絵本語り【はじめてのキャンプ】

※記事内に広告を含む可能性があります
※記事内に広告を含む可能性があります
たのしい絵本

こんにゃちは🐱、猫月だんくるおすてうすです。

キャンプといえば
いつの季節を思い浮かべますか?

私は夏のイメージでしたが
夏は暑くて湿気も高く、
蚊などの虫も多いので、
キャンプには不向きだそうです。
(日本では風物詩の花火も、湿気の多い夏には不向きだとか…。)

ゆるキャン△も、アニメの舞台は秋から冬でしたねー

余計な雑学は横に置いておくとして、

今回ご紹介するのは、

はじめてのキャンプ
作・絵:林明子
版:福音館書店

あらすじ

この絵本の主人公なほちゃんは、
ちっちゃい女の子です。
お隣のともこおばさんは、なほちゃんの友だちです。
なほちゃんがともこおばさんの家へ遊びに行くと、
大きい子たちとキャンプの準備をしています。
そこでなほちゃんも「私も行く!」と宣言するわけです。
みんなといくつかの約束をして、
なほちゃんもキャンプへ行くことになりました。

自分のはじめてのキャンプ

私も幼稚園の年長の時に、初めてキャンプという物に行きました。
(今にして思えば、林間学校?)

佐倉市にある草ぶえの丘で、
幼稚園の年長時が全員一泊二日で過ごしたのです。

陶芸をしたり、
たらいで冷やした野菜を食べたり…
キャンプファイヤーもしたかな?
懐かしいですねぇ。
(陶芸で作ったコップは、家に届くなり落として取っ手を壊し、
 初めてセメダインという物も知りました。)

キャンプとまではいかなくても、
お泊り保育をする保育園はあるかも知れませんね😄

そんな体験もあって、この絵本は印象に残っています。

“なほちゃん”=自分

作中で、
なほちゃんが何歳で
大きい子たちが何歳か
と言う表記はありません。
(ともこおばさんも、20代に見えますね)

これは私の解釈ですが、
なほちゃんは未就学児で、
大きい子たちは小学生の中学年から高学年くらいなのではないでしょうか。
小学生たちからすると、
まだ自分の身の回りの事もあやふやな なほちゃんがキャンプへ同行しても、
正直に言って足手まといなわけです😩

ですが、なほちゃんは懸念された心配事は、
「自分でどうにかする」
と約束して、同行することになりました。
おばさんから持ち物の書かれた紙を受け取った時のなほちゃんは、満面の笑みです。

この絵本を読んでいる子どもたちは、
なほちゃんに自分の姿を重ねられます。

子どもは、精神的には一人前
その反面、身体的ハンデからコンプレックスを持っています

つまり、一人前として認められることが、何よりも嬉しいのです🥰

キャンプに一緒に行けるというのは、ステータスです。
そして、キャンプをする中で奮闘するなほちゃんを見て、
自分の活躍する姿も想像していることでしょう
(実際にキャンプへ行って、活躍するかは別ですよ?)

そうそう、なほちゃんはキャンプに行くことを許されて嬉しそうな顔をするわけですが、

本当に彼女の表情が輝くのは、どの場面だと思いますか?

私は、朝を迎えて顔を洗った時だと思っています。

そこで見せる表情は笑顔ではないものの、
誇らしげで、自分の成長を実感した表情に見えます。

キャンプへ行けるのは、承認欲求の喜びです。

ですが、キャンプを経て自分の成長を感じたのは、自己肯定感でしょう。

と、私はこの絵本を通して感じています。

ちょっと、大きくなれる絵本

この絵本、物語としては、なほちゃんの成長譚ではあるのですが、

読んでいる子どもたちも、
ちょっと成長を実感できる箇所があるのです。

この本には、スピンが付いています。
スピンというのは、本についている しおりになる紐のことですね。

つまり、「つづき」を楽しむことができるのです。

実際には、その日だけで読み切ることもできると思います。
ですが、敢えて「明日に、つづきね」と持ち越すことができます。

それは、読んだ部分を覚えていられるという大人からの信頼です。

そして、読んだ箇所を思い出しながら、
自分で物語の先を想像する力を発揮することもできるということです。

キャンプは、大冒険!

昨今はキャンプブームもあり、
すっかりレジャーの一環ですが、
この絵本の中の面々は、そういう感覚ではないようです。

なほちゃんが準備した荷物だけでも本格的ですが、
ともこおばさんの家から持っていく道具もかなりの大荷物です。

なほちゃんにとって、キャンプとは未知なる環境への挑戦です。

それは、冒険といって差し支えないでしょう。

冒険を題材にした絵本は、数多くあります。
その一方で、ファンタジー要素も多く、
あくまで絵本の中の世界でのお話、でもあります。

「はじめてのキャンプ」は、リアルな冒険譚なのです。
自分と同じ年頃のなほちゃんが、
自分の持てる力をすべて使い、
そしてちょっぴり背伸びをし、
一晩で見違えるように成長する。

日常でありながら、非日常の環境、
それがキャンプとして描かれています。

キャンプくらいで大袈裟な、って?

電気もない
水道もない
ガスもない世界。

十分に、非日常的だと思いませんか?

大人のあなたも、
キャンプ場でもない土地で一晩過ごすことを想像してみてください。
私は、十分に冒険と呼べる経験だと思いますよ。

子どもたちは、キャンプでリアルな冒険を追体験します。
魔法も、
ドラゴンも、
秘密の迷宮も、
隠された財宝も出てきませんが――
この冒険を通して手にする物は、もっと輝かしい物かも知れませんね。

この絵本を読んだ子どもたちが、
私が記したような追体験をするかは、
それまでの経験によるとも思います。

困難さが想像できなければ、
冒険譚にはなり得ませんからね。

ですが、少しでもこの冒険に共感したのであれば、
ぜひその冒険を支えてあげて欲しいな、と思います。
何も、キャンプへ行く必要はありません。
例えば、なほちゃんのように夜に一人でトイレへ行く、とかね?

もしかすると、冒険できないのは、大人の方なのかも知れませんよー?

コメント

タイトルとURLをコピーしました