子どもの“制作”遊びの効果って?

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楽しい制作遊び

こんにゃちは、猫月です😸

今回は、子どもの“制作”遊びについてお話していきます。

「制作、今月は何を作らせようかなぁ」

と保育計画を立てながら、保育雑誌をペラペラめくる

そんなことって、間々あるのではないでしょうか。

4月は こいのぼり
6月は カタツムリやカエル、紫陽花
7月は 花火
9月は 運動会の装飾で
10月は 運動会の行事絵かな
11月は 紅葉やドングリ
12月は 赤い服のおじいさん🎅
1月は 鬼の面
2月は ひな人形
3月は チューリップとか桜かな

なんとなーく、子どもの作品が飾られていないと不安

そんな風に思ってしまいません?

でもそれは、保育士の都合ですよね

制作遊びは、子どもの成長に効果的なものがあるから取り組むはずです。

壁面を埋めるためでもなければ、
保護者を喜ばせるためでもない。

でも、そもそも「制作遊びってどんな効果があるの?」
どうしたら「子どもが成長する制作遊びになるの?」

そんなことをお話していけたらと思います。

子どもの育みたい資質・能力

保育所保育指針には、子どもの育みたい資質・能力として3つの柱が記されています。

1.豊かな体験を通じて、
 感じたり、気付いたり、分かったり、できるようになったりする
 「知識及び技能の基礎」
2.気付いたことや、できるようになったことなどを使い、
 考えたり、試したり、工夫したり、表現したりする
 「思考力、判断力、表現等の基礎」
3.心情、意欲、態度が育つ中で、
 よりよい生活を営もうとする
 「学びに向かう力、人間性等」

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制作遊びというと、5領域の「表現」に関することと思いがちだと思うんですけれど、
でも、よくよく考えたら、
そもそも育みたい資質・能力すべてに関連していると思うんですよね。

制作遊びは、
描く・切る・貼るなどの知識や技能を獲得する機会ですし、
自分の思いを表現するために思考力・判断力などを発揮する機会ですし、
より具体的に創造するために学びに向かう意欲を引き出しますよね。

ん?ちょっと待って

そうなると、
「なんとなーく、子どもの作品が飾られていないと『不安!』」
という保育士の思いで展開して良いものなのでしょうか?

知識や技能を獲得する機会

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制作遊びを楽しむためには、
経験を通して、いろいろな知識や技能を獲得することが大事です。

例えば、絵を描くにしたって、
クレヨンであったり、色鉛筆であったり、水彩であったり、
いろいろな画材を体験しないと、
どれが自分のイメージを表現するのに合っているか分かりませんよね?

絵を描くものもです
画用紙なのか、コンクリの壁なのか、枝で砂に描いたって良い。

いろいろな技術=動作を獲得する機会でもありますよね。

そう、実は運動的な機能を育む機会でもある。

紙をちぎる
はさみやペンを握る
のりを適量取る
右手と左手で違う動作をする
腕を大きく動かす
指先を細かく動かす

ね?

制作遊びって、知識や技能を獲得できるでしょう?

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思考力・判断力・表現力を育む機会

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制作遊びを重ねていると、
だんだん子どもは自分で何かを作りたがるようになります。

自由遊びの中で絵を描いたり
大量のセロハンテープを使って紙を繋ぎ合わせたり
空き箱で立体的な何かを作ったりしますね

「ピタゴラスイッチ」なんかは、
その究極の一つだと思うんですよ。

身近にあるモノを組み合わせて、
その挙動を調整しながら、
スタートからゴールまでビー玉を運ぶ。

1歳児でも「ビー玉ビーすけ」が好きですからね♬

あの装置を完成させる思考力だって、
元をたどれば、制作遊びの経験が基礎にあるはずです。

ぬりえで、どこをどんな色に塗ろうか
そういう判断力も、制作遊びで育まれます。
最初はとにかく好きな色で塗りたくっていたのが、
少しずつ具体的な色を意識し始めます。

それが、制作遊びで“正解”のようなものを大人が教えてしまうと、
「空は水色だよ!」と思いこんだりする。
実際の空は、天候や時間で何色にも変化するはずなのに…。

描きたい空が何色なのかは、
自分で考え、画材を選び、表現を工夫すればいい

それを保障していくのが、制作遊びという機会ですよね。

学びに向かう意欲

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子どもって、意外と美術館が好きです。

「子どれで美術館はちょっと…😓」と思うかも知れませんが、
子どものむき出しの感性の方が、
美術作品を楽しめるのではないでしょうか。

美術館と言っても、
屋外に作品が展示してある施設もあります。

瀬戸内の直島のように、島全体が美術作品であふれている場所もありますしね。

三鷹の森ジブリ美術館なんて、子どもこそ楽しめる美術館ですしね。
(猫バス、乗りたかったぁ…😭)

箱根彫刻の森美術館のように、体験的なアートが展示されている美術館もある。

ね?子どもが触れられる美術館、あるでしょう🤗

言い方はアレですが、
“ホンモノ”にふれると、子どもの創作意欲って伸びるんです。
自分の日々の経験から、表現意欲は伸びているんですが、
「こんな表現方法があるんだ!」を知ると、
さらに表現したくなるし、
さらにいろいろな方法を知りたくなる。

本で見たものは、実物を観たくなるし、
やったことのないことは、体験したくなる

それは制作遊びに限ったことではないですが、

制作遊びって、自分の頭の中にあるモノを具現化する遊びですから、
「この考えたことを、本物にするには?」というのは、
子どもからあふれ出る行動の動機です。

「本物にするため」の知識は、
欲しくて欲しくてたまらない。

そういう意欲から、“学ぶ”機会を得られると、
学び自体が「楽しい」という価値で彩られます。

その学びの楽しさを十分に感じてから就学するのと、
楽しさを感じられないまま就学するのと、
学校に行ってから楽しく授業に臨めるのはどちらでしょう?

幼児期の体験と、感動って、
その後にずっと続いていくものです。

制作遊びは、その”学ぶ”意欲の根っこを育む機会であるはずです。

「制作遊び」は大人が用意するもの?

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制作遊びの体験を十分に重ねて大人になったら、
米粒に筆で絵を描くようになるかも知れませんし、
長大な絵巻物のような作品を描くようになるかも知れませんし、
コンピューターグラフィックスで表現を楽しむようになるかも知れません。

でも、それらの資質や能力を発揮する基礎は、
幼少期の体験が基礎にあるはずです。

保育士は、目的を持って保育を展開します。

「今日は、紙の質感を体感してもらおう」とか、
「クレヨンで、好きなように描く楽しさを感じて欲しい」とかですね。

それが、ちょっと外から力が加わると、
「カワイイ作品を作る」とか
「保護者が喜ぶから」とか
子どもの育ちという目的から逸れてしまう。

保護者の方は、お子さんの作品の出来に注目してはいませんか?
たまにありませんか
「上手にできたねー(これ、先生が作ってるよね???)」みたいな…

本当に注目していただきたいのは
作品の出来よりも、
その経験を通して、お子さんがどんな資質を発揮したか
技能を獲得したのかなんです。

幼児期の作品なんて、出来が拙くて当たり前じゃないですか

でも、その体験で子どもの中に積もったものがあれば、
それがゆくゆく大人になってから発揮されるはずです。

画家かも知れないし、
デザイナーかも知れないし、
文具の開発者かも知れないし、
イベントの企画立案者かも知れない
でも、将来の才能を開花する土壌にはなっているはず。

制作遊びって、そういうものですよ。

まだ、子どもが知らない素材を体感したり、
知らない技能を経験したり、
そういう目的をもって、保育士が遊びを設定することはあります。
でも、忘れてはならないのは、
あくまで「子どもの育ち」がそこにあることです。

0・1歳児に手形や足形で作品を作って、
「また、手形で遊ぼう!」という
子どものその後の動機に繋がりますか?

子どもの日やひなまつりの意義を理解していない子が、
こいのぼりやひな人形の制作に意欲を持ちますか?

ミノムシを見たこともない子が、
秋だからとミノムシを作ろうとしますか?

その制作遊びは、子どもが成人してからも活かされる原体験になっていますか?

私は、保育は子どもが成人した後に活きてくるものだと考えています。
その遊びが、子どものどんな生きる力に繋がるか。
保育士も、保護者も、考えてもらえたら嬉しく思います。

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