こんにゃちは、猫月です😺
うちさんのXでのポストに対して具体的な回答をしていきます
今回のテーマは
【「静かに」「話を聞いて」と言わずに、 子どもが話を聞きたくなる
声のかけ方・環境づくりを考えてみましょう。】
です

「子どもが話を聞きたくなる」かぁ
「お話を始めます!」と言っても聞いてくれないし…
猫さんは、結構スルスルっと話し始めますよね?

子どもたちの本音は、大人の話なんて「興味ない」だよw
自分で考えたらどう?
選挙カーの話に「よし聞こう!」って思う?

うわっ、それは確かに聞こうと思ってないやw
でも、保育では聞いてもらわないと困りますよね?

困るのは保育士だよ。子どもたちは困ると思ってないもん
だから話をする時は、面白そうとか楽しそうとか、
話を聞くメリットがあることが大事なのさ
ちょっと「耳の痛い」話をします
話を聞いてもらわないと困るのは、保育士です
そう、話は「聞いてもらう」もの──
聞いてもらえるのは、ありがたいことなんです
この謙虚さがとても大事だと、私は考えています
「子どもは大人の話を聞くもの」と勘違いしていると、
いつまで経っても、子どもから「話を聞こう」とは思ってもらえません
今回は「静かにして」「話を聞いて」──
子どもから話を聞きたくなる工夫や子どもとの向き合い方、
その前に「話を聞いてもらう」謙虚さのお話をします
まずは、現実からお話ししましょう
「話は聞いてもらえないもの」という前提を出発点にします
話を聞いてくれる人は、思っているよりかなり少ない
うちの父は、坊主でした(雇われだったので自分のお寺はありません)
保育園で仕事をしていると、
子どもや保護者に話を聞いてもらおうとあれこれ工夫しても、
実際はなかなか届かない……というのが、私の実感でした
父は坊主ですから、檀家さんなどに説法をします
お坊さんはある意味「話のプロ」なのです
話のプロに聞いてみよう──
「檀家さんって、どのくらい話を聞いてくれるもの?」
そう尋ねると、意外な答えが返ってきました
『そうだなぁ……
説法を聞きに来た人の中で、話を聞いてくれる人が2割
で、ちゃんと理解してくれる人が、その中の2割かな(笑)』
檀家さんは、自分の意思で──説法を聞きたくてお寺に来ます
それでも「理解までしてくれる」は、2割の2割(0.2 × 0.2 = 0.04)
つまり…たったの4%?!
40年以上、説法を続けてきた父の手応えが、こんなものなのです
……ということはですよ
保育士の話なんて、「ほぼ聞いてもらえない」が前提なんじゃないか?
「先生の話は聞くもの」というのは、ただの思い込みで、大きな勘違いだと悟ったのです
この「2割」という感覚は、「人間関係の2:6:2」に近しいものを感じます
・2割:好意的に話を聞いてくれる
・6割:条件が揃えば聞いてくれる
・2割:この瞬間は、どうしたって響かない(個別にフォロー)
──中立の6割の子に「聞きたくなる環境」を作れたら、保育はかなり円滑に進むはず
私は、そういうスタンスで、工夫をするようになりました
では次は、実際に “聞きたくなる環境”をどう作るか
話し方と環境づくりの具体策に触れていきます
猫月の工夫①:落語の「まくら」から始める

子どもたちに話をする時、
先輩たちは、子どもが揃うのを待つことが多いですよね
でも猫さんは、揃う前にスルスルっと話し始めちゃいますよね?

よく見てるね!
積極的に集まってくれた子を大事にしたいのと、
本題に入るまでの“雰囲気作り”をしてるんだよ
子どもの集団に話をする際、
大人の多くは「全員が揃う」ことを大事にすると思います
(で、「みんなが静かになるまで◯分掛かりました!」となりがち)
一方で私は、主題は子どもが揃ってからですが、
子どもが5人も集まったら、もう話を始めます
先ほどの「ポジティブの2割」を大事にする姿勢ですね
そこにはもう一つの意味もあって、
私はこれを、落語で言う「まくら」みたいなものだと思っています
落語に於ける“まくら”はご存知ですか?
噺家さんは、本題に入る前に、世間話などをして観客の空気を温めます
観客の空気をほどきながら、いつの間にか噺の世界へ連れていく
あの“導入の技術”です
(※噺家の段取りや約束事は、『あかね噺』などを読むと雰囲気がつかめて面白いです)
保育でも、いきなり主題に入ると、子どもたちはまだ聞く姿勢が整っていません
まず、子どもの“耳と目”をこちらへ集めたい
そのために「まくら」が大事なのです
ここは、身近な話題で惹きつけることもありますし、
手遊びや歌を使うこともあります
外国籍の子が多いと、歌の力の偉大さを感じますねぇ
(リリンが生み出した文化の極みだよ。そう感じないか?)
まくらを用いている間に、子どもたちが全員揃い、
「なんか、面白いことしてる」と興味が湧いてくる
場の空気が暖まってから、主題に入っていく
次は、本題の伝え方の工夫をお話ししましょう
▶️ あかね噺には、「話を聞いてもらう」技術や心得の参考がたくさんあります!
猫月の工夫②:伝える項目は3つまで
これから園庭へ出るという場面──
あなただったら、子どもにどう伝えますか?
例えば、必要な準備をこう伝えたいところです
「これから園庭へ行くので、◯◯グループさんは、トイレへ行って、ジャンパーと帽子を用意して靴を履いてください」
ですが、私の場合は──
「これから園庭へ行きます」
「最初に、トイレへ行きます」
「〇〇グループさんから来てください」
と伝えます

え?それだと、言葉が足りなくないですか?
子どもたち、混乱しちゃいますよ!!

ここでは、これで十分なんだよ。というか、これが限界なの
トイレが済んだ子に、
「ジャンパーと帽子を用意してね」
「それから靴を履いてね」
と“次の場面で追加”すれば、大丈夫!
この伝え方には、もちろん根拠があります
幼児は、一度に頭の中における情報(ワーキングメモリー)がまだ少ない
だから「今から言われること」を全部まとめて理解するのは難しいのです
発達心理学では、5歳児が理解できるのは、目安として2〜3項目までと言われます
例えば、「園庭で遊ぶよ」という場面で
・これから園庭で遊ぶ
・トイレへ行く
・◯◯グループから
これで3項目、メモリーはもうパンパンッ!です
ここに「ジャンパー」「帽子」「靴」まで加わると、
子どもの理解できる容量を超えてしまいます
大人からすると
「これから園庭へ行くので、◯◯グループさんから、トイレへ行って、ジャンパーと帽子を用意して靴を履いてください」
って、“ひとこと”と捉えてしまいがち
でも実際には、
・園庭
・◯◯グループ
・トイレ
・ジャンパー
・帽子
・靴
と、6項目が含まれていますよね
そして、子どもはこの中から3項目だけ、自分の優先度に合わせて拾います
だから、違うグループなのに行動し始めたり、
トイレへ行かなかったり、
何かアイテムを忘れたりするのです
そんな時に保育士はこう思うのです
「話をちゃんと聞いて!」と
でも、ここは逆で──
“聞ける量”に整えるのが優先です
子どもに話を聞いてもらうためには、
・伝える項目は2つまで(多くても3つ)
・優先事項から伝える(補足は次の場面で)
・聞きもらす子は、必ずいる(先ほどのネガティブの2割は、個別フォロー)
という意識が必須です
5歳児で3項目ですから、もっと小さい年齢なら、さらに情報を絞る必要があるのは想像できますね
加えて、言葉だけでイメージする力も育ち途中
視覚的な情報も添えることで、子どもたちの理解が促せます
実物、絵カード、身振り・手振りと合わせて、ようやく伝わると心掛けています
さらに、子どもが話を聞きやすい環境構成についてもお話ししていきます
▶️ 視覚支援カードは、こんなタイプがあります
猫月の工夫③:話を聞きやすい環境
子どもたちに話をする時、環境構成も重要です
・子どもと保育士の間には、できるだけ何も置かない
・保育士は、できるだけ何もない壁の前に立つ
・子どもが少し顔を上げる位置にいる(距離感も保つ)
・保育士は話している間、全員の顔を見渡す(目を合わせる)
ポイントは「情報ノイズ」を減らすこと
「情報ノイズ」は、できるだけ少なくする
まず、保育士と子どもたちの間はオープンにします。
よく、テーブルに就かせて話をする大人がいますが、テーブルは“見えない壁”になりやすいです
間に物があるだけで、距離感ややり取りのしやすさが変わります
そして、保育士はできるだけ何もない壁の前に立ちます
背後に玩具や装飾があると、子どもの注意がそちらに向きやすい
(だから、壁面装飾は不要なのですが…これはまたどこかで)
これは極端な例として挙げますが…
子どもを卓に就かせて、保育士が絵本の読み聞かせをする中、別の保育士が配膳をする
──なんていうのは、以ての外です!
若干顔を上げると、注目しやすい
顔が上向きになると、心理的にも上向きになります
上向き視線は、ポジティブ思考を促すのだそうです
気持ちが上向きになると、相手の話を聞くことにも前向きになります
大人の言葉が耳に入りやすくなるのです
ただし、距離感を間違えると威圧的になるので、そこは気をつけましょう
全員の顔を見渡す
集団に話しているときは、話しながら子どもたち全員と目を合わせます
これは単純に「あなたに話していますよ」を表すものです
集団に話をしていると、頭の上を言葉が素通りしてしまう子がいます
大人でも、「私には関係ないや」と捉える人っているでしょう
でも、目が合うとどうですか?
(先輩が、「松潤が私に笑ってくれたの!」とライブ後に話す、あの感じw)
子どもに話を聞いてもらうためには、
子どもを“当事者”にすることが大事です
視線やアイコンタクトは、注意や感情反応に影響することが示されていて、
目が合うだけで“自分ごと”になりやすいのです
「私に話をしているんだ」という実感が湧くんですね
だから、全員を見渡して目を合わせることは大事なのです
ちなみに、話を聞いていない子にも視線で知らせます
「今は、話を聞いて欲しいな」を、目だけで伝えるのです
(目は口ほどに物を言う、ってねw)
目線を上げる工夫は、目が合いやすくなる環境でもあります
相乗効果があるわけですね
私は環境構成を整えることで、子どもが無意識に話を聞きやすくなるように仕掛けています
「話を聞いて欲しい」とお願いする立場ですから、”話が聞きやすい場”を提供する
それが、姿勢としても大事だと思います
🎯工夫して、どうなったか
私が1歳児の担任をしていた時の話です
ここまで挙げた3つの工夫を続けてきたことで、ひとつ大きな変化がありました
子どもが話を聞きやすい環境を作っていくと、
私が立つポジションも、自然と決まってきます
「そろそろみんなを集めようかな」と思って、いつもの場所へ向かうと──
子どもたちがニコニコしながら、集まってきて座るんです
(うん、おもちゃは出しっ放しだねーw)
私がそこへ立つと、
「何か面白いことが始まる」
「おやつかな?お外かな?」
「どんなお話するのかな?」
そんな“予感”があるようでした
「静かにして」とも「話を聞いて」とも言わなくても、
子どもたちの側で、もう準備が始まっている
(むしろ「ほらほら、面白いことするんでしょうね?」という圧が…)
保育士の話に“期待”があるって、信頼があってこそだと思うんです
「座らされている」「聞かされている」だったら、
自分たちから集まることはないでしょうからね
路上パフォーマーや実演販売員で、面白い人って「見てください」って言わないんですよね
いきなり始める
通りすがりの人に「おや?」とか「なんだ?」と思わせるのがコツなんですって
ちなみに、私がお話を聞いたパフォーマーは、
目の前でジャグリングを失敗したんです
「次は、成功します!」ってんで、足を止めちゃったんですよね
…この人は食いつきそう、って見定められたのか?!
一人が足を止めると、つられて二人、三人と目を向ける
気がつけば、周囲に人だかりができている
保育士も「話を聞いて」より、
「私、こんなことできますよ」
「こんなお話できますよ」
の方が、子どもの心は惹かれるんだと思います
子どもが話を聞きたくなる工夫、あなたはどんなものが思いつきましたか?
ちなみに私のテッパンは、ミッ◯ーマウスの声マネです!ハハッ🐀
保育を辛くしないためのプチワークに回答しています
#0 プチワークへの猫月の考え方
#1 「片付け」して欲しい時に
#2 「早くして」欲しい時に
▶️ 子どもとの「対話」、どうしたら良いの?

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