こんにゃちは、猫月だんくるおすてうすです。
質問をいただきました。
2歳児を担任しています。
活動前の導入やお昼寝の前に
絵本や紙芝居を読むのですが、
立ち歩く子や喋る子がいて、
全員を惹きつけることができません。
聞いている子は気が散り、
他にも立ち歩く子が出てきてしまうのですが、
惹きつけるコツはありますか
ぶっちゃけてしまうと、
2歳児全員を一度に惹きつけるのは、相当に難しいです(笑)
2歳児の姿を想像していただければ、
「そりゃそうだよね」となるかと🤣
それでも、工夫する余地はあります。
今回は、私が絵本の読み聞かせの時に心懸けていることについてお話していきます。
読み聞かせをする環境
まずは、絵本の読み聞かせをする環境の話です。
次の画像をご覧ください。
ふたつのりんごがあります🍎
左のりんごと、右のりんご、
どちらが見やすいですか?👀
視界に入ってきた情報を、
抽出して“注目”するというのは、高度な機能です。
余計な情報を遮断して、必要な情報だけを視る
子どもには、なかなかハードな技術なんですよ。
ということで、
子どもが絵本を見る際に注目しやすいのは
左の環境と右の環境、どちらでしょうか?
完璧な環境を用意するのは難しいでしょうが、
できるだけ近づけることはできると思います。
保育士と子どもたちの座る位置を変えるとか、だけでもね😊
絵本を読む前に
私は「絵本は落語のようなもの」と考えています。
落語には定番の噺があります。
『寿限無』や『初天神』、『化け物使い』などは、絵本にもなっていますね。
落語家は、こうした誰もが知っている“古典落語”を、
自分の技術で表現して人々を楽しませます。
絵本も、同様だと思うのです。
物語の筋は決まっていますが、
読み方は読み手に委ねられています。
そしてもうひとつ、
落語家は噺の本編に入る前に“枕”というものがあります。
最近の出来事など素話から始め、
小話などを織り交ぜながら、
本編へと入っていくのが“枕”です。
絵本を読むときも、この“枕”があると思います。
素話をしたり、手遊びをしたり、
子どもたちが絵本に深くは入れるよう、門を開く作業です。
例えば、
『わにのバルボンさん』を読むなら、
手遊びの『ワニのかぞく』をする。
『おばけのてんぷら』を読むなら、
「昨日お買い物に行ったら、ニンジン🥕が売ってたの」
「ニンジンが好きな動物がいたなーって」
「そうだね、ウサギさん🐰だねー」
と、素話から興味を引き出す。
子どもたちが座って、保育士に注目するまで待つというのは、
なかなかに難しいことです。
大人だって、会議中も隙あらば雑談するくらいです。
ですが、「これから、面白いことが始まりそう」と
期待があれば、自然と注目しますよね。
そういう期待感を持てるように、
“枕”が大事だと思うのです。
立ち歩く子・喋る子がいたら
絵本がつまらなくて、立ち歩く子や喋る子がいるとします。
子どもからしたら、つまらない=そこにいる意義がないわけですから、
そういう反応は、ごく自然なことです。
大人だって、面白くない時間を過ごすのは苦痛ですよね。
立ち歩いたり、喋ったりするのは、当たり前です。
ただ、ここで気を付けたいのは、
そういった子どもを注意することです。
ヒトには、注目されたいという本能があります。
未熟児状態で生まれてくるヒトは、
誰かの注目がなければ死んでしまいますから。
だから、褒められるにしろ怒られるにしろ、
「注目される」ことは“好子”(望ましい事)になります。
「読み聞かせの時間に立ち歩く・喋ると、注目される」
その経験を繰り返すと、絵本が面白かったとしても、
注目される心地良さの方が、子どもの中で優先されるようになっていきます。
では、どうするか。
絵本を聞いている子たちに専念することです。
せっかく絵本を楽しんでいるのに、
大人が注意のために話を中断したら、どっちらけ😩です。
読み聞かせの時間がつまらないものに変わってしまいます。
よほど危険な行為でもない限り、
(危ない行為だとしたら注目せずに制止して)
最後まで子どもたちの期待に応えることを優先します。
注目するのは、絵本の楽しさです🤗
全員参加にこだわらない
そもそも2歳児ですから、
全員が揃って絵本を楽しむのは難しいです。
もちろん、みんなが楽しめればそれに越したことはありません。
ただし、前提として「見ない子がいても良い」くらいのスタンスでいることが、
読み聞かせの時間に余裕と、ゆるやかな時間を生むと思います。
絵本は、のんびり楽しむものです。
大人に強いられて緊張する時間であったら、
そもそもどんな作品を持ってこようと、
絵本は楽しくないものになってしまうでしょう。
つまりは、絵本に限らず、
子どもたちが過ごす環境をどう整えるかが重要なのです。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
絵本というのは、
それだけで子どもの育ちのきっかけにもなりますし、
育ちと育ちをリンクするものでもあります。
それだけに、“ただ読む”のでは勿体ないです。
とはいえ、大事にしすぎると堅くなりますしねぇ。
“ほどほど”でいるのが、重要なんです。
まずは、保育士自身が絵本を楽しんでください。
その楽しさを子どもたちに届ける、それくらいの心持で良いのかと思います。
いろいろな絵本に触れてみてくださいね🤗
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