なんだろう?“保育所保育指針”【保育所の社会的責任】

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なんだろう?保育所保育指針

こんにゃちは🐈、猫月だんくるおすてうすです。

今回は、保育園を利用している子どもたち、その保護者、
また働く保育者に関わる重要なもの
“保育所保育指針”についてお話ししていきます。

保護者の方の中には、
「“保育所保育指針”って、何?😲」
と思う方もいらっしゃるかも知れません。

保育士の方も、
「保育所保育指針…あー指針ね。ウマいよね、指針😅」
と苦手意識のある方もいらっしゃるかも知れませんね(笑)

簡単に言うと、
厚生労働省が定めている
「保育園及び保育士が、
 子どもを保育することについて、
 また保護者を支援することについての、
 具体的な指針」

のことです。

保育士も、
保護者に保育所保育指針について
保護者や子どもたちに説明する機会は、
なかなか無いのが現状だと思います。

ということで、
保育所保育指針の内容について触れつつ、
私はどう保育を心懸けているかについて
お話ししていきたいと思っております。

以前、
保育所保育指針の総則
「1:保育所保育に関する基本原則(1)保育所の役割」

の記事を書きましたので、こちらも読んでいただけるとありがたいです。

それを前提にして、今回は、
第1章 総則
 1:保育所保育に関する基本原則
 (5)保育所の社会的責任

についてお話ししていきます。

保育所の社会的責任

まず、保育所保育指針(以下、保育指針)では
どのように記載されているかをご紹介します。

(5)保育所の社会的責任
 保育所は、子どもの人権に十分配慮するとともに、子ども一人一人の人格を尊重して保育を行わなければならない。
 保育所は、地域社会との交流や連携を図り、保護者や地域社会に、当該保育所が行う保育の内容を適切に説明するよう努めなければならない。
 保育所は、入所する子ども等の個人情報を適切に取り扱うとともに、保護者の苦情などに対し、その解決を図るよう努めなければならない。

保育所保育指針 第1章総則(5)保育所の社会的責任

保育園は、生活で最も身近な児童福祉施設です。

通っている園児だけでなく、
子育て世帯や地域社会に対しても、
保育の専門性を以て、
「地域の共有財産」として
役割を果たしていくことが求められています。

その社会的な責任や、遵守すべき事項として記載されているのが、この項になります。
子どもの人権を尊重すること
地域の中で保育の責務を果たすこと
個人情報の保護(但し、児童虐待防止法に基づく通告が優先される)

簡単にいってしまえば、
「法律やルールをしっかり守って、地域の一員として保育をしてね👍」
ということですね。

子どもの人権

保育士のみなさんは、児童憲章はご存じですね?(笑)
(こっそり、ここで復習するのはありだと思いますよw)

われらは、日本国憲法の精神にしたがい、児童に対する正しい観念を確立し、すべての児童の幸福をはかるために、この憲章を定める
児童は、人として尊ばれる。
児童は、社会の一員として重んぜられる。
児童は、よい環境の中で育てられる。

 すべての児童は、心身ともに健やかにうまれ、育てられ、その生活を保障される。
 すべての児童は、家庭で、正しい愛情と知識と技術をもって育てられ、家庭に恵まれない児童には、これにかわる環境が与えられる。
 すべての児童は、適当な栄養と住居と被服が与えられ、また、疾病と災害からまもられる。
 すべての児童は、個性と能力に応じて教育され、社会の一員としての責任を自主的に果たすように、みちびかれる。
 すべての児童は、自然を愛し、科学と芸術を尊ぶように、みちびかれ、また、道徳的心情がつちかわれる。
 すべての児童は、就学のみちを確保され、また、十分に整つた教育の施設を用意される。
 すべての児童は、職業指導を受ける機会が与えられる。
 すべての児童は、その労働において、心身の発育が阻害されず、教育を受ける機会が失われず、また、児童としての生活がさまたげられないように、十分に保護される。
 すべての児童は、よい遊び場と文化財を用意され、悪い環境からまもられる。
 すべての児童は、虐待・酷使・放任その他不当な取扱からまもられる。あやまちをおかした児童は、適切に保護指導される。
十一 すべての児童は、身体が不自由な場合、または精神の機能が不充分な場合に、適切な治療と教育と保護が与えられる。
十二 すべての児童は、愛とまことによつて結ばれ、よい国民として人類の平和と文化に貢献するように、みちびかれる。

文部科学省「児童憲章」より

全文を覚えるのは難しいでしょうから、
定期的に読み返して、
自分たちの保育が児童憲章に則っているか
振り返ることが大事だと思います。

ただ、昭和26年(1951年)に制定されているので、
時代に合った柔軟性を持って保育に反映させることも忘れないようにしたいですね。

私は、子どもの人権が大事にされているかを振り返るとき、
「その保育は、“子どもの都合”か“大人の都合”か」を考えるようにしています。

例えば、誕生会
誕生日は、どの子にも一年に一度の大切な日ですから、
お祝いをするのは大事なことだと思います。
園によっては、
全園児が集まって誕生月の子をお祝いする誕生会を催すことがありますね。

これは個人的な意見ですが、
就学前の子が、大勢に注目されるって、
自分から希望するものでしょうか?🤔
また、集会の間、じっと座っている子たちも、
進んででそのようにしているのでしょうか?

「誕生会を催したいのは、誰ですか?」

誕生会に限った話ではありません。
未満児の制作活動で、
よく、足形や手形を利用して作品にしているものがありますが、
仕上げているのは、保育士ではありませんか?
その作品を見て喜んでいるのは、誰でしょうか
その制作で、子どもはどんな達成感や成長を得ていますか

「その保育の軸には、誰がいますか?」

しっかりとした“作品”を未満児が仕上げるって、現実的ではないですよね。
そう考えると、未満児の制作って、
どう取り組むのが子どもの主体性に繋がるのでしょう

保育の主人公は、子どもであるか
その視点だけは、忘れずにいたいと思います。

地域社会の一員

公立にしろ私立にしろ、保育園は“児童福祉施設”です。

園児と保護者だけではなく、公共機関なのです。
就学へ向けての小学校との連携だけでなく、
児童・生徒の体験学習を受け入れたり、
高齢者との交流を図ったり、
子育て広場などを実施したり、
様々な役割を発揮することが求められています。

また、保育園の活動が分かりやすいように公開されることが望ましいともされています。
いわゆる“ガラス張り”というやつです。

哀しいことに、
時々保育園内での虐待行為が報道されることがありますね😭
地域に開かれた保育園であれば、
そんな事件は起こりようもないはずなのです。
常に、誰に見られてもはばかることのない保育を行っているわけですから。

もし、あなたが
「今日は来客があるから」
と意気込む日があるのだとしたら、
それはすでに黄色信号が点っているのかも知れませんよ?

保育園に限った話ではありませんが、
“三方良し”を意識することです。
三方良しとは、
自分良し(保育士・保育園)
相手良し(子ども・保護者)
世間良し(地域社会)

の三方、全員が満足するということです。

もちろん、できることには限りがありますから、
保育園ができる範囲で、役割を果たしていくことを考えていきたいですね。

個人情報の保護

これはもう言わずもがななのですが…😓
保育士は「良かれ」で個人情報を漏らしてしまいがち
という自覚はありますか?

例えば、
「今日、○○ちゃんお休み?」と子どもに訊かれたとします。
「そうなの、○○ちゃんお熱なんだって。早く治ると良いね」
なんて答えたりしていませんか?💦
大人だって、休暇の理由は不問なんですよ。
(なぜか理由を聞きたがる職場はありますが、法律違反です🙅)
子どもだって同じです。
しかも、病状を知らせるなんて、以ての外です。
こういうと気分を悪くされるかも知れませんが、
「友だちが病気の時は、早く治るよう願って欲しい」は、
大人の願望に過ぎません。
保育士の欲です。
答えるなら「そうだね、お休みだね」の事実だけで十分。

さらに怖いのは、うっかり保護者の勤務先を、他の保護者に話してしまうこと。
保護者会などで、
「○○さんは先生ですから、学校でも同じようなことありませんか?」
みたいに話を振ってしまう。
いやいや、それも個人情報ですよ💦
保護者同士で自分の職業や勤め先を話すのはともかく、
保育士が“職務上知り得た情報”を、勝手に話してはいけません!

以前、先輩と保護者の会話で気になったのが、
「私も保育士の前は□□(某大手企業)に勤めてたんですよー」
というもの…。
世間話のつもりだったのでしょうけれど、
それ、自分の経歴を話しているつもりで、
保護者の勤め先をバラしてますからね?🙅
送迎時は他の保護者もいますから、
世間話の内容にも配慮が必要だなと感じました。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
「保育所の社会的責任」というと、ちょっと堅く感じますが、
法律に基づいて働くのは、どの職種に就いても同じことです。
社会人ですからね。
ただ、周囲に接しているのが子どもなので、
“人権”“守秘義務”などについて、
「相手は子ども」と緩んでしまう保育者がいるのも、また事実。
子どもでも大人でも、尊重される個人という根幹は忘れないようにしましょう。

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