家庭教師“上杉風太郎”

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こんにゃちは🐈、猫月だんくるおすてうすです。

今回は家庭教師“上杉風太郎”を紹介しながら、
子どもと大人のコミュニケーションについてお話していきます。

タイトルを見て、ピンと来ない方が多いでしょう😆
逆に、ご存知の方は「風太郎かーいっ!」と思われるでしょう(笑)

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上杉風太郎は、漫画『五等分の花嫁』(作:春葉ねぎ©講談社)の主人公です。
風太郎は、全教科満点で学年1位の超秀才。
ただし、家庭には多額の借金があり、
毎日の昼食は「焼き肉定食焼き肉抜き」(¥200)で過ごしています。
(ライスも¥200ですが、定食から焼き肉を抜くと味噌汁とお新香が付くのです)

風太郎はアルバイトとして、ヒロインである同級生
中野家の五つ子(一花、二乃、三玖、四葉、五月)
家庭教師を務めることになります。

家庭教師“上杉風太郎”の姿勢に
保育士として共感、参考になることがあったので、
今回の記事で取り上げました。
(5月5日が五つ子の誕生日だからだろって?🤫)

「猫月、ついに本性を現したか!😂」
「推し活したいだけだろ!!」
と思われるかも知れませんが、
結構ガチで教育者としての上杉風太郎を尊敬しています。
大真面目に悪ふざけをしますので、
最後までお付き合いいただけたら幸いです🌠

自分が好きになったものを信じろよ

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『五等分の花嫁』©第3話より

家庭教師を始めた風太郎ですが、
五つ子は大の勉強嫌いのため、まず受け入れてくれません。

そこで、ひとつの条件を出します。
小テストを受けて、50点取れば授業は受けなくて良いというのです。
結果は…5人で計100点でした😅

ですが、そのテストを経て三玖が日本史、特に戦国武将に詳しいことが分かります。
三玖は、同世代の女の子と趣味が違うことに劣等感を抱いていました。
そこで風太郎が答えたのが、上の台詞です。

「他者の関心事」に関心を寄せよ

『幸せになる勇気』©岸見一郎・古賀史健 ダイヤモンド社

アドラー心理学に於いて、「共感」の技術の第一歩としてこのように説明されています。
アドラーは教育の中で、子どもを対等の立場として“尊敬”することが大事だとしていました。
そのためには、”まず子どもの関心事に関心を寄せよう”としています。

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「自分が好きになったものを信じろよ」
と言い切った風太郎ですが、
石田三成と大谷吉継の“鼻水入りのお茶”の逸話を知らず、
三玖ほど戦国武将に詳しくないことを見抜かれてしまいます。

そこで風太郎は、
学校の図書館にある戦国時代関連のすべての書籍を2日間で読み込み、
三玖に戦国武将しりとりを挑みます。

三玖は、自分の関心事に風太郎が関心を持ってくれたこと、
また貸出カードの記録で本当に風太郎が書籍を読んだ努力を認め、
風太郎を家庭教師として受け入れたのでした。

「他者の関心事」に関心を寄せる、家庭教師 上杉風太郎。

あなたは、「子どもの関心事」に関心を寄せ、自分と対等の存在として尊敬していますか?
その子が好きなことに興味を持ち、知ろうとしていますか?

風太郎は「学業こそが学生の本分」と、頑固でこじらせていますが、
目的のためには、相手の関心事に重きを置くことができるようです。

その作り笑いをやめろ

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『五等分の花嫁』©第11話より

家庭教師として、三玖と四葉が協力的になってきた頃、
風太郎は妹のらいはにせがまれ、五つ子と一緒に花火大会へ行きます。
人混みの中で五つ子はバラバラにはぐれてしまい、
風太郎は5人を集めようと奔走します。

そんな最中、風太郎は一花からある事実を打ち明けられます。
一花は女優を目指していること、
急遽オーディションに行かなければならなくなったこと、
そのため妹たちと花火大会は見られないことです。
風太郎は一花の思いを承知し、オーディションへと送り出します。

その際に風太郎が一花へ告げたのが、上の台詞です。

風太郎は、一花が大事なところで本心を隠し、表情を作って過ごしていることに気付いていました。
ただし、風太郎自身も一花の表情の機微を察していたわけではなく、
「あいつらと違う笑顔だと思っただけだ」だそうです。

保育士が相手をするのは、未だ言葉で十分に自分の思いを伝えられない乳幼児です。
思いに寄り添い、表情や態度から本人の気持ちを察し、
代わって言葉にすることは、大事なスキルの一つです。

この段階では、五月に「百歩譲って赤の他人でしょうか」と評される風太郎ですが、
それでも5人の表情の違いに気付くくらい、彼女たちと向き合っていたようです。

毎日顔を合わせる子どもたちや、保護者の表情の変化から、
その思いや本心に気付ける保育士でありたいですね。

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いいな やりたいことが見つかって

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『五等分の花嫁』©第28話より

林間学校で一花と二人きりになった際、
女優業のために「学校辞めるかも」
と告げられた時の風太郎の返事です。

風太郎の家庭教師としての責務は「5人を無事に卒業させること」なので、
一花は「人間失格😡」くらい激昂されると思っていたようです。

風太郎は「ま、9割9分失敗するだろうがな」と応え、
「それもまた糧になるさ」
「上手くいけば儲けもの 何事も…」
挑戦だ
と一花を応援する姿勢を見せています。

次の項でも挙げますが、
風太郎は“努力”というものを、とても大事にしています。
そして、その動機も肯定的に受け止める様子があります。

まずは行動することを応援する
その姿勢は、教育者として根幹的な能力でもあります。

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その努力を否定したくない

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『五等分の花嫁』©第29話より

同じく林間学校での一コマです。

最終日、スキーで鬼ごっこをすることになった風太郎と五つ子たち。
鬼になった四葉は、
バスケ部や陸上部などの助っ人をして全国大会へ連れて行くほどの、
ずば抜けた運動能力を持っています。

四葉から逃げ切ろうとあくせくし、風太郎と三玖はかまくらの中に隠れました。
三玖は、四葉にハンデを負ってもらい、速さを平等にしてもらおうと提案します。

その提案に対する風太郎の答えが、上のコマです。
風太郞が言うには、
「五人はおそらく元は同じ身体能力だったろ」
「だったらあの運動の力は四葉が後天的に身につけたものだ」
だから
その努力を否定したくない
という台詞に繋がります。

このあとの物語中でも、風太郞が“努力”を肯定する場面がたびたび登場します。
例えそれが、勉強に関していないことや、勉強時間を妨げるものであってもです。

風太郞が努力を大切にするのは、とある過去の出逢いと約束があってのことなのですが…
それは原作やアニメをご覧ください😄

先述の『他者の関心事』に関心を寄せよと同じく、
子どもが何かに邁進している時は、
例えそれが
大人にとっては「それ、今やるの?」と思うことであっても、
本人にとっては時間を割くだけの価値があることなのですから、
見守ったり、応援したりできる存在でありたいですね。

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俺がお手本になんなきゃな

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『五等分の花嫁』©第39話

花火大会や林間学校を経て、
五つ子が揃って家庭教師を受け入れてくれるようになりました。

試験1週間前の追い込みをかけることになり、
風太郞は5人分の問題集を徹夜で準備します。
それがたたって、中野家の玄関先で居眠りしていたのを
五月に呆れられての一言です。

記事の冒頭で説明したように、上杉家の家計は火の車ですから、
風太郞はパソコンもプリンターも持っていません。
5人分、それぞれに合わせた内容の問題集を、手書きで準備していたのです。

自分の試験勉強をしつつ、五つ子それぞれのオーダーメイド問題集を作成する。

まずは自分がやってみせる。

彼の家庭教師としての矜持が見える場面です。

乳幼児と関わる時も、まず大人がやってみせることが大事です。
遊びの楽しさを、どうプロモーションできるか
それが、保育士の腕の見せ所ですしね。

楽しさが伝わらなければ、子どもたちは興味も意欲も持ってくれません。
それは遊びだけではなく、保育園生活全般でもそうです。
それができることで、どんなメリットがあるのか。
どんな達成感を得られるのか。
どんな成長を実感できるのか。

まずは、やってみせることが大事です。

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これからは全員が家庭教師だ

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『五等分の花嫁』©第57話

学年末試験も差し迫ってきた時期、五つ子は父とある約束をします。
5人が赤点を回避できなかった場合、
東京の高校へ転校するというものです。

何としても赤点を逃れたい風太郞と五つ子は必死に勉強しますが、
なかなか結果として表れてきません。
必死に勉強する四葉と関わる中で、風太郞はある事実に気が付きます。

家庭教師を担った時から、
5人それぞれの得意分野が違うことは判明していました。
それが勉強を積み重ねる中で、
得意科目では風太郞が説明しなくても理解できる姿が現れてきたのです。
そこで風太郞は五つ子へ提案します。

これからは全員が家庭教師だ

一花は数学、二乃は英語、三玖は社会、四葉は国語、五月は理科が得意。
それぞれの科目を、風太郞と得意な姉妹が、残りの4人を教える。
こうして、五つ子は高校2年生の学年末試験を乗り越えたのでした✌

実は風太郞には、家庭教師としての悩みがありました。
「何がわからないのか わからない!」
「どう教えたらいいのか わからない!」

そこで思い至ったのが、
努力して勉強した五つ子なら、他の姉妹の気持ちを理解できるだろうと。

実際、風太郞が教えるよりも、姉妹から教わる方が分かりやすい場面もあったようです。
テスト後に、五つ子で祝賀会を開いた時にも、お互いに感謝し合っていました🍰

私は、「子どもは、子どもたちの中で育つ」を保育の軸に置いています。
そもそも、遊びって子ども同士で伝承してきましたよね。
それがいつの間にか、保育園では大人が子どもに教えるものになってしまった。
そこに違和感があったのです。

大人は大人の感覚で子どもに伝えますから、
「『わからない』が、わからない😓」が発生します。
そのときに「何でわからないの」「何度言ったらわかるの」というのでは、
子どもの理解に繋げるのは難しいです。

私は、縄跳びも鉄棒も、マンカラもけん玉も、
子ども同士で伝承できるのが最たる形だと思っています。
実際に、大人が教えるよりも、子ども同士で教える方が、獲得が早いです。
きっと、自分がつまずいていた点を、端的に友だちへ伝えられるからだと思います。

ちなみに、
学習がきちんと脳に定着するには、
インプットだけでなく、アウトプットすることが重要だそうです。

そういう理論的な意味合いでも、
風太郞の「全員が家庭教師」策は、
学習として実践的な方法だったと思います。

Webデザインコース

『良い教師になる為のいろは』

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『五等分の花嫁』©第58話

風太郞は、全国模試で3位に入る超秀才です。
(しかも腐った牛乳でお腹を下した状態で😳)

ですが、実は小学生までは落ちこぼれでした。
自分を「いらない存在」と卑下していたくらいです。

それが、小学校の修学旅行でとある出逢いがあり、
その時に勉強をすることで「必要とされる存在になれるかも」と一念発起して、今に至ります。
(そのために、運動は不要と割り切ったがために、絶望的に身体能力が劣ります😅)

つまるところ、風太郞には勉強での成功体験があります。

風太郞自身は、寝る間も惜しんで、食事中も単語帳を眺めているような、物量的な学習方法を取っていました。
(五つ子と出会うまで朝食という概念を知らなかったほど)

“俺がお手本になんなきゃな”と作った問題集も、
ものすごい分厚い物でした。
(アレを一週間でこなせといわれたら、五つ子でなくても逃げ出したくなりそうな…😓)

ですが、自分の成功体験が通じない自覚もあります。
「全員が揃って卒業」という目標のためには、
他の手段を取れる柔軟さが彼にはあります。
それもあって「全員が家庭教師」も実行できたのでしょうね。

保育者は、職人気質なところがある、と私は感じています。
保育には正解がありませんから、
一つの成功体験があると、それにすがってしまうような気持ちは理解できます。

ですが、「目的のためには、手段は問わない」のがプロであると、私は考えます。

子どもが遊びに乗ってこなかったなら、
それは遊びのプロモーションや、遊びそのものが、
その子たちに合っていなかったのです。
ならば、変えるべきは子どもの態度ではなく、保育士の手段ですよね。

風太郞は、教師としてのノウハウがないことを自覚し、いつか限界が来ることも予見していました。
その上で、自分が得られる手段はないか、次善策を準備していました。

保育準備というのは、教材を揃えることではないと思います。
子どもに、どれだけ多くの選択肢を提供できるか、ではないでしょうか。

自分が持っている物だけで保育をするのは、限界があるのです。
だから、引退するその日まで学び続け、試行錯誤し続ける必要があると思います。

「今日が人生で一番若い日」という言葉もあります。

一介の高校生が自分の限界を突破しようと努力できるのですから、
プロフェッショナルは、それを上回る研鑽を自分に求めたいですよね。

シッター常駐「子どもと一緒に通えるFammママwebデザイナースクール」

それを教えてくれたのはあいつらだ

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『五等分の花嫁』©第113話

高校生活最後の文化祭の終夜祭での一コマです。

物語の当初、風太郞の価値観は、
「学生の本分は学業」
「恋?アレは学業から最もかけ離れた愚かな行為だ」

という(かなり拗らせた)ものでした。

クラスメイトとの関わりもできるだけ避け、
3年次も、学級長にもかかわらず「上杉って誰?」と言われる始末…😅

そんな風太郞でしたが、
五つ子と関わる中で、愚かとすら言っていた恋愛についても、
「あそこまで真剣な気持ちを前ほど馬鹿にする気もおきないな」
と気持ちに変化が出てきていました。

友人関係すら勉強時間の邪魔になると切り捨てていた風太郞でしたが、
上のように、武田や前田といった友人と関わるようになり、
夏休みにはクラスメイトと海浜で遊んで楽しむ姿も出てきたのです。

風太郞の場合は、人との関わりや学生としての過ごし方を、五つ子から影響を受けたようですが、
子どもと関わる大人の場合は、いかがでしょうか。

乳幼児の子どもって、それこそ全力投球で毎日を過ごしていますよね。
笑って、泣いて、ケンカして。
転んでも、傷も気にせずにまた遊ぶ。
ご飯を食べながら眠ってしまったり、
オムツを濡らしているのに遊びたがったり、
自分より遙かに大きな大人と真正面から対峙して自己主張をする

そんな子どもたちの姿を見て、あなたは何を感じていますか?

“変化”することが正しい、というのではありません。
ただ、子どもと向き合っている時に、
自分のライフスタイルすら吹き飛ばされるような、
そんな大きなエネルギーを、正面から受け止めているでしょうか

まぁ、『五等分の花嫁』はラブコメですから、
そこで風太郞が変化をしなかったら、
エンディングを迎えられないんですけどね(笑)

でも、子どもたちは、それこそ毎日人生を賭けて全力で生きていると思いますよ。
そんな子どもたちと、自分の価値観の枠内にいたまま関わって、
子どもたちの成長について行けるでしょうか。

子どもたちに教えることよりも、
子どもに教わることの方が多いんじゃないか
と私は思っています😄

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最後までお読みいただき、ありがとうございます。

今回は趣味に走ったこともあって、かなりのボリュームになりました😅

『五等分の花嫁』はラブコメとしても面白いですが、
家庭教師“上杉風太郞”も、魅力的な存在だと思います。
口は悪いですから、態度や言葉は真似ませんけどねw

願わくば五等分ファンが増えますようにっ🙏(そこ?)

ちなみに、本編について語り出すと
今回と同じボリュームの物を10回に渡ってお送りすることになると思います(笑)
五つ子それぞれで前後編を書くことになると思うので😆

風太郞の魅力が、1人でも多くの方に伝わったら幸いです🌠

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