子どもは力を持っている〜大事なのは、発揮できる環境と支える配慮 #2

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『子どもは力を持っている──大事なのは、発揮できる環境と支える配慮』第2話のサムネイル画像。背景にカラフルなおもちゃと時計。中央に「「着替えない」あの子に、どう関わったか──“自分でやりたい”の呼び水 」というタイトル。左右には自分で着替える男の子と大人に着替えさせてもらっている男の子のイラスト。「“自分でやりたい”の呼び水」という副題も添えられている。 やってみたよ!こんな保育

こんにゃちは、猫月です😺

今回は1日の中でも「着替え」の場面にフォーカスして、
保育の環境や子どもとの関わりについてお話ししていきます
さっそく、始めていきましょう

着替えの時間になると、決まって最後まで残る子たちがいました
朝の自由遊びが楽しくて切り替えられない子、
衣服の感覚が気になってなかなか動き出せない子、
声をかけられるとふざけたくなってしまう子──

私たちは、「早めに着替えを始めれば間に合うはず」と思い、
他の子より先に誘って着替えを促してみました

でも結局、着替え終わるのは最後になってしまう…
掛ける言葉が違う?
別の環境設定が必要?
それとも、本当に着替える力が未熟?

頭を悩ませながら子どもたちの姿を見ていると、
ある時ふと思ったのです

私たちは“着替えが遅い子”にばかり目を向けていたけれど、
“着替えがスムーズな子”には何があるのだろう?

アドラー心理学の研修を受けていた私は、大事なことを思い出しました

「当たり前のことにこそ感謝をする」です

子どもの着替えは子ども自身の身の回りのことですから、
「感謝するのはおかしいんじゃない?」と思われるかも知れません

でも、実際にはみんなが着替えをしてくれることで衛生的な環境が保てるのですから、
保育士としては“助けられている”とも考えられるでしょう?
「きれいな服に着替えたね」
「これで、気持ちよく過ごせるね」
「お部屋もきれいに保てるよ、ありがとう」
この思いを言葉にしていくことが大事だったのです

着替えた子に感謝を伝えるのは、
早かろうが遅かろうが、助けられていることに変わりはありません

そういう大人の姿勢の変化は、子どもたちにも影響します
そうして、子どもたちの着替えに対する姿勢も変わっていったのです

着替えの目的を改めて考えてみると、
「清潔な衣服で給食を食べること」
だとすれば、給食の準備までに着替え終わっていれば良いのです

そこで言葉掛けをこう変えてみました:
「時計の長い針が4になったら給食の準備をするよ。
 着替えはそれまでに終わればいいから、
 遊んでから着替えるか、着替えてから遊ぶのか、みんなに任せるよ」

この言葉掛けと環境設定により、
子どもたちは自分で「いつ、何をするべきか」を考え始めました
遊びを先に楽しんでから着替える子もいれば、
自分からタイミングを見て早めに着替える子もいます

これまでなかなか着替えなかった子にも声を掛けます
「今日はどうするの?」と
すると、『今日は先に着替えちゃう』とか
『◯◯ちゃんと約束してるから、後で着替える』とか、
自分でタイミングを判断するようになっていきました

その子の判断を尊重することが、主体性を保障したのです

大人は「この子は、やればできる」と考えがち
でも、それは“大人のペースに合わせられるかどうか”という基準があるような気がします

子どもにはそれぞれの“ペース”と“判断のタイミング”があるということ

私たちがすべきことは、
その子自身が「この時間に着替え始めたら間に合う」と気づけるような
環境を用意することだったのです

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