保育を辛くしないためのプチワーク#7 上司・先輩から求められた時

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保育を辛くしないためのプチワーク⑦サムネイル。麻布の上にタイトル文字、右下に助言を受ける線画を描いている みんなのQ&A

こんにゃちは、猫月です🐱

今回のテーマは、
上司・先輩に求められたときにどう対応するかです

先輩
先輩

猫月先生、ちょっと気になってるんだけど
あなたのクラス、揃って『いただきます』してないわよね?
学校に行ってから困らないのかしら

猫月
猫月

なるほど、先輩は一斉に挨拶する方がよいと思われるんですね
子どもの様子を見ながら、検討してみます

先輩
先輩

しっかり、考えてみてね
あなたのクラスだけ他と違うと、
保護者も気にされますからね

猫月
猫月

エビデンスも参考にしながら、
クラスで考えてみます
ご意見、ありがとうございます

20年を超える経歴がある私でも、
さらに先輩からご意見を頂戴することはあります
もちろん、園長からアドバイスを受けることもあります

ただ、それらの意見が
そのまますべて子どものためになるかというと、
それはまた、別の話なわけでして──

相手にも相手の考えがある
でも、こちらにも、日々子どもを見ているからこその考えがある

だからこそ、先輩の意見と自分の考えのあいだで
「さて、どうしたものか」と悩むんですよね

受け入れるべきか
合わせるべきか
それとも、自分の考えを伝えるべきか

あなたも、そんなふうに迷ったことはありませんか?

今回は、
上司・先輩とのギャップへの対応の仕方
について考えてみましょう

上司や先輩から意見をもらったとき、
その対応はいくつかあります

取り入れた方が良いこともある
一部だけ手を加えれば良いこともある
こちらの意図を、きちんと伝えた方が良いこともある

ここでは、私が実際に経験した3つの場面を紹介します

ある年の運動会
クラス演技は、フラッグを使ったマスゲームでした
内容は上々で、子どもたちも楽しそうに取り組んでいます

そこへ、園長から声が掛かりました

「運動要素が足りない気がするの
 組体操とか組み込めないかしら」

……本番は、明後日です

その晩、私は考えました
明日の1日で構成に取り込めて、
なおかつ子どもたちに無理のかからない組体操はないか、と

翌日、子どもたちに提案します
「みんなの運動会を、もっと輝かせようと思います!」

取り入れたのは、シンプルで、すでにある力でできる形でした
・4人1組で手をつなぎ、輪になって座り、足を合わせる“星”⭐️
・“星”の形から、腰だけ地面につけて足を上げる“花”💐

子どもたちは自信満々に、一発で形を見せてくれました

こうして本番では、
輝く星と、大きく咲いた花を披露したのです

このとき私は、
園長の意見を、子どもに無理のない形に変換して取り入れました

ある年の発表会、題材は「ねこのおいしゃさん」でした

これは何度も実践してきた作品で、
保育士が“ねこのお医者さん”を担うことで、
ナレーター 兼 牽引役にもなれます
作品の中に大人がいることで、子どもたちも普段に近い姿を見せやすくなります

そこへ、先輩から声が掛かりました
「先生、喋りすぎじゃない?」

私は医者役ですから、
「次の患者さん、どうぞ」
「どうしました?」
「それは大変! 気合を入れましょう」
「お大事にしてくださいね」
といったセリフがあります
それが多い、という意見でした

さらに、本番まで1週間もない時期に、
「子どもを医者役にした方が良いんじゃない?」
とも言われました

ですが、私たちのねらいは
全員が主役であること
でした

医者役を子どもに任せると、その子たちが中心になりやすい
それは、今回のねらいとは少し違います

そこで私は、役も構成も大きく変えず、
セリフの分担だけを調整しました

🐱どうしました? → 👦どうしたの?
🐱それは大変! → 👦それは大変! 先生お願いします
🐱お大事にしてくださいね → 👦お大事に!

子どもたちにとっても耳になじんだフレーズだったので、
本番でも違和感なく、保護者の前でごっこを楽しめました

このときは、
意見の一部を取り入れつつ、ねらいは守った
という形です

ある年の3歳児クラス
まだまだ泣いて登園する子もいます

私は、本人が望むのであれば、抱っこで受け入れをしていました
ぶっちゃけ、5歳児であっても、本人の希望は尊重したいと思っています

その様子を見ていた先輩が、会議でこう発言しました
「もう3歳児なのに、抱っこはおかしくない?」
「あの子たちが求めるのは、先生に対してだけなのよ」

その意見に対して、私は自分の意図を説明しました
「3歳児であれば、周囲の目も理解してきます」
「その上で『抱っこ』を求めているのです」
「であれば、本人の判断を尊重するのが私の役目です」

3歳児の発達を考えれば、
羞恥心も、要求も、少しずつ育っています

その子なりに周囲を感じ、考えた上で「抱っこ」を求めている
子どもを尊重するのであれば、私は受け止める方が良いと判断しました

それに、その要求が一過性のものであることもわかっていました
エビデンスをもとに考えれば、
いわゆる「抱き癖がつく」といった危惧も無用でしょう

このときは、
自分の根拠を言葉にして伝えました


上司や先輩の意見にも、根拠はあります
だからこそ、受け入れて手を加えることもあれば、
こちらの意図を明確に伝えることもあります

大事なのは、
相手に合わせるかどうかよりも、
「子どもにとって何が最善か」を重視することです

保育は、あくまで子どものもの
そこだけは忘れずに、
私も職場の中で振る舞っていきたいと思っています

先ほどは、具体的な逸話をお伝えしました
ここでは、私が判断するときのポイントや心構えについて、お話していきます

その前に、基本姿勢もお話しておきましょう
・相手の意見にも一理ある
・子どもを悪くしようとしている保育士はいない
・何を選ぶかは、“目的”と“エビデンス”で考える

ここがブレると、感情も揺さぶられます🫨
揺さぶられると、敵愾心も湧いてきます😡
そうすると、「やらされている」とか「自分の意見を潰された」とか、
SAN値❤️が削られていくわけです(笑)

だから私は、
客観的に、2つの可能性を比較する
という姿勢が、自分の仕事を楽にすると考えています

では、本来の話題に戻りましょう

運動会で園長から求められたケースです
正直に言えば、「え? 二日前ですけど?」でした

とはいえ、意見には一理あります
「マスゲームに、運動要素が感じられるか」という視点です

実際には運動しているわけですが、
それが保護者に見てわかる説得力になっているかというと、
たしかに難しいところもあります

以前にもお話しましたが、
私は保育計画を“松竹梅”で準備します

この運動会の場合は、竹プランでした
子どもたちの実力を考えると、少し余裕を残した内容です

マスゲーム自体は仕上がっていましたから、
組体操も“トッピング”程度であれば組み込めると判断しました

あとは、無理のない演技を考えるだけ
だから私は、二日前でも導入可能と判断し、実践したのです

つまりこのケースでは、
相手の意見に妥当性があり、なおかつ子どもへの負担も大きくない
と考えたので、受け入れました

3歳児の発表会のケースでは、
「子どもに医者役をやらせたら」という意見がありました

ただ、さすがに配役変更は負担が大きいですし、
何より役は子ども自身が選んだものです
それを本番直前に大人の判断で変えるのは、ためらわれます

そこで私は、
役ではなく、セリフの分担だけを移す
ことにしました

保育士のセリフを、配役はそのままに、
子どもたちが自然に口にできる形へ変える

セリフ自体は、絵本でも何度も耳にしている言葉です
ですから、子どもたちに大きな覚え直しは生じません

アレンジだけで見栄えがよくなるなら、
それはもう“お得”とさえ言えるのではないでしょうか🤭

このケースでは、
相手の意見をそのまま採用するのではなく、一部だけ参考にして調整した
ということになります

ここは、“目的”に沿っているかどうかが判断基準です

「子どもの主体性を尊重する」のが保育士の仕事なら、
子どもが「抱っこしてほしい」と求めているとき、
それに応えるのも役割の一つです

たとえ先輩の意見であっても、
それが子どもの最善と異なるなら、
私は受け入れません

もちろん、断るのは簡単ではありません
言いづらいですし、空気もあります

だからこそ、“エビデンス”が大事なのです

客観的な根拠があれば、
先輩に反論されたとしても、
「これは私の思いではなく、客観的な事実をもとに判断しています」と言えます

くりかえしになりますが、
感情の応酬になると疲れます

どれだけ“自分”から手放せるか
そこがポイントです

それに、保育を実践するのは子ども自身です
大人同士の応酬で、子どもの負担が増えることは避けたいのです

保育園は、子どもの成長・発達にコミットメントした施設です
それは、保育所保育指針にも示されています

私が“保育士”として職場にいる以上、
最優先するのは、「子どもにとっての最善」です

上司や先輩から意見をもらうと、
自分の保育が揺らぎそうになる
それは、よくわかる話です

ただ、そこで私を踏ん張らせるのは、
「保育の当事者は、子ども」という事実です

大人同士がどんな意見を交わしたとしても、
その保育を実際に経験するのは、いつだって子どもたちです

少し冷静すぎる言い方かもしれませんが、
保育士は、いつだって傍に立つ存在です

ボクシングでいえば、セコンド
ボクサーに代わってリングへ立つことも、試合をすることもできません

だからこそ、
子どもたちにとっての最善を選択することが、
私たちの専門性なのだと思います

加えて、職員同士の関係について、
私なりの考えもお話しておきます

園長も先輩も、玄関を一歩出れば、ただの一人の人間です
保育園の中では役割や立場による上下関係があったとしても、
それはあくまで「保育園」という場の中での関係性です

退勤すれば、私たちはまたフラットな存在に戻ります

だから、多少の軋轢が生じたとしても、
私は「小石に躓いた程度」と考えるようにしています

……まぁ、そう考えるのが難しいことも、
十分わかった上で書いているのですが(笑)

ムツキ
ムツキ

そうは言ってもよ!
自分なりの考えで頑張って保育をしているのに、
意見を挟まれたらムカっとこないの?!

猫月
猫月

ムカっとこない──
と言ったら、さすがにウソだわなぁ(笑)
私だって、考えに考えて計画してるからね

ムツキ
ムツキ

ムカっときた時、猫さんはどうするの?
その気になれば論破だってできるでしょ?!

猫月
猫月

まぁ、その気になればねぇ……😏
でも、その議論に使う時間もエネルギーも、正直もったいない。
だから私は、まず『ありがとう』で受けるようにしてるよ

仕事でムカっときた時、
私はまず「ありがとう」を口にするようにしています

本心ではなくても、ひとまず「ありがとう」と言ってみる
すると、自分の口と耳を通して、「ありがとう」がフィードバックされる
──少し気持ちが落ち着いてくるんです

ヒトの脳って、案外こういう言葉に引っ張られるものです
先輩や上司からの苦言でも、
「まぁ、意見をもらったのは事実だし」
「ありがたい面も、ゼロではないかな」
と、少しだけ受け止め方が変わってきます

もちろん、それで万事解決するわけではありません。
意見を受け入れるか、参考にするか、断るかは、
そのあと改めて判断する必要があります

ただ、どうせ判断しなければならないなら、
最初の「ムカっ」にエネルギーを使いすぎない方が楽です

「ありがとう」は、
相手を全面的に受け入れるのとも違った、
自分の気持ちを切り替えるための合図
として使えるのです

私は割と、こうやって自分を少しうまく乗せることは、
前向きに仕事をしていく上で有効だと思っています

まぁ、騙されたと思って、
一度「ありがとう」を口にしてみてください
無駄な“損”は、少し減らせるかもしれませんよ

「岡目八目」という言葉があります
囲碁において、傍から見ている方が盤面がよくわかる
そこから転じて、客観的に俯瞰する方が物事を理解しやすい、という意味ですね

上司や先輩からすれば、
後輩の保育を見ながら
「ここを、こうした方がいいのに」
と感じることは多々あるでしょう

ただ、実際に保育している人の内側にあるものまでは、
なかなか見えにくいものです

冒頭で、私は先輩から
「子どもの『いただきます』」について意見をもらいました

先輩からすれば、
・挨拶の大切さ
・友だちを待つ社会性
・近い将来への見通し
などがあったのだと思います

一方、私が考えていたのは、
・食べたい時に食べられる安心感
・個別の挨拶から、卓を囲む仲間との挨拶へ
・挨拶をルール化する危うさ
といったことでした

これは、どちらが正しいかというより、
優先度のギャップなのだと思います

まずは、お互いの意見を交わす
そのうえで検討する
最終的な判断は、A案かB案かの二択とは限りません
AとBの折衷案もあれば、C案が見えてくることもあります

ただ、担任制の場合は、
間近で子どもを見ているあなたの意見こそ、
とても重要な意見だと私は思います

だから私は、上司や先輩から意見をもらった時、
・子どもにとって妥当なら受け入れる
・一部だけ活かせるなら参考にする
・目的から外れるなら断る
というふうに考えています

大事なのは、
相手に勝つことではなく、
子どもにとっての最善を見失わないことです

先輩
先輩

猫月先生、
「いただきます」の件は、どうしたかしら?

猫月
猫月

ご助言、ありがとうございました
クラスでも相談して、継続することにしました
理由としましては、かくかくしかじか、うんぬんかんぬん──

先輩
先輩

わ、わかったわ……
担任がそこまで考えているなら、
私ももう少し様子を見守ります

猫月
猫月

「子どもにとっての最善」が、何より大事ですもんね♪
私も思うことは率直にお伝えしますので、
今後も忌憚のないご意見、よろしくお願いします

ムツキ
ムツキ

(むしろ、猫さんが先輩の保育に意見する方が多いもんね……)
一番怖いのは、やっぱり猫さんなのよ……💦

私は園長に対しても、言うべきことは伝えるタイプですので、
そこはあまり真似しなくて大丈夫です(笑)

あなたの見ている子どもの姿を、
まずは大事にしてくださいね
あくまで、あなたが平穏に保育できることを願っております🙏

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