独断と偏見おすすめ図書【子どもたちの遺言】

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たのしい絵本

こんにゃちは、猫月だんくるおすてうすです。

私の独断と偏見で皆様におすすめをするレビューです🤗

今回は一冊の詩集を紹介します。

【子どもたちの遺言】
詩 :谷川 俊太郎
写真:田淵 章三
出版:佼成出版社

センセーショナルなタイトルですが、
谷川俊太郎さんの重厚な詩と、
田淵章三さんの生命力に富んだ写真。

子どもと関わっている方であれば、
この本の魅力にどっぷり浸かっていただけると思います。

内容紹介

この本は、
谷川俊太郎さんの詩と、
田淵章三さんの写真
によって構成されています。

登場する子どもは、
まだへその緒の付いた新生児
座位を保てるようになった乳児
成長著しい幼児
全力で駆け抜ける小学生
心身の成長に揺れ動く思春期の少年少女
成人を迎える青年など

0歳から20歳までの様々な時期を過ごす、
”いま”を懸命にひたむきに生きる彼らです。

12本の詩と、
生命感あふれる写真で描かれる、
「子どもたち」の姿。

ぎゅっと詰め込まれた、詩集です。

“遺言”

この詩集は、
当初は谷川さんから子どもたちへの遺言を書く
という発想だったそうです。

ですが、谷川さんは、

私はむしろ死に近づきつつある大人よりも、
まだ死からはるかに遠い子どもが
大人に向かって遺言するほうが、
この時代では切実ではないかと思って、
発想を逆転させた。
生まれたばかりの赤ん坊に遺言されるような
危うい時代に私たちは生きている、
そう感じているのは私だけだろうか。

と、巻末文に寄せています。

一つ一つの詩に込められた、
“子どもたちの遺言”

私たち大人は、
その詩と、写真に感動するだけではなく、
時代を担っている“大人”として、
子どもたちと、彼らを取り巻く環境を、
今一度見つめ直す必要があるのでしょう。

腰のあたりが少し重い。

田淵さんも巻末文を寄せられています。

タイトルは「僕のスタイル」

一部を抜粋引用させていただきます。

子どもたちを撮るとき、僕は心がけていることが二つある。
ひとつは、子どもたちと正面から本気で向き合う、ということ。
本気で笑い本気で怒る。
かけずりまわり、からだ全体を使っておどけて、遊ぶ。
腹の底から声を……。
体力がいるのだ。
そして、もうひとつは、
逆に、傍観者に徹する、ということ。
気づかれないように、
空気のようにふわっとそばにいて、
ただただシャッターを押すのみ。
ピンと張りつめた緊張感のなかで不自然な姿勢をとり続けたりする。

この姿勢って、
「保育士も自分たちに求めている物と同じだなぁ」
と共感しました。

いや、田淵さんは私よりもずっと先輩なので、
そういう方が“子どもらしさ”を引き出すために、
ここを心懸けていらっしゃる。
しかも、カメラマンとして。

保育士は、田淵さん以上に
「腰が重い」
なんて言っていられないと、
背筋が伸びる思いです。

そうやって撮られた一枚一枚の写真は、
本当に子どもたちの生命力があふれ出ています。

実のところ、載せられている写真の一枚を見て、
この本を選択したんです。
一目惚れですね💕

どの写真かは、本を読んでいただければ、分かるんじゃないかなー😄

“子どもたち”と向き合えているか

谷川さんは1931年生まれ
この本の初版は2009年だが、
それにしたってここまで鋭敏に子どもたちの思いを、
詩として現せるものだろうか。

いま、目の前の子どもたちと接している我々は、
ここまでの共感性を持っているのだろうか。

勿論、詩の巨匠“谷川俊太郎”である。

私たち一介の保育士が、
言葉での表現で敵うはずはない。

ただ、目の前の子どもを見る“目”は、
詩人よりも勝るものでありたいとは思う。

谷川さんは
生まれたばかりの赤ん坊に遺言されるような
 危うい時代に私たちは生きている

と仰っている。

私たち保育士や教育者は、
それを覆すような保育や教育を、
子どもたちに提供していかなければならない。

子どもたちの20年後を、
“危うい時代”にさせないためにも、
彼らの生きる力を引き出していかなければならない。

現代を生きる大人の全員がその責任を負っているが、
その中でも日々子どもと関わる保育士教師は、
その責務はさらに重いと思う。

田淵さんのような写真は撮れないにしても、
田淵さん以上に
子どもたちの“活き活きとした姿”は引き出せるはず。

そして、その姿を保護者に伝えることも、
保育士の勤めである。

と言うか、それをやれるから保育士をやっているのだ。

この本を読んで、感動している場合ではない。

この本以上に、子どもと保護者を感動させなければ、
保育士としてのポリシーに関わる。

20歳で人生は半分を終えている

突然ですが、“ジャネーの法則”ってご存知ですか?

(ぼる塾じゃありませんよ?)
(それ、「まぁね~」だから👋)

細かい説明は省きますが、
0~20歳までの体感時間と20~100歳までの体感時間は、ほぼ同じ
だそうです。

つまり、80歳まで生きたとして、
20歳で人生折り返しなんです。

この本で登場する子どもたちは、0~20歳です。
つまり、この時代を充実して生きていくことは、
人生に於いて重要なことです。

「子どもだから」とか
「まだまだ若いんだから」
なんて言葉で片付けて良い時間ではありません。

20歳までの時間を、どれだけ充実して過ごせるか。
それは、人生の課題の一つとすら言えます。

では、20歳を過ぎたらもうあとは老いていくだけ?😭

そんなことはありません。

大事なのは、日常を充実させること。

経験の少ない20歳未満の人たちは、
新たな経験で充実感を得ているのです。

「今週は短かったなぁ」
と感じることありませんか。

それ、充実してなかったってことです。

刺激的な出来事があると、時間は長く感じます。

子どもたちに充実感を感じてもらえるような日々を過ごしていれば、
あなたの時間も充実していくはず。
老いを置いていく
ぐらいの日々を過ごしたいですね。

余談でした😜

「子どもたちの遺言」は、
絵本とはちょっと毛色が違いますが、
素晴らしい一冊である
と私は言い切れます。

目の前の子どもたちだけでなく、
これまでの自分を振り返る意味でも、
開いて欲しい本です。

あなたの人生に響く一冊であればと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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