こんにゃちは、猫月です😺
この記事を書いているのは6月半ばー
クラスも本格的に動き出して、
5歳児は、行事などで活躍する場面も増えているでしょうか
私の保育園では、夏のお祭りやプール遊びに向けて、
年長クラスが準備を進めています

みんな、もう立派なお兄さん・お姉さんですよね〜
身の回りのことはだいたい自分でできるようになってきました
でも、これから先はどんなふうに“自立”していくんでしょうか?

保育園でも”年長さん”だから、活躍も期待されているよね
就学も視野に入るから、字が書けるとか数字が読めるとかも意識するんだけど、
私たちが届けたいのは「困ったとき、自分で考えて動ける力」だと思ってるんだ
小学校に行ってからも、そしてその先の社会に出てからも、
いろいろな場面に遭遇します。その中には“困る”こともあるでしょう
そんな時に、自分の中で整理したり、誰かに頼ったりできることー
「暮らしの知恵」みたいな力を、あそびや日常の中で経験できたら…って思うんです
今日は、5歳児の保育の中で
“体験してもらいたい”日常の場面をご紹介していきます
「こんな時どうする?」を子どもが判断できるようになるため、
大人がどう配慮していくことが望ましいかを、あなたも考えてみてください
▶️ ランドセル対応のレインスーツは、夜間反射が安心です
☔雨の日散歩:傘をさすと、世界がちょっと違って見える
「今日は雨だから一日お部屋だね〜」
雨の日の保育は、保育室や遊戯室で過ごすのが定番ですよね
それでも、あえて傘を持って外に出ることがあります
5歳児にとって、「雨の日に歩く」というのは意外と貴重な体験
傘で視界が狭くなる、
地面が滑りやすい、
車の音が響いて聞こえる──
いつもの散歩コースが、まるで別の世界のように感じられるんです
最初は「ぬれる〜!」と大騒ぎでも、
「傘をこっちに傾けたらいいよ」
「ここに水たまりがあるよー!」と、
自分たちで考えながら歩く姿が見られます
実は、5歳児でも「傘をさしたことがない」子がいます
自転車通園だと、チャイルドシートに座ったままですし、
荷物があるから手が空くようにとレインコートでくる子もいます
こういう“何気ない”未経験が、子どもの生活にはあるのです
この体験で子どもたちは、
「天気によって気をつけることが変わる」
という暮らしの基本を、身体で覚えていきます
保育士としては“安全に”保育することが大前提ですが、
「じゃあ、その安全を子ども自身がどうやって身につけていくのか?」
という視点も大切にしたいところです
“安全”と“危険”を体験することで、
たとえば、コンクリート面は滑りやすいんだ、アスファルトを歩こうとか、
歩道の端を歩かないと、傘が通り過ぎる自転車とぶつかりそうになるんだとか、
「こういう場面でやらなきゃいけないこと」や
「やっちゃいけないこと」などを学んでいくものです
5歳児になったからこそ、経験できることもあるのです
「自分の安全は自分で守る」という意識の芽生えにつながる体験として、
あえて雨の日に散歩に出掛けています
🚨子ども110番探し:困ったとき、どこに助けを求める?
「子ども110番の家」は、ご存知ですか?
犯罪や危険を感じたときに、子どもが助けを求めて駆け込むことができる場所です
民家や商店などが協力してくれていますね
街中でステッカーなどを見かけたことがあるかもしれません
でも、いざという時、
子ども110番が“どこにあるか”を、子どもたちは知っていますか
私たち大人もちゃんと把握しているでしょうか?
「あの辺にあった気がする…」程度では、緊急時には役に立ちません
「普段から知っておくこと」が、いざという時に子どもを守る力になる──。
そんな思いから、ある日の散歩で「子ども110番の家探し」をすることにしました
保育士が「これ、なんのマークか知ってる?」と指さしたのは、
コンビニの入口にある黄色いステッカー
すると、一人の子が
「これ、おばあちゃんちの近くにもあるよ!」と応えてくれました
“子ども110番”という存在は、
実は子どもたちにとって身近なようでいて、
「どんなときに行っていいのか」
「どうやって使うのか」は、
意外と知らないものです
そこで、「もしも道に迷ったら?」
「知らない人に声をかけられたら?」という
“ちょっと怖い”場面を想像しながら、
子どもたちと一緒に歩いてみるんです
最初はふざけながらでも、
「そしたら、ここに入って『助けてください!』って言うんでしょ?」と、
頼るべき場所・人を意識するようになっていきます
「自分でなんとかする」だけが自立じゃない
「困ったとき、誰かに頼れる」こともまた、大切な力
この体験は、小学校への通学や日常の外出の中で、
“いざという時に助けを求める”選択肢を持つことにつながっていきます
👟上履き洗い:自分のものを、自分で手入れしてみる
園で水遊びをしていたある日、
保育士がふと子どもたちに言いました
「ねえ、こっちの上履き、洗ってみない?」
部屋から持ち出してきたのは、保育園にある予備の上履き
子どもたちは「うわ、汚れてる〜!」と
キャッキャ言いながら、たわしでこすったり、水をかけたり
“たわし”にふれる機会も、子どもにとってはなかなかないですよね
泡立ちすぎたり、溝の汚れが全然落ちなかったり─
でも、それも大事な実体験です
5歳児になると、身の回りのことは「できるようになってきた」タイミング
でも、自分のものを「手入れする」経験は、
案外少ないかもしれません
「自分で洗ったら、気持ちいい」
「きれいになったら、ちょっと誇らしい」
そんな感覚を、遊びの中で味わってもらうことが、
「自分でやってみたいと思う気持ち」をさらに伸ばす目的です
はじめは予備の上履きからでも、
「これ、自分のもやってみたい!」という子も出てきます
家庭でも「洗いたい」と言い出したという報告を聞くこともあります
もちろん、上手に洗えることが目標じゃない
自分の持ち物に愛着を持ち、それを大事に扱うことで、
「自分のことを、自分で整える」力が少しずつ育っていく
そんな一歩としての、上履き洗い体験です
🧺洗濯ごっこ:落ちない汚れに出会って、気づくこと
おままごとのエプロン、ぽぽちゃん人形の服、
水遊びで使ったタオルや、絵の具で汚れた雑巾──
「汚れたものは自分で洗う」という経験も大事ですよね
まず、子どもたちは“合法的に”大量の水を使えることに大喜び!
そこに石けんも加わるのですから、楽しくないわけがありません
「泡がいっぱい〜!」
「水に色がついてきた!」と
最初は遊び感覚ですが、
洗い進めるうちに、だんだん気づくことがあります
「なんか…ヌルヌルがおちない…」
「絵の具がついたとこ、ずっと赤いままだ…」
そう、絵の具も、のりも、簡単には落ちないのです
乾いた汚れはなおさらだし、
タオルの繊維に染み込んだものは手ごわいんです
そうした“思った通りにならない”体験を通して、
「毎日おうちで洗濯してくれてる人がいる」ことを、ふと想像する子もいます
もちろん、全員が「感謝」に結びつくわけではありません
でも、家でやってみたくなったり、洗濯機に興味を持ったり──
暮らしの一端を「自分ごと」としてとらえるきっかけにはなっていくのです
とか言いながら、洗っている子どもたちの隣で
ぼそっと「これを毎日してくれる人には、感謝だねぇ」
…なんて呟いてみたりもします(笑)
本音を言えば、泥汚れも体験してほしいところ
泥は乾くとカピカピになって、もっと落ちにくくなる
でもだからこそ、「汚れには種類がある」という実感が深まるとおもうんですけどね
嫌がる大人は多いだろうなぁ……
遊びを通して、生活の大事な作業に気づく
そんな経験も、5歳児年長だからこそなんじゃないかな、と思っています
🗑️ごみの分別:ものの“その後”を知ることで
保育室の一角にある、ごみ箱スペース
「燃やせるごみ」「燃やせないごみ」─
私は保育室の壁に、ゴミの分別が描かれたポスターを貼っておきます
まずは、大人が日々の生活の中でゴミの分別を行なっていく
子どもたちがその姿に気づいて、自分でもやってみようとする
破れた紙、
濡れたティッシュ、
剥がしたセロハンテープ
「これはどこに捨てるの?」と迷いながら、一つひとつ考えていくその姿
自分で出したごみの“その後”を知ることは、
片付けとはまた違った生活力につながっていきます
「燃やす?ってどうするの?」
「これは燃えないの?」
大人にとっては当たり前の感覚も、子どもたちにはすべてが新鮮
興味を持ったら、さらに深めていくチャンスにもなります
「プラスチックはリサイクルされることもあるんだよ」
「割れたコップは危ないから、新聞紙にくるんで出すんだよ」
「生ゴミは、肥料にして野菜の栄養になるんだよ」
──そうした会話が、日々の中で生まれていきます
大事なのは、“ごみを捨てる”は“終わり”じゃないと知ること
ごみは「捨てたあとに、どこへ行くのか?」という視点を持つことで、
子どもたちの“生活の中のしくみ”へのまなざしが育ちます
最近は”SDGs”という言葉もあるので、
子どもたちに「無駄遣いをさせない」という大人の意識もありますね
ただ、子どもの中で「もったいない」って言葉がしっくりくるようになるのも、
きっとこういう体験を重ねてから、なんですよね
“ゴミを捨てる”という所作を身につける
分別することから「なぜ?」が生まれる
日々の小さな体験なんですけれど、
それが後々の大きな意識につながっていくのだと思っています
自立って、「自分で考えて、動いてみる」こと
雨の日に傘を差して歩くこと
困ったときに、頼れる場所を知ること
自分の上履きを洗ってみたり、汚れの落ちにくさに気づいたり
そして、ごみを分けて捨てることの意味を、ほんの少しだけ考えてみること
それぞれは、ごくささやかな日常の一コマです
でも、そこには“ちょっとした不便”や“どうしよう?”があって、
その先に「自分で考えて動いてみる」力が育っていきます
私たちは、小学校の先取りをしているわけではありません
生活の中で出会う「困った」「やってみたい」を通じて、
子どもたちが「社会の一員として、自分の暮らしをつくっていく力」の土台を育んでいるのだと思います
自立って、大きなことじゃなくて、
“目の前のことに、自分の力で関わってみる”の連続なんですね
「学校へ行っても困らないように」と保育をしていては、
保育園は小学校の予備校になてしまいますからね
小学校での課題は、あくまで小学校で解決を図るものです
そこの線引きはしっかりしつつ、
暮らしの力=“大人になってからも役立つ力”を
子どもたちには獲得してもらいたいと思っています
▶️ “生きる力”を伝えられるのは、親の役割です
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