仕事を楽に 『仕事の所要時間を見積もる』話

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『仕事の所要時間を見積もる』話のサムネイル。沢渡あまね著「職場の問題地図」参照と記載がある 仕事をラクにしよう

こんにゃちは、猫月です😺

保育園の仕事は、保育ばかりではありませんね
保育日誌を書く
デイリーや月案を作成する
関係機関との連絡をする
様々な事務仕事もあります

ムツキ
ムツキ

猫月さーん、
倉庫のドアが開かなくなったんですけど
教材が取り出せないので、直してくださーい

猫月
猫月

ちょっと待ってて!
今、役所からの電話に対応中だから
終わったら急いで行くよ!!

想定外の作業が発生することもありますね💦

時間には限りがありますから、
仕事は計画的に進めていく必要があります

ところで、計画的に仕事をするには、
それぞれの業務を完了させる
“時間の量”を計算する必要があります

あなたは、「クラス便りを作る」
「制作の準備をする」など
所要時間を見積もっていますか?

初めての仕事ならともかく、
経験したことのある仕事であれば
おおよその時間はわかると思います
もし計算できないのだとしたら、
それは仕事のやり方に問題があるかもしれません

そして、その状態を放置しておくと、
チームの仕事に不具合が出るかもしれませんよ

仕事の進め方といえば、
沢渡あまねさんの出番です!

今回も『職場の問題地図』(技術評論社)を参考にしながら
“仕事の所要時間の見積もり”について
考えていきましょう

まず初めに、「時間にも予算がある」
ということをお話ししておきます

私の職場でいえば、1日8時間労働です
つまり、与えられた時間的予算は8時間
これを超えて仕事をするのは、
「時間の赤字を出した」ということです

お金で考えたら、
予算を超えて業務を成したとしても、
それは職場に損失を出したということですよね

時間でも、それは同じです
「8時間で成果を出す」から、私の仕事には価値がある
プロとして給料をもらうということは、
金銭的にも、時間的にも、
黒字で成果を出すから報酬に繋がるのです

まず“所要時間”がわからなくなる
背景を考えてみましょう

ムツキ
ムツキ

仕事の進め方なんて感覚よ
所要時間なんて意識したことがないし…
そもそも、みんな仕事のやり方も、
所要時間も違うでしょう?

でも、そんな状態で毎日の仕事をしていたら、
どうなってしまうでしょうか

「担当者が休んだら仕事が回らない」
「人によって仕事のスピードや品質が違う」
「誰に聞いたら良いかわからない」
「後任にきちんと引き継げない」

仕事の所要時間を見積もれない職場環境は、
組織として大きな問題です…

経験と感覚頼みの職場には、
“仕事のやり方=業務プロセス”がありません
結果どうにか仕事が終わりさえすれば良い

仕事のやり方がバラバラでも、
誰も問題に思わない
そもそも、同僚のやり方に興味が湧かない
みんなが自己流の仕事に満足し、
自分のやり方が正しいと信じている
人によって仕事の捉え方も、
中身も違うので、
ノウハウが組織に溜まらないまま
目先の仕事だけは回っていく

当然、
「共通の業務プロセスを定義しよう」
「仕事のやり方を改善しよう」
なんてモチベーションは働きようがありません

共通の業務プロセスがない
言い換えれば仕事を進めるための
共通の“箱”(仕事の範囲)がないので、
「仕事の所要時間を見積もる」と言われても
思考停止してしまいます

どこをどう測ったら良いのかがわからない
「ええと…この仕事って、
 どこから始まって、どこが終わりなんだっけ?」
となってしまいます

ムツキ
ムツキ

仕事の始まりと終わりくらいわかるわよ…
制作なら、準備を始めて、
子どもたちができる形になったら終わりよ

猫月
猫月

それは、全員が同じ手順、時間量でできてるかな?
ムツキは理解してても園のみんなはどうだろう

誰が、どの活動に、どれだけ時間をかけているのか
測定不能、比較も不能…
これでは業務改善のしようもありません

博士が提唱したPDCAサイクルは有名ですね

事細かな業務マニュアルはなくとも、
せめて共通の“箱”はきちんと定義して、
時間や効率を測定できるようにしておきたいものです

部下に仕事をお願いしたくて、
所要時間を見積もってもらいたい上司
しかし、部下からは明確な答えが返ってこない

「とりあえず、早い方が良いから、
 今日中にやってもらおう」
実態がよく分からないから、
上司の都合だけで話が進む

とりあえず、気合と根性で何とかしているから、
今回も何とかなるだろう

それが繰り返され、
どんどんと新しい仕事が積み重なり、
常にアップアップ…

園長:
「とにかく、仕事がいっぱいで余裕がないんです。
 これ以上仕事を増やさないでください
 または人を増やしてください!」
管理者:
「いっぱいって、どのくらい?
 対応件数や対応時間を教えてもらえる?」
園長:
「……とにかく、大変なんです」
管理者:
「う~ん。それじゃ、上に大変さを説明できないよ」

現場の大変さが伝わらないのは、
所要時間や業務量を定量的に示すことができないから
結果、仕事の無限増殖を招いていくのです

人によって、箱の捉え方も違えば、やり方も違う
そんな状態では、他人と横並びして
仕事の効率や速度を比較できません

比較対象がない
即ち「自分の仕事の効率が良いのか、悪いのか」を
相対的に判断しようがないのです

チームのメンバーの誰かが
せっかく良いノウハウを持っていても、
その人にしか通用しない
いつまでたっても
個人個人の仕事のやり方が改善されない

その結果、業務効率もスピードも上がらないままになるのです

仕事の所要時間を見積もれるようにするには
どうすれば良いでしょうか?

まず、業務プロセスを決める必要があります
それには、共通の“箱”を定義するのです
箱があることで、
その仕事の始まりと終わりがはっきりし、
所要時間を測定できるようになります

仕事の一つ一つ箱を、
5つの要素に沿って定義してみましょう

沢渡あまねさんが解説する「仕事の5つの要素」と関連性について解説しています

②インプット が ③成果物 に変わるまでの時間が、⑤所要時間 です
この⑤を測定するのです

このとき、その仕事が
「一時作業」か「繰り返し作業」かによって
アプローチが異なります

かかった時間を実績値として記録します
そして、似たような仕事が発生したときに、
5つの要素をもとに実績所要時間を説明できるようにしておきます

作業者全員の所要時間を毎回記録し、分析します
そして、標準所要時間や目標所要時間を設定し、
優れたやり方をチーム全体のやり方に横展開するなど、
改善活動につなげます

ここで設定した標準所要時間や目標所要時間は、
「私たちは、どの仕事を、どのレベルで頑張るべきか?」
を示す、チームの指針にもなります

一時作業を依頼されたとき、
成果物の選択肢を相手に示せると重宝されます
「松竹梅」オプションを提案できたら理想的ですね

松竹梅は、相手のためだけならず、
自分の仕事も楽になります

例えば、私が心掛けていることで言うと
会議でレジメが必要になった場合に、
・資料のボリュームは:
 B4、A4、A5、どのサイズが適量か
・資料のイメージは:
 すべて事前に記載しておく?
 自分で記入してもらう?
といったことを園長に諮ります
『A4サイズで、事前に記載しておいて』となれば
「1時間でラフを作成してきます」と回答できるわけです

相手のメリット
・成果物をイメージしやすい
・判断に時間がかからない
自分のメリット
・作業効率が良い
 (すでに経験し、パッケージ化された作業をこなすだけ)

松竹梅を提案できるかどうかは、
一見、個人スキルの問題に思いがちです
しかし、これこそ組織の業務プロセスがあっての賜物
業務プロセスがきちんと定義されていて、
効率やスピードを測定できていて、
過去の仕事が知識化されているからこそ成せる業です
チームで取り組みましょう
そもそも、仕事を受けるたびに毎回イチから考えていたら、
残業はいつまで経っても無くなりません!

「仕事の量」を理解するために、
“箱”をイメージするのです
箱が大きければ、必要な時間も増えるし、
箱が小さければ、その仕事は早々に片付けられる
それがわかると、「これは今日中に終わらせられる」と
仕事の優先順位も変わりますよね

まずは、日常の仕事がどのくらいで終わるのか、
自分で測定してみてください
その日の保育日誌
1冊の連絡帳
午睡の布団上げ
測れる仕事はたくさんあるはずです
そして、それを同僚と共有する
そうすれば、「私たちに必要な時間」がわかります

私はこれを保育に応用しました
記事は一例ですが、
保育での子どもの所要時間を測って、
子どもたちに還元したのです

まずは試してみてください
やっているうちに、なれてくると思います

「彼を知り己を知れば、百戦危うからず」(孫子の兵法)
なんちゃってw

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