こんにゃちは、猫月だんくるおすてうすです。
【独断と偏見おすすめ図書】
と題して本を紹介しているのですが、
オンライン交流会に参加したので、
今回は、その要旨としてまとめていきます。
今回、酒井沙弥香さんへの持ち込み企画で、
【絵本の語り場 ~絵本は、ええ本~ 】
を立ち上げていただきました。
みんなで絵本についてワイワイ喋ろう!
というものです。
毎月一回、
テーマに沿った絵本を持ち寄って
その絵本の魅力
選んだ基準
どんな読み方・提供の仕方をするのか
といったことを楽しむ時間にしてきました。
ということで、
第1回 絵本の語り場
で私が紹介した絵本は、こちらです。
「バムとケロのおかいもの」
作:島田ゆか
版:文溪堂
▶あらすじ
一週間の真ん中水曜日。
いつも朝寝坊のケロちゃんが、今朝はちょっと違う。
なぜかって?
それは、今日が月に一度のお買い物の日だから。
二人は、友だちのかいちゃんと一緒に、
市場へ出掛けます。
欲しい物は、見つかるかな?
▶”あき”の絵本???
今回のテーマは、“あき”です。
「バムとケロのおかいもの」には、
秋という描写はどこにも出てきません。
二人の買い物は、毎月恒例なのですし。
それでも秋をテーマにした時にこの絵本を選んだのは、
“行楽の秋”👜
“収穫の秋”🍇
“食欲の秋”😋
といったものが感じられるなー、と思ったからです。
暑い夏が終わり、
これからの季節は外へ出掛けるのも気持ちいい時季です。
バムの運転するオープンカーも、心地よさそう。
そして、市場で最初の買い物は、
ケロちゃんの新しいチョッキの生地です。
衣替えでもするのかな?
次に訪れたのは、うさぎの八百屋さん。
たくさんの新鮮な野菜が並んでいます。
うさぎの店主自ら味見をしています(笑)
お腹の空いたケロちゃんたちは、
出店で美味しそうな料理に舌鼓😋
最後の場面で、ケロちゃんが振る舞ってくれたパンケーキも、
絵本を読んでいるみんなの食欲をそそります。
こういった場面が、
何となく“秋”を感じさせるなぁ
そう思って、この本を選びました。
▶島田ゆか作品の(私が思う)特徴
島田ゆかさんといえば、
「バムとケロ」シリーズや
「ガラゴ」シリーズが有名ですね。
島田さんはカナダに在住されておられますが、
絵本の風景を眺めていると、
現地の情緒が取り入れられているのかなと感じます(あくまで個人の感想)
森があって、
湖があって、
丘陵があって……
バムのモデルはブルテリアだそうなので、
イギリス要素もあるかも知れない。
どことなく、きかんしゃトーマスの風景に近しいかな?
「バムとケロ」には、
明確な登場人物として
友だちのかいちゃんと、ソレちゃんがいますが、
実は他にもレギュラーメンバーがいます。
三本耳うさぎのおじぎちゃんや、ねずみ、もぐらなどです。
絵本にはしっかり描写されているのに、
どこにも紹介がない!(笑)
読者による発見待ちなのですが、
くり返し絵本を読む中で、
子どもたちは彼らの存在や、
その振る舞いに気が付くんですよねー。
物語の本筋を楽しみつつ、
サブストーリー的に彼らの物語を想像するのも、
島田ゆか作品の魅力でもあります。
▶読むだけではない絵本
これは私の感覚ですが、
「バムとケロ」の楽しみは絵本を読むだけにとどまりません。
絵本を読むと、実際に出掛けたくなります。
「毎月 ○日は買い物の日」
としたら、子どもたちは夢中でカレンダーを覚えるでしょう。
「あといくつ寝たら、買い物の日?」
なんて言葉が聞かれそうです😄
もし、近所で朝市やノミの市(フリーマーケット)があるのであれば、
実際に訪れてみるのも良いかも知れません。
ケロちゃんのように早起きをして、身支度をしてくれるかも?!
スーパーマーケットやショッピングモールとは違う、
市場という文化を体験するのは、
子どもたちの社会観を広げてくれそうです。
加えて、最後に出てくるカエル模様のフライパン。
あんなフライパンがおうちにもあったら、
子どもは喜んで朝食作りを手伝ってくれそうです。
朝からは大変でも、
休日のティータイムに親子でパンケーキを作ったら、
料理や食育にもつながりますね。
▶「バムとケロ」を読む時に
最後に、私なりの「バムとケロ」の読み方を。
この絵本には
文章で全く触れていないエッセンスがちりばめられています。
おじぎちゃん🐰だけでなく、
市場に訪れた他の登場人物が何をしているか、
またその愉快さなど、
子どもが発見して楽しめる要素が
そこかしこにあるのです。
私は、保育で絵本を読む時は、
一週間同じ絵本を読むようにしています。
子どもたちは絵本を見る中で、
まず物語の本筋を知り、
それを噛み砕き、
自分の中で共感や理解をしていきます。
どんな絵本かを理解すると、
徐々に絵本の世界に潜り込み始めます。
(私はこれを“ダイブする”と表現しています)
登場するキャラクターになりきってみたり、
模倣してみたり。
そのあとどうなるかを想像したり、
自分ならこうすると考えてみたり。
また、絵本への視界も開けてきます。
最初はバムとケロばかりを追って見ていたのが、
他のレギュラーメンバーを発見するようになります。
そして、彼らが何をしているのかを追い掛け始めます。
「バムとケロのおかいもの」の中で、
『ゆかいなとびら』というお店が出てきます。
小さな扉がいくつもあるお店なのですが、
実はこのお店には仕掛けがあるのです。
子どもたちの発見を待つ仕掛けです。
これを見付けた子どもは、
嬉々として大人に知らせてくれるでしょう!
どんな仕掛けかって?
それは、是非この絵本を読んで発見してください♪
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
今回、”あき”🍁というテーマで絵本を紹介しましたが、
”あき”という物の捉え方も考える機会になりました。
私はハーベスト(収穫祭)をイメージし、
そこからこの絵本を選びました。
実りの秋に感謝をする、
自然に畏敬の念を抱く、
また収穫してくれる方々にも敬意を払う。
言葉にすると固いですが、
私たちが毎日食事をできるのは、
当たり前のようで、当たり前ではないことです。
お金を払えば食べられるわけではありません。
育ててくれる人、
輸送してくれる人、
販売してくれる人がいて、
はじめて食卓に食べ物が届きます。
それより何より、命を譲ってくれている植物や動物がいる。
子どもたちには、
そういう感覚を身に付けてもらいたいと思いつつ、
まずはたくさんの収穫を喜び、
楽しむことができたらと思い、
この絵本を選びました。
興味を持たれた方は、
この絵本をお子さんと一緒に
楽しんでいただけたらと嬉しいです😊
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