい絵本を紹介します。

あかちゃんがわらうから
著:おーなり由子
版:ブロンズ新社

かあさんはよわい

かあさんは よわい
ときどきすごく よわくなる
おちちをあげながら
不安はあちこちから こぼれおちてくる
かなしいニュースを見るたびに
世界は どしゃぶりのように感じられ
未来は どこまでも
はいいろの雲で いっぱいで―

子どもが愛おしければ 愛おしいほど
世の中にあふれている情報が
大きな波のように押し寄せてくることがあります

それは
遠い外国であったり
生まれた国であったり
身近な街であったり…

私は娘が生まれた年に東日本大震災が起こりました

これは2011年3月13日の駅での時刻表示です
そもそも列車が運行するのかも不透明で
表示されている列車も来るかどうかは未定
出勤しても帰りには止まっているかも知れない
という状況でした

こういう出来事があると
どうしたって
世界は土砂降りのように感じられてしまいます

母親だけでなく父親も悲嘆に暮れてしまいます

でも、そんなとき――

ぶあっくしょん

おおきな へんてこなくしゃみ

あかちゃんから
おとなみたいな おおきなくしゃみが出て

わたしは 正気にかえる

子どもの命の強さというんですかね😊

悲嘆にくれる親の前で
大きくて元気なくしゃみをひとつ
「ぼくは、元気だぞ!」
と主張するようですよね

そして、お母さんは気付くのです

そうだった――
世界は いつだって はじまったばかり

うまれてきたこどもたちは いう

「これから生きていく世界を
 ひどいと 決めつけないでよ!」
「ぼくらを よわいと 決めつけないでよ!」

以前、谷川俊太郎さんの『子どもたちの遺言』をご紹介しましたが、
『あかちゃんがわらうから』でも、
子どもたちの命のエネルギーをひしひしと感じます。

子どもは、可能性の塊です
むしろ、可能性しかない😊

大人たちが将来を悲観する想いも
その笑顔や行動で吹き飛ばしてしまいます😆

たしかに悲観するような事件もあるんだけれど、
でも、私たちだって、
いろいろな困難を乗り越えて、
こうして今、親として、保育士として
子どもと向き合うことができているじゃないですか

「子どもたちは、どんな困難も切り開ける」
そういう信頼こそが、
大人が子どもに抱く想いなのかもしれません。

やわらかい ちいさい手

絵本の終盤、
子どもの小さな手が
お母さんの指を握ぎります
お母さんを抱きしめます

おーなり由子さんの言葉です。

こどもたちがいると、どんな場所でも、
そこだけがあかるく見えるのが、とてもふしぎです。
あれはなんだろう――と、時々思うのです。
きのうや明日ではなく、
“今”だけを、さわって、愛して、わらっている――
だから、あんなにひかるのでしょうか。

あかちゃんがわらう時、
おかあさんはみんな、
ひかりをだっこしているように見えるのです。

巻末文より

大人は経験があるだけ、
暗い出来事があると、
将来にも同じような暗闇が広がるのでは
そんな不安を抱いてしまいます

生まれて間もない子どもたちには、
命の輝きがあふれているだけで
これから先の暗闇など見えていません。
本来、暗闇など見えないのです。

子どもたちの未来は輝かしい
だからこそ、大人も手を携え、
その光に溢れた時間を一緒に過ごしていく

『あかちゃんがわらうから』
そんな風に思える、一冊でした。

同じく、生命力にあふれる
ももんちゃんを描いた絵本

世の中が良くなっているのか、悪くなっているのか
データで解説してくれる
『FACTFULNESS(ファクトフルネス)』

ぜひ、ご一読いただけたらと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました